「いやぁ、お弁当を朝から作るって大変ですねぇ」
「なんやのんいきなり。まぁ実際にやってみて大変やなぁって思ったけどさ。せやけど夜のうちに揚げ物とか作っておいてほんま正解やったな」
「だなぁ。思ったよりもバタバタしちゃって大変だったよ…」
「ま、その分お昼は美味しくいただきましょうか。そろそろいい時間ですから宗一さんに送ってもらわないと。ついでが有るから楽できましたねぇ」
「ホンマやで。昨日の申し出助かったわ」
そう、おれたちは苦労しながらも弁当を作り切った。思ってたより苦戦してしまったが送ってくれるという宗一さんの助けによって余裕を持って作りきる事ができて何よりだ。…ちょっと多いかもしれないのはご愛嬌かな?余ったらオヤツに食べてもいいだろ。
「じゃあ宗一さんこの辺で」
「あいよー、いやぁ、今日の昼ごはんは君たちが多めに作ったお弁当にご相伴だよ。うーん、この年で女子の手作りお弁当を食べられるとは思わなかったねぇ」
「いややわぁ、そんな大層なもんやありませんって。車借りたり送ってもろたりえらいありがとうございます」
「ははは、これくらいでお礼を言ってもらえるなら安いもんさ。じゃ楽しんでおいでー」
「ありがとうございましたー」
「…相変わらずだなぁ宗一さん」
「ホントだよ。俺のこと見えてないんじゃないか?」
「そのへん気にしたら無駄っすよダイチさん」
「そろそろ時間やけどもう来てるやろか」
「あ、雪子、おにーさんたち来たよ!」
「ホントだ、みんなおはよう」
「う、うーっす」
「お、みんな揃ってるね。じゃあ雪子ちゃん、千枝ちゃん、案内してもらえるかな?」
「「はーい」」
「あれ、俺は何すればいいんすか?」
「完二くんはほら、こっちの荷物持ちだよ。ジュースも買ってあるからお願いするよ」
「うっす!」
3人とも随分と楽しみにしていてくれたみたいで道中ははしゃぎっぱなしだった。ま、花より団子ってところらしいんだけど。天気も小春日和で実に気持ちいいもんだよ。
「あ、そろそろだよ」
「ほら、もう着くんだから中身何入ってるか教えてくれてもいいでしょ〜」
「うう、やっと食えるぜ」
「お弁当作っただけでもこんなに楽しみにしてくれるんだなぁ」
「作った側にすれば本望でしょ?」
「せやなぁ、これで美味しいって言われたらもう悔いはないで」
「おー、君たち本当にいい場所じゃないの。ちょっと不便な分空いてるからゆったり場所を取れるし騒いでも大丈夫そうだし。ほら、まずはシートを引かないと。とりあえずは荷物置いて喉を潤そうか」
1時間ほど歩いたせいでちょうどよくお腹を空かせた腹ペコドモがはしゃいでいる。ま、俺たちもお腹を空かせてるのはおんなじだしちょっと早いけど食べ始めようかな?
「仕方ないですね、もう食べ始めましょうか。じゃないとあの子達落ち着かないでしょ」
「せやなぁ、ウチもあの子らの元気舐めとったわ…」
「まあまあ、俺たちだって食べたいのは事実なんだし2人とも素直に食べようぜー」
「そうしましょうか。おーい、食べ始めるぞー」
「ええ!おにーさん抜け駆けはズルイよ!」
「そっすよ!オレなんて楽しみでしかたなかったんっすよ!!」
「ま、お兄さんお姉さんたちで丹精込めて作ったお弁当だ、はち切れるまで食べるがいいさ」
「うわー!!肉がいっぱい!唐揚げとハンバーグ美味しそー!」
「うわぁ、お稲荷さんだ!」
「うまそー!!ポテトサラダ好きなんスよ」
「こらこら、アンタら食べる前に一言あるやろ?」
「「「いただきまーす」」」
すごい勢いで弁当箱から中身が減って行く。「うまーい」「ウメー!!」「美味しい!」たしかに歩いてお腹を空かせはしたけれどここまでとは思わなかったな。作りすぎた心配ももはや杞憂でしかないぞ。
「いやぁ、あれだ、自分たちの努力が報われるのが目に見えるっていいな」
「ダイチもこれを機にお母さんにご飯作ったりしたらええやん」
「ふふ、そろそろ甘いものも出しておきますか」
「お、味見した時でも美味しかったアレか?」
「出来立てより冷まして馴染んだ方が美味しいんやなぁ」
「うわぁ、大学いも!」
「おにーさん達のおかげでアタシは満足です!」
「オレはまだまだ食えるっす!!」
「まあまあ、君らは退屈かも知れないけど食べたらちょっとゆっくり景色でも見ようか。ほら、お花見に来ただろう?」
「せやなぁ、賑やかなんもええけどまったりしたのもええなぁ」
「ま、飽きたらボール持ってきたしそれ使ってもいいしな」
あれだけ作った弁当も帰る頃には空っぽになった。食べ終わってからはみんなが思い思いの事をして小春日和の中過ごす。まったりおしゃべりもすればボールを使って遊んだりもして中々に充実した会になったんじゃないかな?…そろそろ帰らないと暗くなるな。名残惜しいけどこの位で帰る方がいい思い出になる気がするな。
「じゃあそろそろ帰ろうか。またこっから歩かないといけないしね」
「せやなぁ。あんまり遅くなってもあかんし春って言うても陽が落ちたら寒くもなるしな」
「こういうのも楽しいモンだったな、リョウスケ、またなんか考えてくれよー」
「まぁ、タイミング次第でしょ。つってもダイチさんは受験生になるんですからそんなに余裕ないかも知れないですよ?」
「うぐ…、考えないようにしてたのに…」
「まあ、たまにやったらええんちゃう?…っと片付けも終わったし君らも帰るでー。
「「「はーい」」」
「ま、こっちに来ること有ればまた色々思いつくでしょ」
「おにーさん、また誘ってよね!その時のお弁当は…肉をお願いするよ!今日はごちそうさまでした」
「千枝ったらいつでも肉って言うんだから…。でも私も楽しかったよ。ごちそうさまでした」
「うっす、ごちそうさまでしたっす。こういうワイワイするのもイイっすね」
帰り道もあれが美味しかっただの、次はこんな事がしたいだの話題が尽きることもなく荷物も軽くなったことも相まってあっという間にバス停まで帰ってこれた。そこで千枝ちゃんと完二くんとは別れ、俺たちは旅館までバスで向かう。
「今日は雪子の事ありがとうね、あの子随分楽しみにしてたし楽しかったのかずっと思い出話してくれるのよ」
「いやぁ、いい場所教えてほしいってお願いしたのはこっちですからね」
「もう東京戻っちゃうんでしょ?今度は夏休みまで来ないと思うと寂しくなるわね」
「あはは、来れる時は出来るだけ時間取れる時の方が都合もいいですからねぇ。そのかわりこの間お世話になった連中は何人か家族で来るっていってましたよ」
「あら、宣伝までやってくれるなんて本当助かるわ。またアルバイトもよろしくね、向こう帰っても元気でやるのよ」
「はい、こちらこそよろしくお願いしますよ。それでは」
別れを告げ道場へと帰る。俺はもう明日には戻る予定をしてるんだがいつもは見送る立場だっただけにヒナコさんやダイチさんがまだいる中帰る違和感がすごい。今回は短かったけれどその分濃い収穫もあったしな。この書物のコピー、なんとか読めたらいいんだけど。
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