テニプリkids!〜王子様25years after〜   作:ハネ太郎

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 はい、またしても父親が主役です。このエピソードのために25年後設定にしたと言っても過言ではない、我ながら問題のある話です。これはファンは大激怒ですね・・・大激怒でもいいから感想書いて欲しいな〜(切実)


第十六話「朋香と健児と大女優・導入編」

 ここは越前&竜崎邸。リョーヘイと桜夜が、家族にレギュラージャージを披露。そこにもうひとり・・・。

 

「父さん、母さん、これが今の青学ジャージだよ」

 リョーヘイが着てみせる。

「お父さんたちの頃とは、デザインがまた変わってるのね」

 桜夜の発言通り、リョーマたちレジェンド世代が着ていた、いわゆる「青学ジャージ」とは使われている色(青白ツートンカラーに赤ライン)は同じだが、曲線を多用したり幾何学模様をアクセントで入れたりと、かなり変化している。なお、同様に桜夜の着ている女テニのレギュラージャージは、男子のそれの青部分を赤に、赤ラインをシャンパンゴールドにしてある。

 

「リョーにいちゃんとけんにいが、ペアルックしてる〜」

「違う違う! どこでそんな言葉覚えるの!?」

 可南子の爆弾発言にリョーヘイ、大いに焦る。実際には二人ともレギュラージャージを着ているだけ。

 

 

 

「リョーヘイと同じチームでプレイできるなんて、感慨深いぜ。リョーマ様、また試合見に来てくださいね」

 そのペアルックの相手、「けんにい」こと小坂田健児は、リョーマ&桜乃夫妻の旧友、小坂田朋香の息子。母親の影響でリョーマを様付けで呼ぶ。家族ぐるみの付き合いで越前竜崎三兄妹とも幼なじみ、リョーヘイ&桜夜とは小学生時代から共にテニスの腕を競う。ただ、同じチーム・グループに入るのはこれが初となる。

 

「それにしたって、なにも青学に入ってることを黙っていることないだろ」

「いやー、ビックリサプライズ狙ってたらタイミングを逃しちゃったんでw」

「朋香、元気してる? ラインはやり取りしてるんだけど、なかなか会えなくって」

 桜乃がボヤきつつも友の近況を尋ねると。

「母さんなら、また遊びに行くって言ってました。いつがいいですか?」

「いつでもいいよ。何なら、今からでも」

「ほんとですか!?」

 

 その言葉を待っていたかのように、健児はどこかへ電話。数分後・・・。

「桜乃〜! リョーマ様〜! お久しゅうございます〜!」

 小坂田朋香が入ってきた!

「早っ! まさかの出番待ち!?」

 

 

 

 中等部時代、リョーマを推しメンとして桜乃と共に青学テニス部を支えた名サポーター。レジェンド世代の活躍を間近で見てきた、語り部のひとりである。

「ったく、バレバレなんだよ。わざわざ外に隠れててさ」

「いや〜、犬のマエストロちゃんに吠えかけられて大変でした」

「朋香〜! 会いたかったよ〜!」

「お互い偉くなっちゃったもんね〜、なかなかタイミングが合わなくって(涙)」

 手を取り合い、抱きしめ合うふたり、少女時代からの友情は変わらない。

「あの朋香が、今や敏腕女社長だもんなぁ」

「いやぁ、亡くなったダンナの事業を引き継いだだけでして」

「でも朋香が社長さんになってから、業績右肩上がりだもん。使わせて貰ってるよ、『働く女性のための化粧品シリーズ』!」

 

 

 

 小坂田朋香は、リョーマ桜乃夫妻より前に、勤務先「マジカル化粧品」の当時の社長に見い出されて跡取り御曹司と玉の輿結婚、夫の社長就任後は副社長として事業を支えてきた。さらに夫の急逝後はそのまま社長になり、数々のアイデアと行動力で会社を急成長させたのだ。

