「今回もよろしくお願いします」
「おう、よう来たのうって、このやりとりは夏もやったわい」
「今回は明後日から部員も本格的にお世話になりますからね。その為にも宿舎の準備くらいはしとかないと」
「結構、結構、よい心がけじゃ。まぁ儂らとしても食費くらいで構わんのじゃがの」
「いえ、学校の部活としてお世話になるからこそ指導料から宿泊費までしっかりしないといけないですから。ま、その分昼間のアルバイトとかで相殺してるとこもありますけどね」
「儂も母さんも賑やかなのは嫌いではないからの。若いもんが張り切っとる姿を見るのはいつでも楽しいわい。それよりリョウスケ君や、また随分と見違えたのぉ。なんというか一山超えたような雰囲気をしておるわ」
「一山ですか?……あー、これから言うこと何ですけどかなり荒唐無稽な事になるんですが俺は正常なんで安心してください。まず初めになんですが前に聞いたこの葛葉家が任せられていたお役目って陰陽的というか霊的というか悪魔祓いみたいな事…ですよね?」
「ほう…、何故知っておるのか気になるのぉ。まぁその通りじゃよ。世の中から神秘が失われた結果それら見えないナニカによる被害も減った為次第に無くなっていったと聞いておるよ」
「それで似たようなナニカと相対する事がありました…と言っても信頼できる方の監督の元ではありましたが」
「ふむ…、カタチはどうあれ実戦を経験しおったか。そういえばキョウジの奴も似たような事を言っておった気がするのぉ。それが何年か前にあった事件に関係しておったと…」
「神話に出てくる悪魔も神も元は人の心から産まれたモノですから…人の心が集まれば似たような事が悪魔のようなモノが出てきても不思議では無い…そう思っていただければ…」
「ふーむ、そうか、それで春先にウチを訪れたのか。葛葉家にそれと相対する技術があるかもしれんからと」
「…はい。何というか、葛葉家が悪魔祓いをしていた可能性がある世界を垣間見たんです。それでもしかしたらと思いました」
「確かに荒唐無稽じゃのぉ、しかし嘘をついてるようにも見えん。というか嘘をつくならもう少しマシな話を考えるわい。するとここに来たのはそれらナニカに立ち向かう為かの?」
「最初は…そうですね、俺が葛葉家として生まれた理由を知りたかったんです。そしたら葛葉流があった。それが理由ですかね」
「なんじゃい、成り行きか。ふーむ、にわかには信じられん話ではあるが儂ら葛葉家のお役目のことを考えると時代を開けて科学によって失われた神秘が科学によって戻ってきたのかもしれんなぁ」
「すいません、打ち明けるのがこんなタイミングで」
「そういえば初めて会った時も言い淀んであったのはこれか。その割に随分すんなり話したという事はあの時に比べて肝が座ったという事かの?」
「そうかもしれません、自分でも思ってたよりすんなり打ち明けられましたね」
「儂以外に知っとるものは?」
「信頼できる監督者の方々くらいです。…ちなみに現世の人ではないです。性質は善性なので大丈夫ですよ」
「聞けば聞くほど驚いたわ…」
「私見ですけど…これから先俺はちょっとオカルトじみた世界のトラブルに巻き込まれます。これだけは間違いありません…」
「そうか…、しかしその困難に立ち向かう腹づもりなんじゃな。…こっちの技術は宗一で終わりかと思っておったんじゃが、リョウスケで最後かの。よし、そこまで腹を割ってもろうては儂もその覚悟に応えようじゃないか。確かに葛葉家はお役目を終えたがその牙を鈍らせたわけではないのじゃ。葛葉流の中には刀術と短銃術、まぁ平成のこの世で使う事なんてほぼないワザではあるが残してきておる」
「お、教えていただけるんですか?」
「うむ、まぁ基礎は今と変わらん。しかし始めが早いわけではないからなまだまだ続かねばならんし、型だけでも教えればここに居らんでも出来るじゃろ」
「ありがとうございます!!」
「とはいえ儂も実際に使ったことなんぞありはせん。しかしリョウスケは使う事ができるんじゃ、そっちの方が得るものも多いのは間違いない。まぁ危険が多いのも事実なんじゃがその監督者とやらがおるならやる価値もあるじゃろ。それに刀術なら古牧もおるからのアヤツにも見てもらえるなら十分よ」
「俺は恵まれてますね…よろしくお願いします!!」
「ま、今日のところは受け入れの準備をしておいてくれ。その間に書物と道具の工面をしておくわい」
なんというか爺さんにも言われたけど成り行きでカミングアウトしてしまった。というか見ただけで実戦を経験した事を見切った人にゴマカシが出来るわけもなかったので仕方ないんだけど…。でも結果は最上だ。古武術って言ってた葛葉流には武器術がキチンと伝わっていたし、教えてもらえることになったんだ。……俺もゴウト童子みたいな猫探さんといかんのか?モルガナと対談させるのも面白…落ち着け。いかん、変なとこに考えが飛んだ。とにかくステップアップのきっかけをもらえたことを喜ぼう。合宿頑張りますかー。準備して明日には天城さんに挨拶もしないとな。
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