~side アリサ~
イラッと来る。
すずかがなのはに話しかけている。
でも、なのはは上の空。別に今日に始まったことじゃないけど。
なのはが何か悩んでることは、誰が見ても分かる。もちろん、私もすずかも分かる。
それでも、なのはは私達に話してくれない。すべて自分一人で解決しようとする。
昔、私がすずかをいじめてた時に、間に割って入ってきた女の子。それがなのは。
あの時は、お互い本音をぶつけ合ったのに。
……だから、すごく気に入らなかった。
「いいかげんにしなさいよッ!!」
気づけば、私は机を叩き、なのはに激昂していた。
「この間から、何を話してもボーっとして!!」
「ご、ごめんねアリサちゃん……」
「『ごめん』じゃないッ!!」
「……っ」
……きっと、何か事情があるのよ。
そんなこと、分かってるのに。
「そんなに私達と話すのが退屈なら、一人でいくらでもボーっとしてなさいよッ!!」
私は、自分の感情を吐き出さずにはいられなかった。
~side アリサ 了~
魔法少女リリカルなのは ~凡人奮闘記~
第14話 「すれ違い」
~side コウキ~
「……アリサ?」
いつものように、放課後まで睡眠に時間を割いていたのだが、今回は大きな音によって叩き起こされた。
音の原因はアリサで、なのはに向かって怒声を飛ばしていた。
周りの生徒達は何事かと目を丸くしながらなのはとアリサを見つめている。すずかはどうすることもできず、オロオロとアリサとなのはを交互に見ていた。
……まあ、原因は分かる。
魔法関係のことで悩んでいるなのはに、心配事を相談してくれないことに腹を立てたアリサが、ついにキレた。大体そんな感じだろう。
正直、いずれはこうなるだろうと思ってた。
なのはのヤツ、あいつらの話、まったく聞いてなかったし、露骨にボーっとしてたからな。
あれじゃあ「私、悩んでます」って言ってるようなものだ。
……それでも、どうしようもない、のかもしれない。
アリサ達に魔法のことを話すわけにはいかないからな。
に、してもなのはよ、もうちょっと悩んでることを隠そうぜ。本人は隠してるつもりだろうけど、バレバレだ。
アリサはすずかを連れて、先に帰ってしまった。
「……なのは、大丈夫か?」
まずはなのはへのフォローだ。
コイツも放っておくと、またうじうじ一人で悩んじまうからな。
「……うん」
「……はぁ……。あのな、なのはよ」
なのはの両肩をガシッと掴み、俯いていたなのはの顔を俺に向けさせる。
なのはが何を勘違いしているのか顔を赤くしているが、まあそれはどうでもいい。
「お前は顔にすぐ出るんだよ。『私、悩んでる』ってな」
「…………だって、アリサちゃん達には魔法のことは」
「お前が悩んでるのは魔法のことじゃないだろ」
「……え?」
目を丸くして驚くなのは。
まあ、確かに魔法が関係してるのは事実。……だけど、コイツが気にしているのはそこじゃない。
とはいえ、コイツ自身が気づいてないから、結局同じなんだけど。
「確かに魔法のことも考えてるだろう。でも、お前が本当に悩んでるのは『フェイト』のこと。そうだろ?」
「……うん」
「だったら、アリサ達にも相談すればいいじゃねえか。『友達のことで悩んでる』って」
「え!? だから魔法のことは」
「だから、魔法は関係あるようで、関係ないんだよ」
俺はなのはに諭すように話す。
「今のお前は、『心を開いてくれない人が居る。どうしたら心を開いてくれるのだろう?』ということで悩んでる。フェイトという人間は、魔法なしでは語れないヤツなのか? 違うだろ?」
「……っ!」
一つため息を吐き、なのはに微笑みかける。
「……明日、アリサ達に相談しようぜ? 俺も一緒に居るからよ」
「うん……」
表情は曇ったままだが、なのはは納得してくれたようだ。
あとはアリサ達だが……、まあ明日話せば大丈夫だろう。
いきなり俺がフォローしてもちょっとおかしいし。
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(なのは! ユーノ! 反応が出たぞ!! ユーノは結界を頼む!)
(うん!)
(分かってる!!)
夜、なのは達とジュエルシードの捜索をしている最中に、アルフの魔力反応を感じた。
ここは海鳴市の中でもかなり人が集まる都市の中心部。表通りでは買い物客で賑わい、裏道ではその通りの『ツウ』しか知らないような店が並び、酔っ払ったサラリーマンがフラフラと歩いていた。
街の中心部ということもあり、そうそう無茶なことはしないだろうと思っていたが……。
「……躊躇なく発動してきやがった……」
アイツ等何考えてんだよ。人であふれ返ってるんだぞ。
アルフが魔力を至る所に飛ばしやがったおかげで、街中でジュエルーシードが発動した。
俺はなのはとユーノに合流。一緒にジュエルシードの元へ急ぐ。
「とりあえず封印だ! なのは、いけるか? 多分、フェイトも来る」
「大丈夫! それに……」
「?」
「……あの子と、お話したいから」
「……そっか」
まあ、フェイトが話を聞いてくれたらだけどな。
……今のアイツは、ジュエルシードの確保しか頭にない。何がアイツをそこまでジュエルシードに執着させているのか、まったく分からない。おそらく、何か大切な理由があるのだろう。
……それでも。たとえ、譲れない思いがあったとしても。
なのはや俺が、必死に訴えかければ、分かり合えるかもしれない。
「させないよッ!!」
「あっ!?」
上空から突如、アルフがなのはに向かって突っ込んでくる。
既に狼モードになっているようだ。
「シールドッ!!」
不意を突かれたなのはの前に立ち、シールドを展開。
アルフの攻撃を防ぐ。
「ありがとうコウキ君」
「おう。これぐらいはまかせとけ」
「コウキ!! あのフェイトって子も来たみたいだ!」
「あいよ。今回もあの使い魔は俺が相手する! なのははフェイトを頼む!!」
「うん!」
今回で三回目の対決。なのはもそうそう簡単にはやられないはずだ。
そう、問題は俺自身だ。アルフにどう立ち向かうか。
奇跡的に、シールドはアルフに通用している。あとは攻撃方法だが、正直、俺はまったく魔力弾を撃てる気がしない。
ただ、魔力弾自体は作ることが出来る。それはこの前ユーノと練習した時に確認済みだ。
俺の場合、魔力量が少ないので、魔力弾を打ち出すにはそれなりに練習が必要らしい。というか、なのはが珍しいんだそうだ。
話は戻る。攻撃手段の件だ。
まあ、それも考えはある。用は魔力弾を当てればいい訳だ。
……それなら、手はある。
「さて、じゃあ勝負といきましょうかね」
話し合いで何とかしようと奮闘しているなのは達の横で、俺とアルフはすでに臨戦態勢に入っていた。
どうも、冬の目です。
次回は一週間以内に書けるかな?
今週はなかなか忙しいかもしれないのでw
では、また次回!