「なぁに、貴方達、あんまりレディの姿をじろじろ見るのはどうなのよ!」
「そうですよ、武治さん」
「おっとすまないな。何分驚きが大きすぎて恥ずかしながら固まってしまったよ。それで、シャドウとは違うのですかな?」
「むー!あーんなヨワヨワな連中と一緒にしないでほしーな!」
「まぁ、実際に戦ってないと分かんないかもしれませんね。君らペルソナ使いなら存在感の違いがわかると思うんだけど…?」
「…センパイが俺らの事を戦力として見てない理由が分かった気がしますね。味方なんすよね?はは、冷や汗が止まんねぇっすわ」
「…驕っていました。強くなる手っ取り早い手段に良いのではないか、少し強くなった今なら無理をして狩りを続けても大丈夫なのではないかと。こんな相手が居たら俺にはどうしようもないですね」
「…お父様、正直リョウスケさんと契約をしているという話がなければと思うと血の気が引きましたよ。リョウスケさんはこのピクシーと共に戦ってらっしゃるのですか?」
「…そんなに怯えなくても良いじゃんね。リョウスケちゃん可哀想なアタシを慰めてよー」
「あー、美鶴ちゃん、甘い紅茶とお茶菓子を用意してくれない?ピクシーはそういうのに今ハマってるからさ。それに、俺も喋りっぱなしで疲れたしさ」
「ここは私にもてなさせてくれないか?不躾なお詫びの意味も込めてすぐ手配しよう」
「ありがとうございます。ピクシー、俺なんかじゃ用意できそうに無いお菓子が食べられるぞ」
「ホント!わーいわーい」
「ではお父様、私が案内致します。…道中はそのままで向かわれますか?」
「うーん、どうしよっか。多分…他の人には見えないから大丈夫だと思うけど、ピクシーどうする?」
「うーん、あれね、マガツヒが薄いのね。またお菓子の場所で呼んでくれるかしら?」
「わかった、じゃあ戻っておいて」
「じゃ、またねー」
「「…」」
「…すごいですね」
「まぁ、ピクシーは俺の先祖って言って良いのかな?葛葉家最後のデビルサマナーがわざわざ遺してくれた仲魔だからね。そりゃそこらの野良悪魔やシャドウとは比べ物にならないさ」
「…非常に興味深いです。では客室へと案内しますので詳しく聞かせて居ただけますか?」
「そりゃね、まぁ俺も何もかも知ってるわけじゃ無いけど」
とりあえず詳しい話はせっかくの機会なのに武治さんが居ない所でやっても仕方ないからな。美鶴ちゃんの案内について行って客間…もはや来賓用の館だな。ガチガチのセレブほんと怖いよ…
「美鶴、ご苦労様。リョウスケ君、客人をもてなす事もしなくて申し訳なかったね。ここなら人目を憚る事もない、ピクシーを呼んでもらっても構わないかな?」
「わかりました。ほら、ピクシー着いたよ」
「はいはーい。うわぁ、美味しそう‼︎」
「さっきは申し訳なかったね、私たちの事は気にせず楽しんでいて構わないよ」
「はーい」
「はは、ピクシーあんまり食べ過ぎて俺の用意した方に文句付けないでくれよ?」
「ふふ、そうなったらまた私に頼んでくれないか?いつでも用意させてもらうよ」
「本当ですか?そうなったら甘えてしまうかもしれませんね。さて、俺がデビルサマナーって事は納得してもらえましたか?」
「ああ、実物を…それも私ですら見える。しかも影時間でも無いにも関わらずだ。君のいう事が随分と信憑性を帯びてきたよ。それにこの子達を気にかけてくれて居た様だね、ありがとう」
「ま、先達ってほどでも無いですけど」
「…リョウスケさん、悪魔とシャドウの大きな違いとはなんだろうか?」
「そうだな、シャドウが活動するには異界が必要だ。しかし、悪魔は異界が無くても問題…無い事もないが活動出来る。つまり現実世界に干渉できるかどうかが脅威度の話かな」
「なるほど。では、デビルサマナーとしての見識を伺いたいのだが、悪魔はこれから現世に現れるのかね?」
「情け無い話分かりません。まぁ予想で良いならですけど…影時間じゃない俺が探索している異界、メメントスは人の集合無意識によって生み出された異界です。そこには悪魔にとって養分となるヒトの想いが結晶化した様なエネルギー『マガツヒ』で溢れています。対して現世はそのマガツヒが薄い。そして、弱い悪魔こそヒトの欲望を具現化した様な性質を持っているため直接的な活動をしますが…本当に、本当に強い悪魔、それこそ神話に出てくる様なモノが現れた時現世への影響はあり得るでしょう」
