「さて、この間話をしてからだけど…また行ったのかい?」
「はい…思うところは色々と出て参りましたが動かないと言うのも出来ません」
「そりゃご立派。幾月さんとは話したりしたの?」
「いえ、まだ…」
「ま、簡単じゃないわな。お父上ともまだ?」
「はい、お父様にお話しするならばせめて私がもう少し納得出来てからと思っております」
「ま、流石にね。そういや、なんで幾月さんって重用されてるのさ。仕事ができてシャドウとペルソナに詳しいってだけじゃないんでしょ?」
「対シャドウの機動兵器を作る事が出来たりする人材でもありますから…」
「へー、そんなもん作ってんの。でも実戦投入はしてないの?」
「なんでも以前起きた事故の時に大破してしまいまだ再稼働のメドがたっていないとの事ですよ」
「そりゃよっぽど気合入れて作ったんだろなぁ。…そもそも何で動くのさ。影時間って認知世界だろう?時間軸もズレてりゃ機械なんてマトモに動かないだろうに」
「それならば…この召喚器にも使用されているのですが、『黄昏の羽根』と呼んでいますモノを使用しておりますので」
「『黄昏の羽根』ねぇ…。それの正体とかは分かってるの?」
「いえ…かなり貴重なモノであり、影時間で活動する上で重要な物資であると言う事くらいですね」
「…分からないまま使ってるのか、どうにも君んとこは行き当たりばったりだなぁ。ちょっと見せてもらってもいいかな?」
「はい。ちなみに銃の形を模しているのは我々ペルソナ使いが発現させる際に自己の死をイメージする事がきっかけとなるからでして…」
「なるほどね、君らのペルソナのイメージはそこにあるのか。ちなみにそれを使わずして召喚は?」
「出来ません…。もしや、リョウスケさんは可能なのですか?」
「そもそも俺が召喚するのに自身の死を覚悟しなきゃならないって事はないからね。ちなみに召喚は影時間内だけでしか出来ないのかな?」
「まさか⁉︎…それも出来るのですか‼︎」
「それも言っちゃえば覚悟の問題だからね。できるモノだと思えば出来るのさ。ま、簡単じゃないと思うけど」
「…リョウスケさんはペルソナ使いとして随分と我々よりも先を行かれている様ですね」
「一人で色々やらなきゃならない分色々試してるからなぁ。でもバックアップがあるって大事だよ?俺は回復手段を用意するのも一苦労だったんだから」
「なるほど…その様な苦労が。そう言う点では我々は恵まれていたのか…」
「まぁ、幾月さんの目的が何であれ影時間で君たちに活動してほしいと思っている事は間違い無いんだ。それに…まだ動く時期じゃないって言ったろ?」
「その時期についての予測はありますか?」
「こんな言い方は君には酷だろうけど…無気力症候群の被害者が増え出すタイミングだろうね」
「くっ…」
「被害者が増えるって事はタルタロスの活動が活発になっている証拠だ。それに、タルタロスの調査も進んでないんだろう?」
「…はい、何をしても開かない扉の様なモノがありそこから先へと立ち入る事が出来ておりません」
「そういう意味でも
「……焦っていたのでしょうか」
「それは間違いなくだね。ま、グループの一族として背負い込むのも無理は無いんだけど、他に身体を張れる一族がいないんじゃしょうがないよね。ふーむ、美鶴ちゃん、ちょっとトレーニングしようか」
「トレーニングですか?」
「うん。強くなったり出来る事が増えれば多少は焦りもマシになるさ。ちなみにどっか良い場所ある?」
「…でしたら我が屋敷はいかがでしょう。あそこならば人目にも付きませんし場所もあります」
「…美鶴ちゃんさぁ、常識無いって言われない?」
「なっ⁉︎何か至らない所でもございましたか?」
「君んとこ見たいなお家に娘が連れてきた男一人ってどんな目で見られると思う?」
「……‼︎」
「ね?…ならあの2人も連れて行こうか。そうすればまだマシでしょ」
「そ、そうしましょう‼︎いま迎えを手配しますのでお待ちください!」
顔真っ赤にしてでてっちゃった…。おいおい大丈夫かよ。
「何だよ、随分と可愛らしいお嬢ちゃんじゃねぇのさ」
「後輩ですよ。…まぁ多少浮世離れもしてますよ。何てったって桐条のお嬢さんですからね」
「マジかよ、ガチガチのお嬢様じゃねぇか。俺のコーヒーで良かったのか?」
「紅茶党らしいですよ」
「それもそれでなんだか悔しいじゃねぇか」
「お待たせしました、もう参りますので」
「という事ですんで今日は失礼します」
「おう、お疲れさん。また頼むわ。さっきの嬢ちゃんにもよろしくな。次はもっとウマイコーヒー飲ませてやるって言っといてくれ」
美鶴ちゃんの家かぁ。ひょっとして当主様とエンカウントしちゃうんだろうか?ま、そこはそうなった時だな。まぁ流石にバチバチに舌戦出来る自信は無いんだが…
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