面倒くさいので、取り敢えず寝る(完結)   作:とんこつラーメン

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今回は原作ヒロインズがどうなったかを簡単に説明する回になっています。

流石にグロくはありませんが、原作ヒロインのファンの方々にはショッキングかもしれません。

無理と思った方は遠慮なくブラウザバックを推奨します。








面倒くさいので、国内旅行する(因果応報編)

 駅前のカプセルホテルの一室。

 すっかり夜も深くなり、皆が寝静まった時間帯。

 私は横になりながら目の前にある壁を見つめながら、アルに教えて貰ったヒロイン達の末路を思い出していた。

 

 セシリア・オルコット。

 彼女の学園生活が順風満帆だったのは、学年別トーナメントまでだった。

 初登校の日に放った日本に対する暴言を初めとして、その後に行われた試合にてド素人の織斑一夏に追い詰められる始末。

 別に、それまでなら辛うじてなんとかなる。

 正式に謝罪をした後に、これからの学園生活にて研鑽をしていけばいいのだから。

 エージェントもそう思い、念の為に音声や映像などの証拠だけを取ってから見守ろうと思った…が、そんなエージェントの期待を彼女は真正面から見事に裏切った。

 全く謝罪をしなかったばかりか、あろうことか男の背中を追い駆けて碌に自己研鑽をしなくなった。

 他の女たちと男と練習する権利を争い、殆どと言っていい程に実力は向上していない。

 皆の前で教員に手も足も出ずに負けたのはいい。

 相手の実力は桁違いに高いのだから。

 セシリア・オルコットの運命が決したのは、ドイツから来た代表候補生に完膚なきまでに倒された時だ。

 しかも、専用機が大破するというおまけ付きで。

 流石にこれは看過も擁護も出来ない。

 エージェントはすぐに本国に連絡し、これまでのことを全て洗い浚い話して、トーナメント開催直前に彼女は強制的に帰国させられた。

 そして、帰国した彼女を待っていたのは査問委員会による聞き取りだった。

 彼女は必死に反論しようとするが、エージェントが記録した情報を突き付けられて論破される。

 絶対にしてはいけない事、その後に必ずするべき事を全て怠った彼女に下された決定は、代表候補生の称号と専用機の永久剥奪に加え、オルコット家の取り潰し、更には専用機の非常に莫大な修理代金も彼女個人に請求された。

 これは女王陛下によって言い渡された事らしく、普段は温厚な女王も彼女の余りにも好き勝手具合に堪忍袋の緒が切れたようだ。

 屋敷に勤めていたメイド達は政府が次の就職先を斡旋してくれたようだが、当主であるセシリア・オルコットはそうもいかず、家の財産を全て奪われ、私財も全て差し押さえられた。

 それも当然の事で、今や彼女は世界でも有数の借金持ちになっているのだから。

 無論、日本に行くことは愚か、連絡も出来ない。

 それどころか、明日の生活すらままならない状況。

 その後の彼女がどうなったかは不明らしいが、恐らくはあの無駄に整った体を使って裏社会で金を稼いでいるんじゃないだろうか。

 初恋に盲目になりすぎて、好き勝手に生きた女の哀れな末路だ。

 勿論、IS学園は退学している。

 

 因みに、彼女の巻き添えを食らう形で本国に戻された生徒が一人いる。

 名前は『サラ・ウェルキン』

 セシリアと同じイギリスの代表候補生なのだが、専用機は所持していない。

 『お前が付いていながら、なんでこんな事になった』的な事を言われたのだが、彼女に関してはこれだけ。

 IS学園を強制退学させられ、イギリスに釘づけにされてはいるが、まだ候補生ではあるようで、寧ろ学園にいる時よりも頑張って、今度こそ専用機を手に入れる為に実力を磨いているのだとか。

 

 

 

 凰鈴音。

 ある意味ではセシリアと同じ立場かも知れない彼女は、意外とヒロイン達の中では一番マシな目に遭っていた。

 まず、セシリアと同様に中国に強制送還され、その直後に政府のお役人と中国にいる委員会の連中からぼろくそに言われた挙句、専用機と候補生の称号の剥奪。

 それと、国外追放ならぬ『国内束縛』が言い渡された。

 要は、未来永劫、死ぬまで中国から出るなよ…ということだ。

 愛しの彼がいる国に一生行けなくなったのは、専用機の剥奪などよりも遥かにキツい罰になっただろう。

 けど、彼女に関してはこれで終わりで、後は政府の監視付きの生活が待っている事を除けば破滅らしいことは何も無い。

 というのも、以前に彼女は政府の人間をISで脅して学園に行こうとした経緯があるのだが、それはあくまでも国内で起きた事であり、いかようにも隠蔽することが可能だった。

 他国に自分達の恥を晒す事を防げれば、後はどうでもよかったのだ。

 これから先、もう二度と彼女は織斑一夏には会えないだろう。

 彼の方から中国を訪れない限りは。

 

