テニプリkids!〜王子様25years after〜   作:ハネ太郎

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 大石が独身キャラなのは、別に彼に恨みがあるとかじゃないです、ただその方が彼に合ってると思ったからです(おいおい)。・・・まあいざとなれば岸田先生あたりとくっつけりゃいいんですがね(身も蓋もない)。


第五話「見よ! 無敵のフォーメーション」

 越前姉弟vs菊丸姉妹のエキシビションマッチ、菊丸レオの必殺技「キクマル・ランチャー」の威力にたじろぐ越前リョーヘイ&竜崎桜夜。それ以上に二人を心配する母・竜崎桜乃は、自分の車に積んである救急箱を取りに行った。ちなみにリョーマの車は紅いワンボックスカー、桜乃の車は黄色のトールワゴンである。

 

 

 

リョーマ「・・・何なんだお前は。救急箱取ってくるのみならず、白衣まで着込んじゃって」

呆れ気味に尋ねる夫に対し、礼服の上から白衣を着、眼鏡を光らせた妻は平然と答えた。

桜乃「だって、いつケガ人が出るか分からない状況ですもの。お医者さんとしては臨戦態勢でいなきゃ」

 

 

 

 竜崎桜乃はスポーツ専門医。かつて現役時代の越前リョーマの治療を担当、当時「奇跡」と謳われた復活劇の立役者となった。その後は彼と結婚、主治医としてまた妻として、夫のアスリート生活を支えた。リョーマが怪我で引退した現在は、世界中から請われてフリー医師としてアスリートたちの治療にあたる一方、夫が現役復帰するための治療法を研究するのがライフワークとなっている。その過程で生み出された様々な記録・論文は、世界中の医学界から注目を集めている。先ほど持ってきた、常時車に積んでいる救急箱も家庭用のではなく、外科治療に特化したプロ用だ。

 

 

 

リョーマ「腕のいい医者が待機してくれてるんで、どちら様も怪我を気にせず存分に戦ってください」

大石「あ、ああ・・・」

 

 一方こちらはインターバルで作戦会議中の双子。

 

リョーヘイ「桜夜、どうする?」

桜夜「もうちょっと待って。試したいことがあるの・・・」

リョーヘイ「・・・そんなことして大丈夫なのか?」

桜夜「一回だけだから。お願い・・・!」

リョーヘイ「・・・わかったよ。じゃあ、とりあえず・・・」

 

 試合再開直後、二人は軽く飛び跳ねる動きを始めた。レジェンドたちにはその動きに見覚えがあった。

手塚「スプリットステップ! 越前(おまえ)もよくやっていた動きだ。流石に親子だな・・・」

リョーマ「ま、まあね・・・」

 やっぱり言葉を濁すリョーマ。彼の真意は何処にあるのか。

 

 

 

 試合はまだまだ続く。何度目かのラリーのあと、レオのキクマル・ランチャーが炸裂。先程と同じパターンだが・・・違うのはここから。今度は桜夜が真正面から受け止め、派手に吹っ飛んだ!

 

桜乃「ああっ!」

リョーマ「桜夜ー!」

 

 地面に叩きつけられるかと思われた次の瞬間、間一髪、リョーヘイが受け止め、二人はもつれ合いながらなんとか着地した。

桜乃「だ、大丈夫!? 二人とも!」

リョーマ「何考えてんだお前ら!」

桜乃「・・・お父さん! あなたが『怪我を気にせず戦え』なんて言うから!」

 子ども達のことで、思わず夫に食って掛かる妻。桜乃はどうも、白衣を着ているときは多少攻撃的になるらしい。

リョーマ「ま、まさか真に受けるなんて思わなかったんだよ・・・!」

 

桜夜「二人ともケンカはやめて! あたしが悪いの!」

リョーマ「桜夜・・・」

リョーヘイ「桜夜が『キクマル・ランチャーを自分一人で対処できるか試したい』なんて言うから・・・」

大石「どんだけチャレンジャーな娘さんなんだ・・・」

リョーマ「・・・・・。んで、結果は!?」

桜夜「ダメでした・・・」

リョーヘイ「やっぱりあの球は一人じゃ無理だよ。納得した?」

桜夜「うん・・・」

 桜夜の肩をポンとしつつ、諭すリョーヘイ。

リョーヘイ「でも、今は僕が一緒に戦うダブルスだ。二人ならきっと、アレでなんとかできる」

桜夜「・・・そうね。じゃあお願いリョーヘイ、号令を!」

リョーヘイ「よし! 行くぞ桜夜、『フォーメーション、Xの05(エックス ゼロファイブ)!』」

桜夜「了解!」

 

 リョーヘイの号令を合図に、二人はポジションを変化させる。向かって右側にリョーヘイ、左側に桜夜が構える。

 

手塚「何だ今のは?」

リョーマ「アイツら、自分たちで技を編み出して、自分たちにだけ通じるコードで合図するんス。そろそろ反撃行かせてもらいますよ・・・」

菊丸「どんな手で来ようが、俺の娘たちは負けないぞ!」

 

 試合再開。またまたキクマル・ランチャーが炸裂! コートのど真ん中を貫かんとする殺人豪速球に対し、右からリョーヘイの、左から桜夜のラケットが伸び・・・重なる!

 

「「ダブルブロック!!」」

 

菊丸「な、何ぃー!?」

 なんと双子は両側からラケットを差し出し、二人がかりでキクマル・ランチャーを止め・・・その勢いそのままに撃ち返した! 殺人豪速球が今度は菊丸姉妹を襲う!

レオ&リブラ「「ギャー!」」

 

菊丸「ま、負けるな! 真ん中じゃなく両サイドを攻めろ!」

 しかし、そんな事は双子も織り込み済みである。右に撃たれても左に撃たれても、変幻自在に姿勢や構えを変化させ、ラケット二枚重ねで受け止める。しまいには・・・。

 

「「トング・ホールド・ブロック!」」

 

 飛んでくるボールを、まるで剣豪が箸で羽虫を捕らえるがごとく、二人のラケットで挟み込んで止めた! しかしこれは・・・。

 

翠子「アウト!」

リョーマ「確かに凄いが、ルール上は何の役にも立たない。ただの自爆技だ・・・」

リョーヘイ「調子に乗りすぎた・・・」

 

菊丸「どうするんだよこれ・・・」

レオ「これじゃランチャーは撃てないよ」

リブラ「作戦を変えないと・・・」

 

 

 一方こちらは、フェンスの向こうで仲良く観戦中の越前夫妻。

桜乃「リョーマくん、さっきはごめんね、怒鳴ったりして・・・」

結婚後十数年経っても、名前呼びを忘れない二人である。

リョーマ「気にしてねぇよ。子ども達が心配なのは俺も同じさ。今はただ、信じて見守るだけだ・・・」

桜乃「うん・・・。子どもと言えば・・・可南子ちゃんは何処行ったの?」

           つづく




 ようやく決着のときを迎える試合、その時レジェンド及びその子ども達はなにを思うか!? 次回「我ら、レジェンドの子」お楽しみに!
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