魔法少女リリカルなのは 〜凡人奮闘記〜   作:冬の目

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第4話 「協力(半強制)」

~ sideコウキ ~

 

 

 

 

 

「リリカルマジカル・シリアル『21』封印!!」

 

(sealing.)

 

 

なのはの声にレイジングハートと呼ばれた杖(?)が反応、さっきまで暴れていたあの物体は嘘のように静まり返り、一つの石となって動かなくなった。

 

え? 戦闘シーン? そんなもんはカットだカット。

なのはが戦ったといっても、あいつ自身は特にこれといったことはしていなかった。あのフェレットが言った言葉を繰り返していたぐらいか。

それよりも驚きなのがあの『レイジングハート』だ。頭の中にイメージするだけで攻撃や防御を可能にし、言葉を言えばより強力な魔法が発動するらしい。

まあ、多分それができるのも一部の連中だけなんだろうけど。なのはみたいな『才能』のある奴らが。

 

 

「終わったの……?」

 

「…………」

 

「はい。あなたたちのおかげで……、ありがとう……」

 

 

フェレットは感謝の気持ちを残して気を失ってしまった。

……あなた、たち、ねえ? 俺に何かできたか? ただ突っ立ってただけ。何もしていなかった。

 

 

「だ、大丈夫? ねえ?」

 

「……なのは、今はそれよりも」

 

 

俺はあたりを見回し、遠くから聞こえるパトカーのサイレンを聞きながら、今からのベストな行動を考えた。

 

 

「ここから離れるぞ」

 

「え……?」

 

「え? じゃない。この惨状をどう説明するんだよ……」

 

「ああ! そ、そっか!」

 

 

動物病院の周辺は、なのはとさっきの物体の戦闘によってボロボロ、修復不能なレベルになっている。誤魔化そうにもかなりの規模なのだ。言い訳が通用するはずがない。

というわけでここは放置で逃げるしかない。とりあえず、なのはの家へと向かうことにした。

 

……警察がこの惨状を見たらドン引きするだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔法少女リリカルなのは ~凡人奮闘記~

    第4話 「協力(半強制)」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ねえ、コウキ君」

 

「…………なんだ?」

 

「私、これからどうすればいいのかな……?」

 

「…………」

 

「私、まださっきのことよく分からないの……。それに、すごく怖かったし」

 

「……なのはの好きにすればいいよ」

 

「……え?」

 

「今日の昼も言っただろ? 楽観的に行こうぜ、って。自分がしたいことをすればいいんだよ」

 

「…………」

 

 

でも、そりゃあ当然だよな。俺だってまだ動揺してるし、さっきの怪物が恐くなかったって言えばウソになる。なのはが悩むのは当たり前だ。

……まあ、でもなのはなら協力するだろう。結構こういうの断らない性格だし。

それがなのはの良いところでもあるんだろうけど。

 

 

「まあ、なのはには資し「じゃ、じゃあ!」つが……って、な、何?」

 

「じゃあ、コウキ君も私と一緒に協力してくれる……?」

 

「……は?」

 

 

うんん?

なんか予想の斜め上を行く答えが返ってきた件について。なのはは何故か顔を赤らめて、もじもじしながら上目遣いで俺を見つめてくるし、何だこの状況は。

 

……まあ、別に俺が協力すること自体は構わない。だが。

 

さっき、なのはは一人で戦闘を行い、一人で『ジュエルシード』とフェレットに呼ばれていた石を封印した。要するに、あのフェレットの要望に答えたわけだ。

 

じゃあ、俺は?

 

俺がさっき何かしたか? 俺に出来ることが何かあったか?

俺が協力して、何か意味があるか?

 

 

「コウキ君……」

 

「…………」

 

 

なのはの目が何故かウルウルしてきた。どゆこと?

……あ、もしかして怖いのか? 一人じゃ怖いからついてきてほしい、みたいな。

 

 

「……分かったよ。俺も手伝うから」

 

「ほ、ほんと!? やった!」

 

「俺の出来る範囲でな……、はあ」

 

 

なんだこのなのはの喜びようは。両手を上に挙げてバンザイのポーズ。そして満面の笑み。

すげえ可愛い……。

……ハッ!? じ、じゃなくって……。

 

 

「……すみません……」

 

「うわあ!?」

 

 

突然なのはに抱えられていたフェレットが声を上げた。

いきなりすぎたから変な声出しちゃったよ。というか起きたのかコイツ。

 

 

「あ、起こしちゃった? 怪我、痛くない?」

 

「あ、怪我はもう大丈夫です。もうほとんど治っているから……」

 

 

フェレットは身体を揺すり、身に着けていた包帯を解く。怪我らしきものは全く見当たらなかった。

まあ、俺はその怪我自体を見てないから何とも言えないけど。

 

 

「ほんとだ……。怪我のあとがほとんど消えてる……、すごい」

 

「助けてくれたおかげで、残った魔力を治療に使えましたから」

 

 

万能だな魔力ってのは。攻撃もできれば防御もでき、さらには治療まで……。

 

 

「……よく分からないけど、そうなんだ」

 

 

……なのはよ、よく分からないのに何故納得しているんだ……。絶対今の話流したよな。

 

 

「ねえ、自己紹介していい?」

 

「あ……、うん」

 

「えっへん!」

 

 

なんかさっきからなのはのテンション高くね? あの怪物を封印できたことがそんなに嬉しかったのか?