 

 

 ここからが酷い。

 シャルロット・デュノア。

 織斑一夏のデータを奪う為に男装をして侵入してきた彼女は、彼によって救われた…と勝手に思い込んでいた。トーナメントが終わるまでは。

 何者かがネット上に彼女の正体と目的を全て暴露した結果、すぐに学園中どころか、世界中に情報が拡散し、何か言い訳を言う暇も無く学園側によって拘束された。

 すぐにフランス政府の人間達がやって来て彼女を連行しようとするが、そこに無謀な正義感を発揮した織斑一夏が噛み付く。

 それが最悪の悪手だった。

 『スパイを助けようとするとは、お前もスパイの一味だったんだな』――と

 そう言われて彼は激昂するが、次の言葉にて強制的に黙らされた。

 『もしも、お前がこいつを庇うというのであれば、お前と一緒に織斑千冬も逮捕する』

 『なんでそうなる!!』と織斑一夏は抗議するが、大人の正論によって封殺された。

 彼にとって織斑千冬は担任であり、姉であり、たった一人の保護者でもある。

 織斑一夏がスパイの仲間であるのなら、当然のように姉である彼女にも容疑がかけられる…といえばアレだが、要は連帯責任だった。

 身内の姉か、守ると決めた赤の他人か。彼は運命の選択を迫られた。

 いつもなら『どっちも守る』と言いそうだが、そんな事をしても何の意味も無い。

 流石にそれぐらいは理解したのか、彼はずっと黙ったままだったらしい。

 その沈黙を見て、両国の人間は姉を選んだと判断し、シャルロットの必死の抵抗も虚しく、祖国へと強制的に連れ戻された。

 その際、シャルロットは織斑一夏のことを絶望に満ちた顔で見つめていたらしい。

 国に戻り、休む暇も無く裁判に掛けられたシャルロット。

 しかも、会社にいる筈の父と継母も一緒に。

 反論する暇も無く、有無を言わさずに裁判は進み、判決は親子揃っての『終身刑』。

 本来ならば未成年であるシャルロットを終身刑には出来ない筈だが、それを可能とする要因が裁判所には存在していた。

 実は、裁判官、証人、弁護人。他の人間達も全てがIS委員会と女性権利団体の人材で構成されており、結果は決まっていたのだ。

 つまり、これは裁判という名の事実上の茶番だった。

 自分達にとってもう不要、役に立たないと判断した両組織は、容赦なくデュノアの人間と会社を切り捨てたのだ。

 当然、デュノア社はあっという間に倒産し、その資材や人員は別の会社に吸収された。

 今頃は、暗い牢屋の中で一人、最初よりも遥かに大きな絶望に心を支配されている事だろう。

 自らの意志で歩くことを止めてしまった女には相応しい末路かしれない。

 

 

 

 最悪なのがラウラ・ボーデヴィッヒ。

 まず、前提として彼女のISは原作通りにトーナメント中にVTシステムが起動して暴走し、織斑一夏によって鎮圧される。

 問題はここからだった。

 あろうことか、ドイツ政府はVTシステムの全ての責任をラウラと、彼女の所属する部隊に全て被せたのだ。

 自分達は何も知らない。奴らが極秘裏に非合法の連中と接触していたのだ…と。

 ここまで聞けば完全な被害者で終わるが、彼女の場合はそれまでの生活態度が彼女の立場を加害者に変えた。

 他者を見下し、一般人にも容赦なく手を出す。

 他国の代表候補生に重傷を負わせ、専用機も大破させる。

 協調性なんて皆無、会話すら碌にしない。

 密かに送られていたエージェントによる証言と音声、映像証拠によって、ラウラは一瞬で軍人の恥晒し、ドイツの誇りを汚す者として罵倒され、適当な査問にて処分された。

 更に最悪だったのは、部隊長の責任は部下の責任でもあると言われ、部下達も同じように処分を受けた事。

 処分を言い渡された時、部下達は全員、ラウラの事を憎悪の籠った目で見ていたという。

 元々が人工的に生み出された存在という事もあり、彼女に対しては微塵も温情なんて無く、すぐに以前のような実験動物に逆戻りされて、今度こそ本当に非合法の研究施設に部下達と一緒に連行されていった。

 生きてはいるかもしれないが、人の姿を保っているかは怪しいだろう。

 

 

 

