ゴールデンウィークも終わって学校かぁ。もうすぐ中間試験だなぁ。…またアイツは騒ぐんだろうなぁ…
「頼む!勉強見てくれー」
「知ってた」
「あん?見てくれるのか?」
「…頼むぜ次期部長芝原くんよ」
「え?次期部長ってお前じゃないの?」
「ほら、次期部長が赤点とか笑えないよ?見てやるから。何がわからんのさ」
「数学、化学、物理、英語!」
「ほとんど主要科目全部じゃねーか」
「頼むってよー」
「わかったわかった、離れろ暑苦しい」
「助かるぜー」
「…先輩何やってんスカ?ここ食堂っすよ」
「お、真次君に明彦君じゃないか。合気道部の阿呆に勉強の大事さを説いてる所。去年はクラス一緒だったんだが変わったからこういうよく会うとこですがるようになったんだよ。部活で聞いてこないのかって?部活に頭一杯でそんな事まで考えてないからコイツ」
「テメー一年生に向かってまでバラしてんじゃねーぞ!」
「あん?もういいのか?」
「嘘嘘嘘、お願いしますよー」
「…君らはこんな高校生ならないよう勉強するんだぞ」
「俺、ちょっとやろうかな…アキ付き合ってくれっか?」
「お、おう。見習うべきは反面教師の姿か…」
「…一年生にまで反面教師って言われちまったぜ」
「さもありなん。ちなみにだけどこんなんでもまだ君らよりは立ち稽古なら負けないと思うよ?」
「マジっすか?」
「……」
「ん?こいつらも格闘技やんのかって、こっちボクシング部のホープ君じゃねーか。お前知り合いだったのなら引っ張って来いよ」
「明彦君は元々決めてたから無理無理。ほら、いつまでもこうしてないで飯行くぞ、混んじゃうからな。君らも来るかい?」
「ウッス」
「お願いします」
ま、いつまで経っても勉強しない阿呆はギリギリになって騒ぐんだ…。試験前には殊勝な事言うけど何度でも繰り返す、悲しいねぇ。こんな思いを抱きながら学校生活は過ぎていく…。
学校生活があるとどうしても時間が大きく取れないからなぁ。俺に大きな動きはこれと言って無かった。フミさんにお願いしてる調査もまずは基礎データの収集をしないとどうしようもないから時間かかるし機材の持ち込みも未だメドがたってないからな。訓練だってそうだ。日々少しずつ成長はしてるんだろうが大きな変化は中々見えてこない。
そして夏休みまであと一月ほどというかところ…今年の夏は合宿を行うことが決定された。俺ももちろん参加はするが夏休み中向こうに滞在は出来るだろうか…。本格的に蔵の捜索したいんだがなぁ。うーん、合宿含め3週間くらいは向こうに居たいな。何とか予定を組むかぁ。
そう思ってたところ真次君から相談を受けた。
「あのよ、先輩、ちょっと時間ねぇっすか?」
「…どうしたんだい、随分と神妙な雰囲気じゃないのさ」
「どっか話出来るとこ…はがくれでも行きましょうや」
「ふむ、構わないよ。実はこの辺の店知らないから助かるね」
「さて、話もいいけど…ここのオススメは?」
「初めてならやっぱりスタンダードにラーメンからっす」
「じゃあそれをいただこうか。…で、何の話だい?」
「あ、俺もラーメンお願いします。…話ってのは他でもないっす。桐、美鶴やアキは誤魔化されたみたいっすけど、先輩さ、ペルソナの事ホントは知ってんだろ?」
「…んー、その話かぁ。一応聞いておこうかな、そう思った根拠を聞かせてくれるかい?」
「そうっすね…最初の印象悪かったってのは間違い無いっすけど、頼まれたにしちゃあ俺らの事情に詳しすぎんじゃねぇかって思ったんすよ。で、俺とアキを面倒見てくれてるし…美鶴だって構わないって言ってくれてる。やっぱワケシリじゃないと中々出来るこっちゃ無いと思ったワケっす」
「なるほどねぇ…。自分で気づいた分にはいいんだが真次君からあの2人…いや、他の人には種明かししないでくれるかい?」
「って事はやっぱりっすか」
「ああ、知ってるねぇ。ペルソナの能力。特殊な能力に目覚めた人間は何も自分たちやその周りだけじゃ無いって事さ。で、そのことを俺に聞いてどうしたいんだい?」
「ペルソナ能力の訓練に付き合っちゃ貰えませんか?」
「なるほどねぇ。ちなみに…どこでやるんだい?」
「俺たちは深夜0時…影時間ってのになると現れるタルタロスっつーとこや学校周辺でシャドウを狩ってます。んで…アキと美鶴も能力持ってんですけど、俺だけ制御し切れてねぇんですよ」
