~side コウキ~
「リリカル・マジカル! ジュエルシード、シリアル『20』、封印!!」
(Sealing.)
どうも、木山コウキです。
なのはが魔法使いになってからしばらく経ちました。俺は相変わらず空気です。
あ、でも空気だった俺も、『念話』ってのが使えるようになりました。声に出さなくても会話ができるっていうアレです、ハイ。やったね俺ッ!! 出来る事が増えたよ!!
……ん? なんか目の周りだけ雨降ってない?
まあ、俺が居なくてもなのはが一人で簡単に解決しちゃうからなあ……。俺も手伝えることがあればいいんだけど、残念ながら何もないわけで。
要するに順調ってことですわ。
ただ、一つ心配なことがあるとすれば……。
「なのは、おつかれさま!」
「おう、おつかれー」
「ありがとう……。コウキ君、ユーノ君……」
「……大丈夫か? なのは?」
「……え? うん、大丈夫だよ……」
なのはが最近、かなり疲れてきてることなんだよな。
魔法少女リリカルなのは ~凡人奮闘記~
第6話 「収集②」
翌日、今俺はなのはの家にお邪魔している。
……え? 何簡単に女の子の家に入ってるんだって? しょうがないじゃん。なのはの母さんである桃子さんが入れてくれたんだから。
まあ、ここに来る前に先になのはの家に電話してたからな。中に入る予定は無かったけど。
……しかし、何だったんだ? 桃子さん、俺が来るや否や、
「あらあらまあまあ!!」
とか言って、ニヤニヤしながら俺を家の中に拉致するんだもんな。なのはのやつ、家族になんか俺の話でもしてんのかな?
閑話休題。
今現在、俺たちが手に入れたジュエルシードは五つ。基準が無いから、早いのか遅いのか分からないんだけどな。
最初のジュエルシード以降、特に大きな被害は出ていない。一見、何も問題が無いように見えるが……。
如何せん、俺たちはなのはに頼りすぎている。特に俺なんて、正直何もしていない。見てるだけのことが多い。俺がもっと動ければ、なのはに楽をさせてやれるんだが。
要するに、一度なのはを休ませてやりたい訳だ。魔法ってのはかなり体力が要るのか、最近のなのはは明らかに疲れていた。アリサやすずかも心配してたし。
……まあ、そうなると一つ問題があるよな。
そう、俺がジュエルシードを封印しなきゃいけないってことだ。とは言っても、俺にレイジングハートは使えないし、封印はユーノに任せるとして、あの怪物共を俺が抑えられるのか?
「と言うわけで、今日はジュエルシード集めは休みだぞ、なのは」
「な、何が『と言うわけで』なの?」
「気にしなくていい」
「そ、そっか……」
俺のソロプレイは多分無理なので、ジュエルシード集め自体を休ませることにしました。まあ無難というか、最近根を詰めすぎてたしな。
とりあえず今言えることは、俺がかなり惨めだってことぐらいだ。HAHAッ!!
…………うん。……うん……。
「あ、あはは……。でも、コウキの言う通りだよなのは。もう五つも集めてもらったんだし、少しでも休まないともたないよ」
「そうだぞなのは。それに、今日はアリサとすずかと一緒にサッカーの試合を見に行くんだろ? 予定があるんだろ? そうなんだろ?」
「……うん。っていうか、コウキ君も呼ばれてたよね!? 何で他人事なの!?」
「え? 何の事です? 俺はそんな約束はした覚えはありませ「なのは! コウキ! 来たわよ!!」……」
「じゃあ、行こうか! コウキ君!」
そう、なのはの家に電話したのはコレの為だ。なのはの父さんである高町士郎さんが率いるサッカーチームの試合を見に行くことになってる。
……ぶっちゃけ、あんまり興味ないけど……。どっちかっていうと、『見る』より『する』ほうが好きだし。
「試合開始!!」
審判の声と共に開始され、選手達は各々の役割を果たそうと懸命に動いている。俺達四人は観客で、応援しているのはもちろん士郎さんが率いるチームだ。
場所は川の傍にあるサッカー場。要するに河川敷ってことだ。輝かしいくらいの晴天で、まさにスポーツ日和って感じだな。
「……コウキ君」
試合をボーっと眺めていた時、士郎さんが声を掛けてきた。ニコニコした顔で、その表情だけで好印象が持てる。きっと良い父親なんだろうな。
「あ、はい? 何です?」
「君、スポーツは得意なのかい?」
スポーツか……。そういえば昔、俺がまだ小一のときに父さんが野球を教えてくれたっけ。あの頃はまだ父さんも出張なんてほとんどしてなかったし、よく遊んだんだよな。父さん達が今みたいな状態になってからは野球もしなくなって、結局、チームとかには入らなかったけどな。
まあ、どっちかと言えば俺は運動は得意な方だ。上の下と言ったところか。
「まあ、勉学よりは……」
「そう。じゃあこのチームに入ってみないかい? 君ならすぐ活躍できるよ」
「え? え、えっと、あ、あはは……。遠慮しておきます……」
「そうか、残念」
……だってなあ、俺も一応ジュエルシードを集めてるし、こういうクラブチームに入ったりしたら、いざという時動けないかもしれないし。
「……と、ところでコウキ君」
「はい?」
今度はなんだか微妙な顔をした士郎さんが、若干声を震わせて話しかけてきた。
何だ? 急にさっきまでの穏やかな雰囲気が無くなったぞ?
「なのはとは、その、どういう関係なんだい?」
「…………はい?」
少し身構えていたら、士郎さんからよく分からない質問をされた。
……何だ? 何を聞いているんだ? ていうか士郎さん、すっげえこっち見てるんですけど!? 何!? 士郎さん怒ってんの!? 答え方ミスったらヤバイ事になるような気がするんですが!?