 そして、ヒロイン達の中で唯一、どこの国にも所属していない篠ノ之箒。

 実は彼女もまた学園から去っていた。

 これまでずっと学園内で行われてきた暴力行為に支離滅裂な暴言の数々。

 本来ならばすぐに休学処分などになる筈だが、『篠ノ之束の妹だから』という理由でそれらは全て無視、もしくは非常に軽い処分で済ませられていた。

 だがしかし、周りに劣等感を抱いてしまった彼女のある行動が、その安全神話を破壊する事になる。

 臨海学校の少し前、彼女は篠ノ之束に頼み込んで自分の専用機を作って欲しいと頼みこむ。

 原作では彼女は喜んで機体を渡していたが、この世界では違うようで、受話器越しに拒絶された挙句、それ以降は連絡も出来なくなってしまった。

 しかも、その光景を密かに学園側の人間に目撃されていたのだ。

 これにより『篠ノ之箒は篠ノ之束に見捨てられた』と判断したIS学園、委員会、権利団体の三者は、彼女に対して一切の容赦ない処分を言い渡すようになった。

 解り易く言えば、彼女は臨海学校が終わった直後に退学になった。

 流石の連中も、今までずっと問題行動しかしてこなかった生徒を理由も無く在籍させておくような真似はしたくなかったのだろう。

 意気消沈した状態で実家へと帰った彼女を待ち受けていたのは、学園からこれまでの所業を全て教えられていた父親だった。

 折角、教えた剣道を暴力に使った挙句、周囲にも迷惑を掛け捲った娘に怒り心頭し、箒は一切の反論を許されないままに勘当された。

 『今すぐ、この家から出て行け! もう二度と敷居を跨ぐ事は許さん!』とトドメを刺した上で。

 それからの彼女がどうなったかは不明だが、アルが言うにはどこぞの公園にあるホームレス達の溜り場にて、薄汚れた裸になった状態で、同じように薄汚れた男達の腰の上で踊っていた彼女の目撃情報があったとかなんとか。

 もしも、彼女が専用機なんて欲しがらなければ、少なくとも三年間は彼女の天下だったのに。

 やっぱり、ISなんて碌なもんじゃない。

 

 

 

 

 

・・・・・

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・・

 

 

 

 

 

(ねぇ…アル)

(どうしました? 軍曹殿。眠れないのですか?)

 

 私は、皆を起こさないようにアルとプライベート・チャンネルで話し出した。

 

(彼女達に少しでも同情の余地があったと思う?)

(厳しい事を言うようですが、微塵もありません。全てが身から出た錆ですから。寧ろ、今の情勢ではかなり軽い処分だとも思えます)

(かもね。下手すれば、数名は死刑を言い渡されても不思議じゃない)

(機械の私が言うのもアレですが、生きているだけ儲けものと思うべきでしょう。最も、彼女達の場合は死んだ方が救いになるかもしれませんが)

(なにそれ。アルも遂にどこぞの新興宗教にハマったの?)

(違います。ただ、苦しみが長く続くよりは、死によって解放された方がマシかもしれない。そう思っただけです)

(ふーん……)

 

 死が救い…ね。

 私には分からない感覚だな。

 

(そういえば、あのバカな生徒会長と、その妹はどうなってるの?)

(更識楯無と更識簪ですね。姉の方は、他の女たちと同様に織斑一夏の背中を追い駆けている毎日で、生徒会の仕事の殆どを放棄し、暗部としての仕事を利用して彼と物理的にくっつこうと企んでいるようです)

(なにそれ。職権乱用な上に変態かよ。普通に最悪じゃん)

(無論、それに何も感じない生徒達ではなく、徐々に不満が蓄積しているようです)

(当然だな)

 

 少しはマシかも…なんて淡い期待を抱いたけど、無駄だったな。

 

(ロシアのエージェントもそれをちゃんと目撃しているようで、いずれは彼女達と似たような事になるかと)

(…こっちもまた同情の余地は無いな)

 

 どいつもこいつも、本当に馬鹿ばっか。

 IS学園はマジで閉鎖した方が良いのでは?

 

(妹の方は、織斑一夏とは全く接触していないようです。ほぼ毎日に渡って整備室に通っているだけですね)

(姉よりも遥かにマシな妹…か)

 

 簪ちゃんよ。君は姉に対して劣等感を抱く必要なんて少しも無いよ。

 戦闘力以外は全部、君の方が勝っていると思うから。

 

(本当の馬鹿は、死んでも治らないのかもしれないね)

(かもしれません)

 

 …少し前までは、こんな世界なんて滅びて当然だって思ってたけど、ロランや乱ちゃん、ヴィシュヌと出会ってから、不思議と滅びてほしくないって思うようになってきた。

 どうにかして、滅びを回避できる手段はないのかな……。

 

(…明日も早いから、流石にもう寝るね。アラームは朝の7時頃でよろしく)

(了解しました。軍曹殿。良い夢を)

(うん。おやすみ…アル)

 

 瞼を瞑ってから眠る体勢に入る。

 さて…明日は何があるのかな?

 

 

 

 

  

 

 




第一期ヒロインズ、ことごとく破滅。

次回は加奈の最後のヒロインが登場します。

そして、遂に物語も何の起伏もないままに佳境に入る…?
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