テニプリkids!〜王子様25years after〜   作:ハネ太郎

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 重ねて言いますが、アイデア先行でかなり好き勝手にやらせてもらいます。筆者は旧アニメ版と数年適当に付き合って途中で降り、それ以来テニプリ関連の作品・情報には一切触れておりません、と言いきっておきましょう。より具体的には「四天宝寺? なにそれ美味しいの?」「新テニプリ? アンダー17? 知らん!」ですね。なので、よりテニプリを愛する方々に非難轟々なのは承知。それでも書かずには置かれなかった、脳内から世間に送り出したかったのです。


第一話「新世代の王子様&お姫様」

 青春学園中等部・・・今や日本のみならず、世界中にその名を轟かせるスポーツ名門校。

 

 春、入学式を終えたばかりの昼下り。桜吹雪舞い散る、ありふれた平和な風景。

 

「先生!」

「大石先生!」

 

 校舎裏の一角に佇む体育教師・大石秀一郎(40)に呼びかける二つの影・・・。その呼び声に振り向いた大石先生の目に映ったものは。

 

「やっと来たか! 越前リョーマの子供たち!」

 

 

 

 

「はい! 息子の、越前リョーヘイです!」

「同じく! 娘の、竜崎桜夜(さくや)です!」

 

 Vサインを掲げて元気よく自己紹介する、今日入学したばかりの緑髪の少年と赤髪の少女。制服の胸には、入学式につきものの花形リボンのバッジ。彼らは双子だが二卵性なので容姿は似ていない。そして名字が別々なのは、両親が『選択式夫婦別姓制度』で結婚後も変わらず、それぞれ父と母の名字を受け継いだからだ。ちなみに双子のうち桜夜が姉になっている。

 

「ようこそ青学へ! ・・・二人とも、大きくなったなぁ! ますますお父さんたちに似てきたぞ!」

「ありがとうございます!」

 二人の両親は大石先生の旧友で、共に同校の卒業生、同じテニス部で青春の命を燃やした仲だ。

 

 

 

 ここで、リョーヘイと桜夜(それぞれ12)の容姿をざっくりと説明しておこう。

 リョーヘイは父親譲りの深緑色の髪を短めの無造作ヘアにしており、更にアクセントとして前髪を黄色く染めている(校則違反ではない)。

 桜夜は母親譲りの赤髪を、これまた少女時代の母親同様の三つ編みお下げ二本にして、更にそれを両方とも根元からぐるりと輪っかにしている。そのため口さがない友人たちからは、ツイストドーナツとかイカリングとか粒子加速器(!?)とか言われているとか。

 

 

 

「どうも、子供たちがお世話になります」

 

 と、そこへ現れたのは、長い赤髪を後ろで一本の三つ編みにまとめた、黒縁眼鏡の巨乳美女。先ほどの入学式に参列してきた事を物語る礼服姿。

「あ、お母さん♡」

 

「桜乃ちゃん! 久しぶりだね!」

「ご無沙汰してます、大石先輩。あ、いや、もう『大石先生』って呼ばなきゃいけませんね。すいません私ったら」

 

 双子の母親にして大石先生の旧友、竜崎桜乃(37)だ。

 

「それを言い出したら、桜乃ちゃんこそ『竜崎博士』って呼ばなきゃ。なんたって今や世界中のアスリートたちが注目するスポーツ専門医、医学博士だもんなぁ」

「そんなのいいですよ、やっぱりお互い今まで通りにしましょう。・・・先輩、引退したお婆ちゃんの跡を継いで、男子テニス部の顧問になってくれて、改めて本当にありがとうございます」

 

 桜乃の祖母、竜崎スミレはこの学校の男子テニス部の顧問兼コーチとして、長年に渡り多くの名選手を育ててきた。学生スポーツの歴史にその名を轟かす、伝説の人物だ。大石も同校在籍中に彼女の元で副部長を務め、桜乃は正式なマネージャーでこそなかったが、男子テニス部のサポーターとして陰に日向に彼らを支えていたのだ。

 

「何しろ、先生直々のご指名だったからね。教員免許から何から、資格を取る手助けやら斡旋までして下さって」

「それだけ先輩を買ってたってことですよ、自分の後継者は他でもない、大石先輩だって常々言ってましたから」

 