「ふうん、それで…どうなりたいんだい?」
「そりゃあ制御出来るようになって…」
「まぁ…制御に関しちゃ俺も人に言えるほどの事は無いんだけどね…。制御ができない。そうなってる原因、要因を考えるべきだろうね。俺の場合は…肉体レベルに釣り合ってないのさ。俺の制御ができないっていうのは消耗が激しすぎたりって言うところかな。真次君は?」
「俺は…俺のペルソナ『カストール』っつーんですけど、振り回されてます。言うことを聞かねぇっていうか。それで影時間の活動を支援してくれてる…顧問、実は理事長の幾月なんすけど、あの人に相談したら薬、弱い制御薬貰って何とかやってます」
「…
「あ、あぁ。構わないっす。なんか封印する為の薬だったらしいんですけど…そこまで効果無かったから俺に回してるって言ってました」
「なるほどねぇ、幾月ってあの学校の理事長だよね?何者なのさ」
「美鶴んとこで研究者やってたらしいんですけど…その結果タルタロスっつー訳わかんないモノとシャドウが出てきて被害者まで出てきちまったからサポートに回ってるって言ってました。なんでも影時間はわかるらしいんですが、ペルソナ能力は無いって言ってましたね。…後ダジャレがクッソウザいっす」
「ふむふむ、まずは…やっぱり瞑想だね。ペルソナって言うのは自己を映し出したモノ…人が誰しも持っている人格が具現化したみたいな存在だ。それを制御するって事は自己の抑圧に繋がるんだよね…。それは良くない。抑圧された自己はいずれ破裂するかもしれない。制御というアプローチが違うのさ。今1番真次君に必要なのは自己との対話だ。君の『カストール』も自分なんだって認識を改めるとこから始めないといけない。…と俺は考えてるね。自己発現した能力なら大抵は何とかなると思うよ。
「…あの瞑想ってそこまで意味あったんすか。俺の『カストール』も俺の一部…か。んで、やけに引っかかってますけど何が?」
「制御薬だね。大体そんなもん研究してる段階でペルソナを、いや、ペルソナ能力者をどうにかしてやろうって魂胆が見えて仕方ないよ。美鶴ちゃんのトコもデカイ組織だからね、そりゃ裏に繋がる部分もあるだろうさ…」
「……けど、美鶴は!」
「いやまぁ、美鶴ちゃんがピリピリしてるのは責任感だろう?自分の所…尻拭いをしなければって感じかな?それ自体は悪くない。能力があるからって高一の子に任せないといけない状況にしてる辺りは気に食わないけどね」
「…あのよ、先輩はタルタロスに来るつもり「無いよ」…⁉︎」
「な、何でっすか⁉︎」
「まずは…影時間だね。俺に適性があるかどうか知らない。仮にあるとしても俺は未だ体験していないんだ。つまり、影響範囲は狭いと予想が立てられる。そんな中活動しようと思ったらこの辺に近寄る必要があるんだが…美鶴ちゃんはともかくそれ以外の大人にまだ近寄りたく無い。それに、異世界は影時間だけじゃあ無い」
「‼︎マジで言ってんすか?」
「うん、そっちの方で手一杯なのさ今は。特に深夜に動く必要があるだろう?他の活動に大きな負担が出てしまうからね」
「…そうだったんすか」
「そう、言っちゃあなんだが…ペルソナ能力者って言うのも君たちが初めて確認されたって訳でも無い。絡みの事件は過去にもあったんだよ。大体は怪事件扱いだけどね」
「全然知らなかったっす…」
「そういう意味で言うなら真次君は周りに相談できていいと思うよ。特別感、使命感で動き出すってのも結局は自己の抑圧につながるのさ。悩んで答えを探すのは自分にしか出来ないからね」
「……話、聞いてくれてあざっした」
「いやいや、またいつでも…良いとは言えないけど聞いてくれれば時間は作るさ。ま、今日の話はあんまり吹聴しないでほしいけどね」
「ウッス、でも何であの時はぐらかしたんで?」
「うーん、美鶴ちゃんの目がねぇ。その手のチカラ、能力を持ってるなら人々の為に使うべきって言いそうな目をしてたからねぇ」
「……」
「ま、それ以外のカタチで協力はしてるさ。瞑想だってホント意味があるから教えてるんだし、コッチの世界で出来る訓練なんて限られてるからね」
「…そっすね、今日は色々とありがとうございました」
「いや、俺も話せてよかったよ。薬の調査は…ま、わかったら連絡するさ。それじゃ」
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