 

 

「私、高町なのは。小学校三年生。家族とか仲の良い友達は、私のことは『なのは』って呼ぶよ!」

 

 

なのはは俺の方向を見てニッコリと笑う。それにつられてか、フェレットも俺の方向を見ていた。

……ん、俺も自己紹介するってことかな。

 

 

「俺の名前は木山コウキ。同じく小学校三年生。なのはたちは俺のことは『コウキ』って呼ぶかな」

 

「えへへ~」

 

「……なんでなのはは嬉しそうなんだよ」

 

「だって、コウキ君とこんな時間に会うのって、よく考えたら初めてなの!」

 

 

……まあ、確かにそうだけど、今の自己紹介とあんまり関係ないことだったし。

しかしほんとテンション高いなコイツ。

 

 

「……僕は『ユーノ・スクライア』。スクライアは部族名だから、ユーノが名前です」

 

「ユーノ君かあ……、可愛い名前だね!」

 

 

軽い自己紹介が終わったのもつかの間、ユーノが頭を下げた。

 

 

「すみません……、あなたたちを巻き込んでしまって……」

 

「あ…………」

 

 

……あれだけ助けを求めておきながら今さら過ぎるわ。もう『協力する』しか選択肢ありませんが何か?

 

 

「多分、私たちは大丈夫! それより、ここじゃ落ち着かないだろうから、とりあえず私の家に行きましょ! 話はそれから。ね?」

 

「……はい」

 

「コウキ君も来るよね?」

 

「……え?」

 

 

ちょっと何言ってるんでしょうねこの子は……。ダメに決まってるでしょう。

大体、今何時だと思ってるんだ。

 

 

「……いや、俺は遠慮しとくわ。明日また話を聞かせてくれ」

 

「えー……、ぶー」

 

「いや『ぶー』って……」

 

 

口を尖らせるなのは。いちいち可愛いな、もう……。

……っと、いやいや。そうじゃないだろ俺!

 

 

 

 

俺はなのはを自宅前まで見送り、そこから一人で俺の家に引き返した。

あのフェレットにはなのはから話すらしい。フェレットはなのはの家で面倒を見るようだ。

後ろからなのはの兄の声が聞こえてきた。そりゃそうだ、今の時間は午後10時を少し過ぎた頃。こんな時間にもなれば誰だって心配するだろう。

……俺? 俺はいいんだよ。一人暮らしだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はよーございまーっす」

 

「授業、始まってますよ。早く席に着きなさい」

 

「はーい」

 

 

翌日。

俺はいつも通り、やや学校を遅刻する。すずかがこちらに向かって手を振っていたので、俺も手を軽く振り返して自分の席に着いた。

隣には目が逆三角形になっているアリサがこちらを睨んでいましたとさ。おおこわいこわい。

そして最後になのはの方を見る。

 

 

「………………」

 

「……ん?」

 

 

何故かなのはは上の空で、俺に気づいていなかった。どうしたんだアイツ?

 

 

 

 

 

 

授業も終わり、今は休み時間。

一つの机に俺、なのは、すずか、アリサが集まっていた。

 

 

「っと、そうだ、なのは」

 

「え……? 何?」

 

「ユーノ、あれからどうなった?」

 

「に、にゃはは……。えっと、お父さんとお母さんにすごく可愛がられてたよ……」

 

 

確か、すずかとアリサもあのフェレットの事は知ってたはず。さっきユーノがどうとかアリサが話してたから、なのはが適当に言ったんだろうな。

ならば、この話題も全く問題ないよな。それどころか今のこの四人の中ではホットな話題だろ!

 

 

「……ちょっと待ちなさいよ。なんでアンタがユーノの事知ってるのよ」

 

「え? だって、昨日なのはと一緒になのは家にユーノを連れて帰った…か……ら……」

 

「……なんですって?」

 

 

……オヤオヤ? 予想とは逆の意味で食いついてきてません? コレ。

というかアリサさん、怒ってません? どうしてでしょうか……? は、ははは……。

すずかは笑顔だけど、なんていうか、いつもと雰囲気が違うよね? もしかしてアレって俺のこと睨んでいらっしゃる……?

 

 

「……なのは、昨日ユーノを拾ったのは何時だったかしら……?」

 

「えっ!? え、えっと、夜の九時くらい……」

 

「へえ……。そんな時間で二人っきりで……」

 

「…………コウキ君?」

 

「な、何でしょうすずかさん?」

 

「……昨日みたいに『おしおき』だね」

 

「ちょ、おま」

 

 

なんで二人は怒ってるんだ!? 訳がわからん! あれか? こいつら、なのはの保護者的な立ち位置なのか?

……なんかちょっと違う気がするが、それしか考えられん。

まあ理由は置いといて、昨日の『おしおき』って、昨日の昼休みにアリサが一方的に俺を蹴り続けたアレのことだよね……?

あれってもうただのイジメだよね、うん。俺の人権無視ですもん。人と思われてないですもん。

 

 

「さあコウキ、屋上へ行きましょ」

 

「ち、ちょっと待て! もう次の授業が始まるから!!」

 

「大丈夫。始まるまでには終わらせるし、コウキは保健室に行ってるって伝えておくから」

 

「俺が戦闘不能になってますけど!? 俺の命が大丈夫じゃないですけど!?」

 

「行くわよ」

 

「アリサちゃん、私も手伝うよ……」

 

「なんかデジャブだ……」

 

「コ、コウキ君!?」

 

 

俺はアリサに制服の襟を掴まれて、屋上まで引きずられた。

そこからは、あまり覚えていない。

ふと目が覚めると、俺は保健室のベッドに横になっていたとさ。

 




gdgdすぎワロタwww

どうも、冬の目です。
次回は2個目のジュエルシードを封印するところまで行けたらいいなあ……
主人公も話が進むごとに戦闘で空気にならないようにする……予定ですw

では、また次回!
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