 

 

「そういえば、桜乃ちゃんはどうしてお医者さんになろうと思ったの?」

「直接のきっかけは、今の夫・・・越前リョーマですね。学生時代、彼と旅行に行って、山で遭難しちゃいまして。彼が怪我をして動けなくなり、私は習っていた応急処置を施して、でも状況は改善しなくて・・・」

 

ー 回想 ー

 

 とある事情から、リョーマの父・南次郎の故郷である某県の山奥の村を訪ねたリョーマ&桜乃。その道中、運悪く熊に襲われ、命からがら逃げ出したはいいが、リョーマが滑落してしまった。

 山小屋の中で救助を待つふたり。足を負傷し横たわるリョーマ、それを懸命に看病する桜乃。

 

「・・・私がお医者さんだったら、リョーマくんを治してあげられるのに・・・!」

「じゃあ、なればいいじゃん」

「え?」

「スポーツ選手のお医者さん。なってくれたら、みんな助かる」

「・・・そっか、なればいいんだ」

 

ー 回想終わり ー

 

「勉強も運動も苦手で、何事にも消極的で引っ込み思案だった私が、それを期に猛勉強して」

「思い出した! 中学卒業と同時に海外留学したって聞いたことあった!」

「お父さんとの愛が、お母さんを変えたんだなぁ・・・」

「感動的だわ」

 それまで大人たちの話をじっと聞いていた双子が、ここでようやく口を開く。

 

「もっとも、その留学のおかげで、彼とは卒業を機に、一旦別れることになったのですが・・・。お互いに夢を叶えたら、また会おうって約束して」

 

「で、大人になってプロ選手になったお父さんを助けてあげたんだよね!」

「そうそう、独身時代のお母さんが勤めていた病院に、たまたま試合で大怪我したお父さんが担ぎ込まれて、お母さんが主治医になって治してあげたの」

「それで交際復活から結婚かぁ、ドラマだねぇ」

 双子の説明に耳を傾け、感慨深げな大石。

 

 

 

「そうやって、当時ニュースになるほどの劇的な復活を遂げたアイツも、結局数年前に怪我で選手生命を断たれちまったなぁ・・・」

 天才アスリートも怪我や病気には勝てない。その運命を思い、大石、遠い目をする。

「・・・でも、お父さんはまだ諦めていません!」

「いまお母さんに身体を治してもらって、現役復帰を目指してます」

 双子が力強く言い切る。自分たちの尊敬する、誇り高き父のこと。

 

「あの人の身体は私が治します、必ず! 医師生命に賭けて!・・・(ハッ)ご、ごめんなさい、私ったらつい・・・(汗)」

「あ・・・いや、こちらこそ失言だった。頼むよ、桜乃ちゃん」

 夫のことになるとエキサイトする桜乃。その心意気を大石は微笑ましく、また頼もしく思っていた。

 

 

 

「ところで、その肝心要の旦那さんは、今日は来てないのかな?」

「もう間もなく来ると思いますよ」

「可南子って僕たちの下の妹がいて、その子の幼稚園の入園式に行ってるんです」

「カナコちゃんか、まだ会ったことなかったなあ」

 大石は、双子とは彼らがまだ幼い頃に会ったことがある。

 

「引退してもテレビで引っ張りだこ、お茶の間の人気ものだからなぁ。周りの親御さんたちの色めき立つ様が目に浮かぶようだ・・・」

 その光景を想像する大石先生。

「私達の小学校の卒業式も大変だったよね。流石にあからさまに声掛けて来る人はいなかったけど・・・視線があちこちから刺さりまくりだったわ」

 桜夜の証言が答え合わせだ。

 

と、そこへまたしても近づくひとりの男。

 

「お母さん、桜夜、リョーヘイ! お前らもうちょっと分かりやすい所にいろよ、さんざん探したぞ」

 

 

                 つづく

 

 

 




次回予告
 青学に「あの男」が帰ってきた! 旧友と懐かしさに浸る彼らの前に、さらなるサプライズが!? 次回「男たちの再会」お楽しみに!
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