テニプリkids!〜王子様25years after〜   作:ハネ太郎

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 リョーヘイと桜夜は、構想初期段階では普通に兄妹でした。しかし年子だと学校が別れてしまうので二卵性双生児になり、さらにリョーマお父さんのセリフを色々考えていく中で、お父さんが子供たちを呼ぶときに「桜夜、リョーヘイ」と呼んでいるのに気づきました。なので姉弟になりました。


第十話「まぼろしの女子部」

 いっこうに終わりを見せない、元青学メンバーの同窓会。数え切れぬライバルたちとの激闘の日々、仲間たちと絆を深めた合宿、エトセトラエトセトラ。大人たちは思い出話に花が咲く。そばで聞いてる子どもたち。

 

 

 

「ささ、奥さん、どんどん飲んじゃってください」

「あら、すいません先輩」

 別方向で盛り上がるやつらもいた。旧友に酒を注いであげる菊丸、それを受けるリョーマの奥さんこと桜乃。彼女は車で来ているので、飲むのは当然ノンアルコールなのだが・・・。

 

 

 

「お父様、よろしいですか?」

 不意に手塚の娘の翠子が口を開いた。

「どうも先程から気になっていたのてすが・・・レジェンド選手に女子はいないのですか?」

「!?」

「お父様たちの時代にも、青学中等部には女子テニス部が存在したと聞きました。桜乃さまも、その一員だったとも。その先輩方は全国制覇など、歴史に残る活躍はなさらなかったのでしょうか?」

「・・・我が娘よ、いい質問だ」

父・手塚国光は答える。

 

「結論から言えば、彼女たちは全国制覇を果たした。我々と遜色ない、青学の名に恥じぬ実力を持っていた」

「強かったっすよね〜、あのおねえさんたち」

リョーマがしみじみと語る。

「お父さんにそう言わせるんじゃ、そうとうだね。戦ったことあるの?」

桜夜の質問に、リョーマの口から驚きの回答が。

「・・・うっかり舐めプしたら、半殺しにされた」

「どんな試合だ!?」

 

 

 

「あれは迂闊だったな、お前ともあろうものが」

「体調悪くしてたのに、相手の挑戦を受けちゃって」

「そのときは部長とのタイマンだったけど、程なく男子部と女子部の総力戦になっちゃった」

「確か、自分たち女子部は男子部と比べてまったく注目されてない! って怒って襲いかかって来たんだっけ?」

「それは正当な抗議だと思われます・・・襲いかかるのはともかく」

「全国最強の男子を倒して、自分たちが最強の座を手に入れる! とも言ってた」

 

 リョーマは続ける。

「そんで男子と女子が対立状態になって・・・あの時いちばん辛い思いをしたのは、誰だったと思う?」

「・・・お母さん!」

 桜夜が即答する。

「そう、男子テニス部のサポーターであると同時に女子テニス部の部員でもある桜乃お母さんは、文字通り板挟みの目にあった・・・。なあ母さん」

「今思い出しても、あれは辛かったわ。部長命令で、リョーマお父さんたちと話をするのも、試合当日まで禁止されたり」

 言葉を絞り出す桜乃。この場では語りきれない、数多くの苦難が頭をよぎる。

「辛い思い出は、酒が洗い流してくれるさ。ささ、もう一杯飲みねぇ」

「ノンアルコールじゃ、いくら飲んでも酔えませんよ(苦笑)。・・・でもありがとうございます」

 またもビールをついであげる菊丸、それに応える桜乃。

 

「ま、苦戦はしたけどきっちり勝たせてもらったし、君たちの父さん母さんの仲も進展したし、何よりこれがきっかけで女子部と友情が芽生えたし、雨降って地固まるだな」

キレイに締めようとする大石だが、

「・・・いや、そもそも、最初から女子部と交流を持ってたら、あんなややこしいことにはならなかったっスよ! 今更だけど!」

リョーマが阻止した。

「越前よせ・・・その件に関しては、部長である俺にも責任がある」

「手塚・・・!」

「お父さんたちの本をいくら読んでも、こんな話は出てなかった。やっぱ生の声は違うなぁ〜」

 感嘆しきりのリョーヘイであった。

 

 

 

「まあ、あの出来事があったからこそ、その反省で俺が顧問になってから岸田先生とも相談して、男子部と女子部の交流日を月イチで設けたんだけどな」

「合同練習したり、交流試合したり。リョーヘイくんと桜夜ちゃんも、その時にもしかしたらダブルスの腕前を披露できる、かもしれませんよ?」

男子部顧問の大石先生と、女子部キャプテンの翠子の発言に、

「じゃあ、その時を楽しみに待ってます!」

期待に胸膨らます双子なのであった。

 

 

「手塚部長〜ちょっと聞いてくださいよ〜。うちのリョーマくんはね〜」

「な、なんだ?」

突然、手塚に絡む桜乃。どうやら酔っているようだ。

「リョーマくんはね〜、と〜ってもやさしいダンナさまなのよ〜。私が仕事で夜遅くなっても、イヤな顔ひとつせずに子どもたちや家のこと、やってくれるのよ〜♡」

 

「わ、誰!? お母さんにお酒飲ませたの!」

「あ、しまった! さっきからノンアルコールのつもりで、間違えて本物のビール飲ませちゃった!」

「英二・・・何やってんだ!」

「お母さんはアルコールが入ると、誰彼構わず夫自慢を始めちゃうんです」

「我が妻ながら恥ずかしいやつ・・・。すいません部長」

リョーマは頭を抱える。

「あ〜、いや、夫の愚痴を聞かされるよりは百倍ましだ、気にするな」

「うちのママは、お酒飲むと大きな声で歌うのよ」

「ゴスペルシンガーだから、すんごい遠くまで、隣の村まで声が響くの」

菊丸さんちのレオ&リブラ姉妹の証言である。

 

 

 

「桜夜、リョーヘイ・・・とりあえずお母さんを隔離するぞ。可奈子はここで待ってな」

「ん」

「愛してる〜愛してるわリョーマくん〜♡」

「はいはい俺もだよ」

三人がかりでリョーマの車に連行される桜乃であった。

 

           つづく




 唐突に明かされた、青学女子テニス部との裏話。この分だと、まだまだ誰も知らない秘密が聞けそうだ! 次回「宴は終わりぬ」お楽しみに!
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