「さて、ここまで勿体ぶった言い方をしていたのにも理由がある…というか、確証が無かったからなんですよね。ほら、これだけ色々話して結局のとこみんなが悪魔を見えないってなると笑えないでしょ?」
「む、確かにそうだな。ここまで来て実際に確認できないとなると道化にもならんか」
「リョウスケさんは我々には見えると思っているのですよね?」
「だろうな、今だから言うけどよ、そうでもなきゃ影時間のカタが付いた時にセンパイのヤマにスカウトされたりしねぇわな」
「何だと?シンジは声をかけられていたのか」
「タイミングだろうな。自分で言うのもなんだけどよ、俺もアキも戦力の違いなんてセンパイから見りゃ誤差にしかならねぇだろ。そんな中俺はあのヤローからクスリを貰っていた。俺に借りを作りやすかったんじゃねーか?」
「ま、そう言う狙いがあった事は否定しないけどね。武治さん、貴方は罪滅ぼしの気持ちや責任感があるから色々と彼らに便宜を図ってるみたいだけど、末端に届くまでに悪意を挟んでいたらどうなりますかね?」
「なんだと?その様な事があれば組織は立ちいかなくなる…だけで済めばいい方だろう。先程のクスリという事に繋がるのかね?」
「ああ、そうですね。不思議だったんですよ。真次君…はペルソナ制御薬なんてモノを貰ったんですが、なぜそんなクスリが存在しているんでしょうかね。桐条グループでソレを必要とする部署…
「「なっ‼︎」」
「お父様!本当ですか⁉︎」
「…元はと言えばそう言った研究をしていた部署が起こした事故がきっかけなのだ。言い訳にもならないが私の代になって閉鎖させたよ。しかしそうなるとクスリは誰から…?」
「…お父様、幾月さんに手配の指示を出したのでは無いのですか?」
「幾月が荒垣君に渡したのかね⁉︎」
「そのクスリ、どういうモノかはご存知で?」
「あ、ああ、全国各地から素養を持った人間を集めていたのだが中には制御が効かず暴走してしまう者も居たそうだ。そんな彼らのために作られたと聞いている。…しかし、彼らも8年前の事故で亡くなってしまったのだろう」
「はっは、いや、笑い事じゃ無いってのは分かってるんですけどね。随分と都合の良い部分しか報告されてないんですね」
「何だと?」
「結論から言いましょう、そのクスリを服用していたペルソナ使いや服用を続けざるを得なくなっていたかもしれない真次君はそう遠く無いうちに死んでましたよ」
「なっ‼︎美鶴たちは聞いていたのか?」
「あー、まぁ、この子達からすればメンバーにそんな危機があったんですから一応話はしましたね。で、そのクスリを手配できる幾月さんってなんなんですかね?」
「……」
「そうですねぇ、影時間を生み出す様なナニカを利用しようとする人間、ベタな物語なら…ソレを使って新しい世界を作り出しその創造者として君臨したい、もしくは制御出来ないからこそそのまま暴走させて何もかも終わらせたい破滅願望。大穴は情報を握ったアドバンテージを活かして貴方の様な大物に取り入る小物…とかどうでしょうね」
「ま、まさかそんな?幾月が?」
「お父様、幾月さんを信用した要因は何だったのですか?」
「…あの事故を境にペルソナ、シャドウ部門において頭角を表したのだ。そして、事故の瞬間の動画を見つけた様でな。研究室にいた『岳羽』という男による暴走が原因と分かった、と今の今まではそう思っていたよ。なるほど…末端に届くまでに挟まった悪意か。私も娘を笑えんな」
「お父様…岳羽とは中等部の?」
「ああ、あの事故を起こした責任は死んでしまって取る事も出来なかったのだが、家族にまで罪を問う必要は無いと幾月に言われ学園に通える様手配していたよ。…リョウスケ君、確かに幾月の都合のいい様に動いてしまって居た様だ。まだ取り返しはつくかね?」
「まぁ、大丈夫でしょう。俺の見立てでは影時間もタルタロスもまだ休眠してます。時間はありますからね。あとその岳羽さんの子供…多分素養持ちなんでしょうね。ここに来て運命論じゃあないんですが、ペルソナの素養を持つ人間って惹かれ合うというか…世間は狭いみたいな感じで集まりやすい傾向があるんですよね。それに、その子…影時間に対する恨みは相当なモノでしょう?やはり強い感情によって発露するモノでもありますからね」
「リョウスケさん、そうなると幾月さんは何故分かったのですか?」
「そりゃあ幾月はその研究所に居たんだよ。そうでもなきゃ説明がつかない様な事が多すぎるからね」
「ああ、リョウスケ君の言う通り。奴は研究所唯一の生き残りだ。私自身重用したのも申し訳なさとある種のシンパシーを持っていたつもりだったんだが…一方的なモノだった様だ」
「ああ、そうそう、美鶴ちゃん達にはお願いしてあるんですけど…幾月さん泳がしておいて欲しいんですよね」
「何だと?これだけ裏がある奴だったのだろう?何故そんなことを」
「いや、どうにも影時間とタルタロスに固執してる様ですんで今のまま自分が手綱を握ってると思わせてる方がいいと思うんですよね。今でさえどこまで手を広げてるか分かんないんですよ、目の届かない所に行かれたらそれこそ何を企んでるか分かりませんよ」
「…なるほど。しかしこれまでとは違うものな。奴が手綱を握ってるつもりということを知っている。分かった、私もそのように動こう」
「ありがとうございます。…そう言えば仲魔を見せる話でしたね」
「…そうだったな。しかし、かと言って幾月の話を放っておくわけにも行かなかっただろう」
「まぁ、そうですね。ホントは話は後でするつもりだったんですよ。前後しちゃいましたけど。来い、ピクシー‼︎」
「はいはーい!今日はなぁに?ってこの人たちはお友達?」
「「「「おぉ‼︎」」」」
「わ、すごーい。みーんなアタシの事見えちゃうのね‼︎」
「やっぱり影時間の様な異界に適性があるなら見えるみたいですねぇ良かった良かった」
まさかピクシーを見せる前に話を進める事になるとは思わなかったな。どうにも詰めが甘いおかげでボロを指摘できたから何とかなったし、ピクシーも見えてるみたいだ。このままの勢いで何とかしてしまおうか。
新たな仲魔は誰?力不足を自覚してしまったウズメンがバトン(スキル)をいくつか託します
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