ピクシーの存在感ですら自信を失いかけた3人からだけで無く目の前の武治さんからもゴクリと息を飲む音がした。無理もない、スケールがデカい上に想像もよらなかった話だからな。
「影時間の出現…要するに現世への干渉です。それを果たした元凶は悪魔でしょうね。それも休眠してなおこの影響力。とてつもないモノでしょう。まぁ、武治さんや美鶴ちゃんの前でアレなんですが…とてつもないしっぺ返しを東京の人間…いや日本、ヘタをすると世界中に振り撒く可能性があるんですよ。分かってくれましたか、俺が悪魔を研究しようとする事に対して拒絶している事を」
「……わ、私の父がしでかしたツケはそこまでのモノになると?」
「そもそもその悪魔に興味を持つ様に仕向けたのか偶然なのかはたまた運命かは分かりませんが、黄昏の羽根…アレの大元でしょうね。話を聞く限り影時間との親和性が
「…確かに影時間で活動をするにあたって都合が良過ぎる点は多かった。
「そこまでの存在になると意思疎通なんて出来ませんけどね。文字通り次元が違うんですよ。見てる視点も違うんです」
「君が思う活性化はいつかね?」
「近いうち…でしょうね。幾月さんがご執心な対シャドウ兵器もそうですが、あの人が準備を終え出した頃でしょうね」
「…なるほど、泳がせていた方が都合が良いわけだ」
「えっと、5年くらい泳がされていたんですからやり返してやりましょうよ」
「ふふっ、耳が痛いな。確かに思い通りに動かしていると思っている人間ほど分かりやすい事は無い」
「でしょう?ペルソナ使いを見つけ出すノウハウは未だあの人しか握ってませんからね、失伝してしまうくらいなら有効に使ってやりましょう」
「ふふ、君がデビルサマナーでないと言うなら是非ウチに来てもらいたいよ」
「センパイこえぇ…」
「一年違うだけでこうも変わるのか?」
「お父様、リョウスケさんが困っています」
「いや、ウチに来なくても構わないから美鶴をもらってはくれないか?」
「お父様‼︎」
「なになに、おもしろソーな話?」
「ピクシー、もう満足したのか?」
「あんまりアタシだけ食べちゃったらエリちゃんに悪いじゃ無い。ここで止めておこうかしらと思ったの。オジサマありがとうね」
「リョウスケ君といつでも来てくれて構わないよ。君たちは名前で来れる様にしておくから。…美鶴の部屋が知りたくなったらこっそり」
「お、お父様‼︎何をおっしゃっておられますか‼︎」
「美鶴がここまで取り乱した姿を初めて見たな」
「すげぇ、親父さんとセンパイにかかっちゃ完璧超人もカタナシじゃねぇか」
「う、うるさいぞ!お前たちまでっ‼︎ゔー、しょ、処刑だ‼︎」
「美鶴そんな言葉遣いを教えた覚えは無い。…リョウスケ君の前じゃないか」
「う、う、ゔー‼︎」
「あー、顔真っ赤にして出てっちゃいましたね。久しぶりの親娘のコミュニケーションだとしてもちょっと不器用すぎますよ?」
「…それもお見通しか。ここまで家族らしい事もしてやれなかったからな。今日はいい話ができた。ありがとう。本当にありがとう」
「やめてくださいよ。ま、美鶴ちゃんの事は抜きにしてもよろしくお願いします」
「抜きにするのかい?私としては構わないのだが」
「さぁ、明彦君、真次君、お暇しようか。帰りなんか食べて帰ろうじゃないの」
「…いいんすか?」
「…よく考えてみろ、不器用だけどゴリッゴリのセレブだ。それも俺たちの想像も付かない。何をしてくるか本当に分からん。だからさっさと帰ろう。ピクシー、帰るぞー」
「はーい、じゃ戻るわね」
どうなる事かと思ったけど勢いでなんとかなってしまいそうだったな。…最後の方は勢いつきすぎな気もするけど。ま、大きく動くまでは俺はメメントスかな。たまに彼らの訓練って感じになると思うけど…
何故だ…美鶴ちゃんがお目目グルグルしてそうなキャラになってしまった
新たな仲魔は誰?力不足を自覚してしまったウズメンがバトン(スキル)をいくつか託します
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クラマテングヨシツネ「師匠⁉︎」
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ネコマタ…ピクシー「被るじゃない‼︎」
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