「……えっと、それは一体どういう意味で?」
「いや……。毎日、なのはが楽しそうに君のことを話してくれてね。やれ一緒に帰っただの、やれ助けてもらっただの、それはまあ嬉しそうで……。桃子も「これは確実ね!」なんて言っていてね……」
「?」
「ま、まさかとは思うけれど……」
な、なんか士郎さん、プルプル震えてない? なんかワナワナしてない!? な、何が始まるんです!?
「君、なのはと付き合「わーわーわー!! お、お父さん!?」な、なのは!?」
士郎さんが言葉を発した瞬間になのはが話に割って入ってきた。何だよいきなり! なのはのせいで何て言ってたか分からなかったじゃねえか!
なのははなのはで何故か顔が真っ赤だし、士郎さんは士郎さんで何故かなのはに責められてるし、どういう状況だよコレ。
「お父さん!! な、何言ってるの!? そ、それは言っちゃダメなの!!」
「な、なのは? どうしt「コ、コウキ君は黙っててなの!!」ハ、ハイ」
なのはのやつ、どうしたんだ? 士郎さんと話し始めちゃったぞ? 相変わらず士郎さんは引き腰だし、結局のところ、士郎さんは何が言いたかったんだ?
「なあ、アリサ、すずか、さっき士郎さんは何て言って……」
「「…………」」
「オ、オヤオヤ……?」
アリサとすずかの方を見ると、二人から何か黒いオーラのようなものが出ていました。はい。
って何故!? 何か怒らせるようなことしたっけ!?
しばらくして、二人の単色の目がこちらを向いた。
「「………………」」
「ヒッ……!?」
よし、良い殺気だ。
……じゃなくて!! こ、恐えええええええええ!! やべえ! 殺される!!
「ワーーーーッ!!」
「うわあ!? って、アレ?」
サッカーコートから歓声が上がる。士郎さんのチームのゴールキーパーがファインセーブをしたらしい。さっきまで黒いオーラを出していたアリサ達も「すごーい!」と試合に釘付けになっていた。なのはも士郎さんもいつの間にか試合を見てるし、どうやらこの件は流れたようだ。
あーよかったよかった。危うく命を刈り取られるとこだったぜ。何故かは分からんがな。
あのキーパーの活躍もあってか、結局士郎さんのチームが勝利した。士郎さんもテンションが上がったのか、そのまま選手達と食事に行くことになり、俺達四人もなのはのケーキ屋である「翠屋」に付いて行くことになった。
「…………」
試合から一息付き、アリサとすずかの注目はユーノに向けられた。
ユーノはやや苦笑している。そりゃそうだあよなあ、こんなに注目されたら、誰だって妙な気分にもなるわ。
「そういえばさあ」
ここで唐突にアリサが口を開く。
「この子、やっぱりフェレットとはちょっと違わない?」
「え!?」
「そうだよね~、獣医さんも違うって言ってたし」
「え、えっと、その……」
ユーノとなのはが露骨に慌てだす。おいおい、バレるバレる……。
(コウキ! 助けて!!)
(あん?)
突然ユーノからSOSが来た。魔法がバレたら、色々マズいのかな? マンガや小説ではよくある設定だけど、まあ確かに一般には知られてないし、やっぱり問題があるのかな。
……でも助けない。だって面白いんだもの!!
(そんな悠長な!!)
(……心読むなよユーノ)
(と、とにかく! 何とかしてよ!!)
黙ってれば別にバレないとは思うがなあ……。
……いや、まてよ……?
(よし、助けてやろう。)
(ほ、ホント!?)
(おうよ。ユーノ、俺が言った通りにしてくれよ?)
(え?)
「まあそんなことはどうでもいいじゃないか、アリサよ。そんなことよりこれを見てくれ」
アリサ達の『フェレットか否か』談義を強制終了させ、俺に注目させる。
「ユーノ、『お手』!!」
「!?」
「どうした? ユーノ?」
「…………」
渋々、俺の手にユーノが手を合わせる。
「「カワイイ!!」」
「キュッ!?」
「あ、あはは……」
案の定、アリサとすずかは食い付いてきた。なのはは苦笑いしているが。
二人でユーノの頭を思い思いに撫で始める。
(これは一体何!? コウキ! 遊んでるでしょ!?)
「さらにコイツは宙返りも出来るッ!!」
「「カワイイ!!」」
(聞けよ!!)
「さらにさらにッ!! コイツは寝てるとき、ヨダレがこぼれ落ちすぎていつもドロドロだ!!」
「「カワイイ!!」」
(いやそれはどうなの!? 全然可愛くないよね!? ていうか嘘言うな!!)
(如何にも俺は遊んでいる。 それに、これでいいんだよ)
そう、俺の作戦とは、アリスとすずかをユーノに萌えさせ、『もうフェレットとかフェレットじゃないとかどうでもいいよね?』状態にさせることだったのだ。
効果:さっきより面白い
(ほら、これでさっきまでの話はうやむやになっただろ?)
(そ、そうだけど……!! これは、ちょ、ちょっと、ち、ちが)
(魔法のことはもう大丈夫だし、しばらく撫でてもらえよ。なあ。ユーノ君?)
(コウキィィィィィィィ!!)
そこからしばらく、俺となのははユーノを生暖かく見学した。哀れユーノ。
(誰のせいだよ!!)
おお、こわいこわい。
相変わらずのgdgdクオリティ。
どうも、冬の目です。
今回、サブタイが「収集②」なのにジュエルシード収集してねえ……
本当はもっと進めるつもりだったんでw
まあいいやw
では、また次回!