~side なのは~
あの女の子がどこかに行っちゃってから、私とコウキ君とユーノ君でアリサちゃん達の所に戻りました。
私はちょっとケガしちゃってて、アリサちゃんやすずかちゃんに心配をかけてしまいました。
お兄ちゃんは特に心配してくれました。その時にコウキ君が
「コイツ……シスコンか……ッ!」
と、小声で言っていました。意味がよく分かりません。
それと、ケガした理由をアリサちゃんに聞かれた時に、コウキ君が
「ユーノがどこからか持ってきたゴミになのはがつまずいて転んだんだよ」
と、今度は大声で言ったので、皆の矛先がユーノ君に向きました。コウキ君はニヤけていました。
ユーノ君は涙目でした。ご愁傷様。
でも、今は。
それよりも気になるのが、あの女の子。
ジュエルシードを追ってるみたいだったし、また……、戦うことになっちゃうのかな。
不思議と怖くはなかったけど、なんだかすごく悲しい気分になりました。
今、あの娘……、どうしてるのかな……。
~side なのは 了~
魔法少女リリカルなのは ~凡人奮闘記~
第12話 「魔法と温泉①」
~side コウキ~
あの謎の金髪娘となのはが激突してからしばらく経った。
今日はなんか、なのはの家族が主催の温泉旅行に行くらしい。
なのはの友達ということで、俺も誘われた。まあ、別段断る理由もないし、タダで連れて行ってくれるとの事なので、素直に好意を受け取ることにしたわけだ。
俺の他にも、アリサ、すずか、そして忍さんとすずか家のメイドさん二人、つまりはノエルさんとファリンさんも付いてくることになった。
……さすがに今回はジュエルシード集めは休ませたいな。せっかくの旅行なんだし。
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「……と言うわけで、温泉回ですな。ユーノよ」
「?」
俺の肩に乗るユーノと適当に会話していると、なのは達が俺の部屋に入ってきた。
ちなみに、俺はなのは達と同じ部屋じゃない。恭也さんと同じ部屋である。
ん? ユーノ? ユーノはなのはの部屋です。実質なのはのペットみたいな立ち位置だし。
「コウキ君、私達、温泉に入ってくるね」
「おう。まあユーノでも連れて行けよ」
「!?」
「あ、そうだね」
「!?」
ユーノが「お前何言ってんの?」みたいな目で見つめてきた。え? 何? 何かおかしなこと言ったっけ?
だって俺がユーノの身体洗うのか? 嫌だしそんなの。
(ちょ、ちょちょちょっと待ってよコウキ!! 僕は男だよ!?)
(いや、男っていうかオスだろ。 問題ねえよ)
(い、今はそうだけど、僕は本当は!!)
「じゃあ、いきましょうかユーノ!」
「キュッ!?」
ユーノが念話で何か話そうとしていたが、肝心な所でアリサに鷲づかみされ、否応なく連れて行かれた。
……まあ、どうせ大した話じゃないだろ。
ちなみに、ここの旅館には、卓球施設とか、まあ色々用意されてて、宿泊者が飽きないシステムになってる。あとでなのは達と探検のようなものをする予定だ。
それまで暇だし、俺も温泉に浸かることにしましょうかね……。
自分の部屋を出て、男湯へと向かう。途中、綺麗に手入れされた中庭が姿を見せ、そこから涼しく心地よい風が吹いた。
「…………ん?」
ふと、妙な感覚が襲った。なんだろう、言葉にしがたい感覚、これはユーノが言ってた『魔力』の反応……なのか?
それにしても、一体どこから? この辺りにジュエルシードでもあるのか?
「……一応、探して……って」
俺が歩いている廊下の先、俺の正面から、一人の女性が歩いてきた。橙の髪の毛で、俗に言う『ダイナマイトボディ』を持った女性。傍から見れば、ただの女性だが、なんとなく、本当になんとなく何故かこの場に浮いている気がした。
「……おや?」
「?」
その女性がこちらに気づくと、少し目を広げて、そして何故か嫌な笑みを浮かべながらこちらに近づいてきた。
別段逃げる必要もないので、俺は動かない。
「なるほど、アンタもあの娘の仲間だね?」
「は?」
「あの娘だよ。ウチの子をアレしてくれちゃった子」
「え、と。何のことです?」
女性は俺をジロジロと眺め、そして不意に口を開く。
「忠告しておくよ。アンタ達、お遊びで関わるのは止めときな?」
「……!」
そうか! コイツ、あの金髪娘の仲間か!!
この魔力の感覚、この人から感じたんだ。それにこの話し方、既になのはとも接触しているな。
「……別に遊びでやってる訳じゃない」
「へえ、アンタ年のわりに大人びた言い方するねえ」
「そりゃどうも」
「まあそれはどうでもいいや。とにかく」
女性は俺に近づき、一言。
「あまりオイタが過ぎると、ガブッ! といくよ?」
「…………」
そう呟いた。
女性はそれで満足したのか、軽い足取りで俺の後ろを歩いていった。
「あれえ? コウキ君?」
「え? ……って、なんだすずかか」
「なんだってひどいよー!」
「それと、アリサと……、なのはもか」
あの女性が歩いてきた方向から、いつもの三人組がやってくる。なのははまあ予想通りというか、複雑な顔をしていた。
三人とも頬が赤い。ちょうど風呂上りかな?
「聞いてよコウキ! さっき酔っ払った女がなのはに近づいてきたのよ!! あーもう、考えるだけで腹立つ!」
「……お前、それマジで酔っ払ってたのかよ?」
「ううん、多分酔っ払ってなかったと思うけど……」
すずかが苦笑しながら冷静にツッコミを入れる。言葉の綾、というやつか。
「まあ、いいじゃねえか。それより卓球しようぜ卓球!」
「いいわね!! 私に負けて泣くんじゃないわよ!」
「そりゃこっちのセリフだっての」
せっかくの旅行なんだ。少しくらい、魔法のことを忘れてもいいよな?
俺達四人は、他愛もない会話をしながら卓球施設へと向かった。
~side コウキ 了~
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~side --~
温泉に一人、橙の髪を持った女性が気持ち良さそうに湯船に浸かっていた。周りには誰も居ないので、半ば独占状態になっている。
(あー、もしもしフェイト? こちらアルフ)
女性はなのはやユーノ、そしてコウキが使う『念話』を操り、『フェイト』と呼ばれる者に話しかける。
(……うん)
そして温泉旅館の近く、木が生い茂る場所に居る金髪の少女、フェイトもまた、アルフに念話で返事をした。
(ちょっと見てきたよ、例の白い娘とその仲間っぽい男の子)
(……そう。どうだった?)
(まあどうってことないねえ。フェイトの敵じゃないし、ましてやあのガキンチョ、魔力量じゃあフェイトの半分もないね)
(……そっか)
こうしている間も、フェイトは表情を変えない。それは余裕からか、はたまたただ興味が無いのか。
(こっちも少し進展。ジュエルシードの位置が大分特定できたよ)
(そうかい!!)
(うん。今夜には捕獲できると思うよ)
(さすが私のご主人様だねえ! ナイスだよフェイト!!)
(ありがとうアルフ。……夜にまた落ち合おう)
念話が切れる。湯船には、気持ち良さそうに目を瞑っているアルフ。その頭からは動物のもののような『耳』が見えていた。
~side -- 了~
どうも、冬の目です。
今回は難産でしたねえ……、アルフの話し方もよく分からんしw
では、また次回!
ちなみに4人組の卓球の結果は
1位 すずか
2位 コウキ
3位 アリサ
ドベ なのは
です。まあなのはがドベなのは当然ですな(ぇ