「はむっ、これがリョウスケ様が習得なされた一子相伝のカレーですか…。実に美味でございます」
「いやいや、そんな厳かなもんじゃないよ?」
「お腹を空かせた甲斐もございました。私に協力できてテオも喜んでいることでしょう」
「お姉様…もしや、取り分を増やす為にテオ兄様を…⁉︎」
「貴女たち…テオならそこでケロっとしてる上に黙々と食べてるわよ」
「リョウスケ様、美味しゅうございますね。いやぁ、エリザベス姉上と身体を動かした後ですから染み渡るようですよ」
「「⁉︎」」
「君らも随分と人間味が強くなったと言うか、俗っぽくなったと言うか…。ま、まぁそこそこの分量作ってきたつもりだから満足行くよう食べてくれよ。メアリも手伝ってくれてありがとう」
「いえ、私もこの方々にはお世話になっておりますから。…それに」
「ん?それに、どうしたのさ」
「エリザベスさんにオタマを渡してしまっては暴君が生まれそうな予感がしてなりません…」
「…確かに、絶対的支配権を所有したと思い込んだ振る舞いをしそうではあるな」
「テオさんに対してはご飯にご飯をかける暴挙すらも…」
「ここに来ておかゆライスネタを聞くとはね…。キミも大概馴染んできたんだなぁ」
「ふふ、皆が楽しそうですわね」
「あー、まぁ、楽しんでもらえたなら何よりだよ。で、さっきの話なんだけど…繋がった先の世界に見当は?」
「…ありません。貴方様の記憶の元となった世界やメアリが元いた世界かと思えばそうでないような。まるで
「うーん、別世界への入り口ってトコかぁ」
「そうですわね…おそらくと言った段階ではありますが。まぁ、これで2度歪みを体験した訳ですので私たちも兆候を感じ取る事は出来そうです。その時にまたどうされるかお聞きいたしますわね」
「ああ、そうだな。そう言った場面にも対応出来るよう研鑽を積むよう心がけるさ。……その別世界にいった場合、こっちの世界との時間のズレってどうなるの?」
「ベルベットルームや認知世界で過ごされた時ほどのズレにて収まると思われます。短時間ならば気に留めるほどズレませんし、大凡ですが、1年以上こちらにいて1時間ほどあちらの世界で経った程度だと考えております」
「えっと、でも、その場合俺は1年以上は生きてるんだけどどうなるのさ?」
「ふふ、ここベルベットルームは精神と物質の狭間の世界でございますよ。そんなここからさらに別世界へと赴くのですからリョウスケ様の精神体を改めて受肉させて活動する…と言った対応を取らせていただきますので肉体的な寿命の損失はございませんわ」
「……それはそれで大丈夫なのか?」
「そこはメアリのおかげですわね。限りなく人間に近い器を用意し、それを使って探索する…と申しましても、このベルベットルームからさらに異世界へと向かうからこそ出来る荒業ではあります」
「……ちょっと考えさせてくれ、ま、まだ時間はあるんだろう?」
「はい、ご安心を。またしばらくは安定しておりますので。また歪みが近づく頃にはお知らせ致します」
「ま、そん時はそん時だなぁ。いやぁ、色々と気を使ってもらってありがとう、マーガレットさん。ほら、貴女もカレー食べてきてくださいよ。…エリザベスが飲む機械と化してるんで」
「あらあら、全くエリザベスったら仕方ありませんわね。それでは私もご相伴に預からせていただきますわね。私もリョウスケ様の催しは楽しみにしておりますのよ」
「そりゃ光栄だ、またしばらくしたら計画するさ。…やる事が増えてきてちょっと足が遠のいちゃってるけどね」
「ふふ、それも仕方ない事ですわ。なぜならリョウスケ様が作る輪が広がったが故ですから…」
「…なるほどね。ま、今日は楽しんでおくれ」
確かに歪みとその先の世界の事は気になるけど…今できる事をしっかりやりますか。1年の面倒を見る事にかまけ過ぎないで自分の足元疎かにしてたら意味ないよな。とりあえず夏休み迄は今やれる事を改めて取り組もう。