 先ほど名前の出た「働く女性のための化粧品」も彼女の提案で開発された、同社の主力製品。従来品と比べて「お化粧にかかる時間が半分、効果は据え置き」という画期的なシロモノなのだ。

 

「人の良さそうなダンナさんだったな。まさかあんなに早く亡くなるとは・・・」

「まあ、元から病弱なのは分かっていましたがね・・・。ただ、自分自身、長く生きられないのはなんとなく分かってたらしいです」

「小さかったから父さんの記憶はあんまりないけど、あったかい人だった、ってのは覚えてる」

 故人に思いを馳せるリョーマと朋香、そして健児。

「今更だけど、シングルマザーで子育てと社長を両立させるの大変だったでしょ?」

「託児所を社内に設けて、他の社員の子と一緒に育てたのよ。たまたまパートさんに保育士資格持ってる人がいたのもラッキーだったわ」

 友の苦労を思う桜乃の質問が、朋香の立志伝のページをめくる。

 

 

 

「・・・で? 今日は何の用だ? ただ遊びに来たというだけじゃなさそうだな」

「!」

 リョーマの指摘は図星だったようだ。朋香は子供たちの方をチラ見して、

「それが、その・・・。ちょっと大人の話なもんで・・・」

「・・・わかった」

 リョーマ、子供たちの方に近づき、桜夜に小遣いを渡す。

「なるべく遠くの方で遊んできなさい」

「え、いいの!? こんなに貰っちゃって!!」

 万札をポンと出されて驚く桜夜。

「お前ら四人が街で遊ぶのに、それだけあれば十分だろ」

 

 

 

「駅前で遊んでくるね!」

「おう、あんまり羽目を外しすぎるなよ!」

 バス停に向かう桜夜、リョーヘイ、可南子、健児。子供たちを見送るリョーマ、去っていくその背中が見えなくなるのを確認する。

「・・・これでよし、さあ話ができるぞ」

「お手数かけます」

 

 ダイニングテーブルで、向かい合わせに座る二人と一人。上座の右にリョーマ、左に桜乃、反対側に朋香。

 

 朋香が話し始めた。

「健児は私が直に産んだ子じゃなくて、施設から赤ん坊の時に引き取った子だっていうのは、もう話したかしら?」

「あ〜、確かダンナさんが不妊体質で、治療を待ってはいられないからって・・・メールで見たことあるかも」

「読めてきたぞ・・・。その健児を施設に預けた元の親とトラブルになっちゃった! そうだろ?」

「あ、いや〜、元の親がらみと言えばそうなんですけど・・・」

 微妙に外したようだ。

「率直に申しあげます。ズバリ、健児の父親はリョーマ様、あなただという匿名の情報がありました・・・」

「それって隠し子ってこと!? 朋香! いくらあなたでも言っていい冗談と悪い冗談が・・・」

 友の突然の問題発言に動揺した桜乃は、その一方で横目で見た夫の変化を見逃さなかった。

「・・・リョーマくん? なんで顔色が悪いの?」

 さらに夫の手を取る。

「心拍数、脈拍が上昇、掌部の発汗を確認・・・」

 これぞ、世界的名医にして夫の主治医たる桜乃の面目躍如。

 

 

 

「・・・俺の子を産む可能性のある女と言えば、心当たりは一人しかいない・・・」

 苦々しい表情で、リョーマはつぶやく。

「・・・あ、まさか!」

「昔、リョーマ様とスキャンダルがあった、あの女優さん・・・!」

 リョーマと長い付き合いの女二人も、なにかを思い出したようだ。

 

「皆で一斉にその名を呼ぶか。せーの・・・」

 

「「「刈谷めぐみ!!!」」」

 

             つづく




 リョーマの過去に関係する「刈谷めぐみ」とは何者か!? 本当に健児はリョーマの子なのか? 夫妻は記憶の旅をする・・・。次回「朋香と健児と大女優・回想編1」お楽しみに!
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