魔法少女リリカルなのは 〜凡人奮闘記〜   作:冬の目

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第13話 「温泉と魔法②」

~side コウキ~

 

 

 

 

 

 

アリサ達と卓球を楽しみ、美味い晩飯を食べ、夜になった。恭也さんに「寝ろ。」と言われたので、素直に布団に潜る。恭也さんが俺に敵意丸出しなのはこの際スルーってことで。

 

 

今日を一日過ごして分かったことは、あいつら……、まああの金髪娘がこの辺りに居るってことだ。え? そう思う理由? さっき出会った女のことも関係あるけど、あの女のものではない魔力反応を感じるからだ。多分、金髪娘のものだと思う。

それと、あの金髪娘は単独行動じゃなかった。よく分からんが、少なくともあのダイナマイトボディを持つ女もあいつの仲間のようだ。

 

……アイツが居るってことは、この辺りにジュエルシードがあると見て間違いない。

 

そんな訳で、俺は今眠るわけにはいかない。予想では、そろそろ金髪娘が動き始める頃だろう。

そして、予想通りに大きな魔力反応を感知した。

 

 

(ユーノ、なのは!)

 

(うん!! コウキ君! この反応って)

 

(ああ。ジュエルシードだろう。ユーノ、なのは、向こうで落ち合うぞ!)

 

((分かった!))

 

 

急ぎつつ、それでも恭也さんにバレないように静かに、俺は部屋を抜け出した。

目指すは……、旅館の中庭か?

反応からして、そろそろ封印が終わる頃だろうか……?

 

 

 

 

 

 

~side コウキ 了~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔法少女リリカルなのは ~凡人奮闘記~

    第13話 「温泉と魔法②」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~side --~

 

 

 

 

 

 

 

ジュエルシードが光を発さなくなった。静かにフェイトの手に収まる。

 

 

「二つ目……」

 

「……おや?」

 

 

フェイトの傍らに居座るアルフが何かを察したのか、たった今フェイトが封印したジュエルシードがあった川に架かる橋。その橋の奥を見た。

ちょうどそのタイミングで、なのはとユーノ、そしてコウキが同時に現れる。

 

 

「ちょっと遅かったか……」

 

 

『敵』と鉢合わせしたにも関わらず、冷静に状況を分析するコウキ。ユーノは相手を睨み、なのははただ一人と一匹を見つめていた。

 

 

「あらあらあらあら……」

 

 

アルフが嘆息し、そして見下げるような目でなのはたちを見た。

 

 

「あっ!?」

 

 

なのははアルフを見ると、目を丸くする。それは何故か?

今日の昼に旅館の中で出会った女性。その女性が目の前に居たからだ。

 

 

「あたし、親切に言ったよねぇ? 『ガブッといくよ?』って」

 

「ああ、確かに言われたな」

 

「それを、『ジュエルシード』をどうする気だ!!」

 

「うるさいフェレットだねぇ……。」

 

「質問に答えろ! それは危険なものなんだ!」

 

 

いつになく強い口調で話すユーノ。コウキやなのはをこの一件に巻き込んでしまったと、『まだ』思っているのか。

 

 

「さあねぇ? 答える理由が見つからないよ? まあ、そんなことよりさあ……」

 

 

アルフの身体が女性から、みるみるうちに変化していく。手は鋭い爪を持ち、全身から橙の毛が生えた。

その姿はまさしく『狼』。

 

 

「悪い子にはおしおきしないとねぇ!!」

 

「アイツ、やっぱり『使い魔』だ!!」

 

 

『使い魔』。

主から魔力を供給してもらい、それを糧に生きる生物のことだ。そしてその使い魔は、命を貰う代わりに、主に従い、主のために生きる。それが『使い魔』と呼ばれる存在である。

このアルフは、フェイトの使い魔なのだ。

 

 

「フェイト、先に帰ってな? すぐに追いつくから」

 

「……うん。無茶しないでね?」

 

「オッケー!!」

 

 

フェイトの言葉と共に、アルフがなのは達に突っ込む。

 

 

「ユーノ!! 俺とアルフを別の場所に飛ばせ!」

 

「えっ!?」

 

「アイツ等を引き離す!」

 

「……じゃあ僕も行くよ!! なのは、あの娘をお願い!」

 

「ラウンドシールド!!」

 

 

コウキがシールドでアルフの攻撃を防ぐ。

 

 

「今だユーノ!!」

 

「なっ!? 転移魔法!? しまっ……ッ!」

 

 

ユーノは魔方陣を展開。コウキ、そしてアルフと共に転移魔法によって、別の場所へと移動した。

残ったのはフェイトとなのはのみ。

 

 

「強制転移魔法。……良い使い魔を持っている」

 

「……ユーノ君は使い魔じゃないよ。大切な『お友達』!」

 

「…………」

 

 

橋の中心にフェイト。橋の入り口になのは。

少し離れた場所で、二人は睨みあう。

 

 

「……それで、どうするの? 私達はジュエルシードを賭けて戦う敵同士。今回も邪魔をするなら、私は戦う」

 

「話し合い、じゃあ駄目……かな?」

 

「……話し合いだけじゃあ、言葉だけじゃきっと何も変わらない」

 

 

フェイトは右手に持つバルディッシュをなのはに向ける。

 

 

「伝わらない!!」

 

 