約束通り隔週で一年生達と共に練習をする習慣も随分慣れたな。この間真次君と話してからというもの、彼も随分打ち込み度合いが変わった様だ。あの制御薬も元々はいざという時に服用する程度だったみたいだが、最近は必要になりそうになる前に一歩退くことができる様になったらしい。良い事じゃないか。しかし、3人でどういう攻略、というか探索してるんだろう。……あれ?逆に考えてRPGゲームやらせた方が探索の為になったりするんじゃないか?手探りでやるよりよっぽど良いんじゃないか?データベースや攻略本を禁止して手探りで攻略していく…アリかも知れないな。ちょっと考えておこうか。大人たちも攻略してもらいたいのかさせたくないのかよく分からんしなぁ。…そこらは俺も影時間に入る事になったら考えるくらいでいいかな。
中間試験も終わって梅雨も真っ只中…妙さんにお願いしてた制御薬の調査がひと段落したらしい。それで妙さんが勤める大学病院の近くの喫茶店へと向かった。ホントはフミさんも色々と報告する事があったらしいんだがなんでも東京を1週間程離れているらしく、帰ってきてからにすると言われている。
「ありがとうございました。…それで、どうでしたか?」
「イロイロ言いたい事有るけど…これ飲んでるのはアンタ?」
「いえ、俺では無いです。けど知り合いですね」
「そう、とりあえずその子に伝えなさい、死にたく無かったら今すぐ飲むのをやめろって」
「…やっぱりですか」
「中にはアタシも知らない成分…解析かけても不明なトコロがあるとかホント訳分かんないんだけど、医者として断言するわ、この薬を作ったやつはロクなやつじゃ無いわね。というか、大丈夫?その知り合いって。ヤクザかなんかなの?いや、ヤクザにしちゃあ高度すぎるか。誰から貰ったのよ」
「…出所は桐条グループにあった研究所に所属していた研究者からもらったみたいです。多分その本人が渡したんでしょうね」
「うわぁ、聞かなきゃよかったかしら…。やっぱりデカイ組織って後ろ暗いことやってんのかしらね。で、ワカンナイ成分はキミは知ってるの?」
「…フミさんに依頼してる調査と被ってるんじゃないかというのが俺の予想です」
「ふーん、キミも結構ヤバイとこ踏み込んでるんだ。……ねぇ、体力とか自信あるんじゃないの?」
「えっ、まさか」
「あら、察しがいいのね。言わなくても分かってくれるって素敵だわ。そう、色々と薬作ってみたんだけど…貴方試してみない?使用感についてはレポートを書けとは言わないわ、それは言葉でも十分。問診にもなるしね」
「ええ…、ちなみにどんなのがあるんですか?」
「うーん、試して欲しいのはねコレ。ナオール錠よ。…なによ、名前に文句でもあるのかしら?」
「いえ…薬の成分調査お願いした俺が薬の治験頼まれるっておかしくないですかね?」
「あら、そうかしら?アタシの薬は成分表と薬効表をまとめて渡してあげても構わないわよ。キミが持ってきたのは…アタシからすれば薬とも言えないモノだし」
「……わかりましたよ、機会が有れば試してみます。どんな時に使うんです?内服ですか?」
「ふふん、聞いて驚きなさい、外傷に効く内服薬よ」
「………」
「何よ、その沈黙は。とりあえずワンシート…10錠渡してあげる。50mgの方だから…そんなに効き目は強く作ってないわよ。……多分」
「何かで試したりとかは…?」
「キミが初めてなの…光栄に思ってくれるかしら?」
「は、はは、お手柔らかにお願いしますね?」
「ダーメ、せっかくの
「……わかりました、感想は使い切った辺りまた」
まだ見ぬジョーカー君よ…キミが購入するであろう薬品は俺の尊い犠牲の元に成り立っている事をここに記しておく。そうなんだよ、どう考えてもおかしいんだよな、現実世界で全体回復の薬品が手に入るとか訳わかんないもんな。そりゃ誰かか何かで試したんだろう…この世界では俺ってこった‼︎
…中々勇気が必要な案件が転がり込んできたなぁ。でもこういう道具も必要だよなぁ…ハラくくるか。
ご指摘をいただきまして、荒垣真次郎君の事を慎二君と表記していたため、修正いたしました。既存キャラの名前を間違えてしまい申し訳ありません
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