一言叫ぶと共に、なのはに斬りかかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「少ない魔力量の癖して、粘ってるんじゃないよッ!!」

 

「うっせえ!!」

 

 

一方、先程転移した二匹と一人。

アルフの攻撃に対し、コウキはそれをすべて『ラウンドシールド』で防御。キズ一つ付いていなかった。

 

 

(……すごい)

 

 

コウキを見て、ユーノは思わず固まってしまった。魔力量が少ないコウキ、それもユーノが暮らしていた世界の平均から見ても少ないコウキが、どうしてここまで戦えるのか。

相手のアルフが決して弱いわけではない。むしろ使い魔としては強いレベルである。

 

 

(……なのはだけじゃなく、コウキも成長してるんだ)

 

「オラッ!!」

 

 

ガードしながら、コウキは隙を付いてアルフに殴りかかる。

 

 

「チッ!!」

 

 

それをアルフはバックステップで避ける。再び襲い掛かるも、コウキはシールドでそれを防ぐ。

 

 

「無駄に固いシールドだねぇ!! あーイライラする!!」

 

(……この前も思ったけど、コウキには……)

 

「そんな簡単にやられてたまるかってーのッ!!」

 

 

対峙するコウキとアルフ。

コウキを見て、ユーノが口を開く。

 

 

「……もしかして、『レアスキル』……?」

 

 

そんなまさか、とユーノは首を振って、再びコウキへの支援に集中した。

と、その時。

 

 

「ディバイィィィン……」

 

 

上空からなのはの声。

 

 

「バスタァァァァァッ!!」

 

 

フェイトも相殺すべく砲撃魔法を放つ。が、なのはの『ディバインバスター』に一瞬拮抗するも、すぐにかき消される。

 

 

「……つえぇな、なのはのやつ」

 

 

コウキは思わず呟いてしまった。それもそのはず、なのはが放った『ディバインバスター』の威力が尋常では無かったからだ。

凄まじい魔力量。凄まじい威力。

魔力量の少ないコウキには一生掛かっても放てるかどうか。

そんな砲撃。

あのフェイトですら、圧倒した。

 

 

「……まあ、それでも」

 

「ん?」

 

 

不意にアルフが口を開く。

 

 

「あの子は甘いよ」

 

「あん?」

 

 

何が? とコウキが聞き返そうとした、その時、なのは達が居る場所が急に静かになった。

 

そこには、空中で首元にバルディッシュを突きつけられるなのはが居た。

 

 

「なのは!」

 

 

コウキが急いでなのはの元へ向かう。

 

 

「させないよ!!」

 

 

走り出したコウキを見て、アルフがそれを阻止しようと追いかける。

 

 

「あ」

 

 

が、少し走ったところで、コウキは頭を抱えてうずくまった。

ユーノが何事かと思い、コウキに駆け寄る。

 

 

「……そういや俺、空飛べないじゃん……」

 

「ええ!? そこなの!? 敵うんぬんじゃなくて!?」

 

「盲点だったよ……はは……」

 

「そこ分かっておこうよ!! 逆にどうして行けると思ったの!?」

 

 

コウキとユーノがコントをしている間に、なのははフェイトにジュエルシードを一つ渡していた。主の身を案じたレイジングハートが、自主的に差し出したのだ。

 

アルフは冷めた目でコウキとユーノを見ているだけだった。

 

 

「……できればもう、私達の前に現れないで」

 

「えっ……」

 

「今度はもう、止められないかもしれないから」

 

 

どことなく寂しそうな目で、フェイトはなのはを睨む。なのはは言葉が出ない。いや、出せなかった。

あんな目をしている少女に、どんな言葉を言えばいいか、分からなかったから。

 

 

「だが断る」

 

 

二人の沈黙を破ったのは、黙って二人を見つめていたコウキだった。

 

 

「…………」

 

 

フェイトはコウキを睨みつける。アルフは後ろで既に戦闘体勢に入っていた。

 

 

「俺達もジュエルシードを追ってるし、諦める気もない。だからいずれまた出会う。な? なのは」

 

「……うん!」

 

 

コウキにつられてか、なのはもフェイトを見つめる。

フェイトには、この二人にどこか苦手意識を感じていた。

 

 

「名前、教えてよ!!」

 

「ん、そうだな。そういや知らなかった」

 

 

どうして、こうも自分に関わってくるのか。

どうして、こうも自分に話しかけてくるのか。

 

 

「……フェイト、フェイト・テスタロッサ」

 

 

気づけば、口が勝手に名前を言っていた。

言う必要なんて、これっぽっちもないはずなのに。

 

 

「……帰ろう、アルフ」

 

「あいよ!!」

 

 

フェイトは後ろを向き、この場から去ろうとする。

 

 

「またな、テスタロッサ」

 

「…………」

 

 

コウキの言葉には返事せず、一瞬のうちに見えなくなった。

 

 

「そこのガキンチョ! アンタは絶対アタシが倒す!!」

 

 

アルフはコウキをひと睨みしたあと、フェイトの後を追って姿を消した。

 

なのは達はただ、それを見送ることしかできなかった。

 

 

 

 




更新遅れたorz

どうも、冬の目です。
先週はリアルが忙しくて、なかなか書けませんでした。

……どうでもいいけど、ラノベとか読んでると、小説書きたくなるよねwww
モチベ維持にいいかもw

では、また次回!
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