面倒くさいので、取り敢えず寝る(完結) 作:とんこつラーメン
自分の意志とは全く関係無しにドライグの力を手に入れてしまい、さぁ大変。
果たして、原作キャラ達はどうなってしまうのか?
そして、今回の加奈はどう動いていくのか?
不本意ながらも、私がドライグの力を受け取ってしまって一晩が過ぎて、今は放課後になっている。
部屋に帰ってから色々と試してみた結果、今のドライグは私の想像力次第であらゆる姿に変幻自在の状態になっていることが分かった。
ネックレス以外にも様々な姿に変化出来たけど、今は取り敢えず私の耳にイヤリングのような形でくっついて貰っている。
これならば髪に隠れて見えにくいし、仮に誰かに見られても『お洒落なイヤリング』で誤魔化せる。
う~ん…我ながらナイスアイデア。
「んでもって、現在の私は駒王学園の近くにある喫茶店にいるわけで」
『一体誰に話しかけているんだ?』
「読者の皆様だよコノヤロー」
ちゃんと挨拶はしないとダメでしょうが。
これぐらいは常識なのだよ?
「しっかしさ、冗談抜きであの無能姫様の考えが理解出来ないわ。ドライグがいなくなった今、完全に『エロ』しか残ってない野郎をどうして眷属になんてしたのかしらね? 単なる道楽かしら?」
『かもしれん。悪魔なんぞ、往々にして人間の人生を破滅させて喜ぶような連中だからな』
「けどさ、それを言うなら天使も似たり寄ったりじゃない? 考え方や思想の違いがあるだけで、やってる事は殆ど一緒でしょ」
『宗教』っていう洗脳術で人々の人生を狂わせてるんだからさ。
勿論、私は基本的に宗教完全否定派の人間なのでよろしく。
「それに、天使も堕天使も悪魔も、元を辿って行けば聖書の神の創造物な訳でしょ? そんな簡単な事すら忘れて『三大勢力』なんて名乗ってるんだから、笑っちゃうよね」
『地方によっては、堕天使と悪魔は同一視されているからな。それを考えると、増々奴らが滑稽になってくる』
「それを言うなら、龍って存在も神と同一視されてるじゃん。大自然の化身にして全ての生物の頂点。本当なら畏怖と尊敬の念を込めるべきなのに、現実はコレだもんね~」
髪をかきあげてからイヤリング状態になっているドライグをちょんと突く。
『そんな事を言ってくれた赤龍帝は、お前ぐらいだよ……』
「ドライグって、思っている以上に不憫な人生…じゃなくて、龍生を送って来てるのね……」
これからは、もうちょっと気遣ってあげようかしらん?
仮にも『相棒』になったわけだし。
「ぶっちゃけ、其処ら辺の本屋に売ってるファンタジー小説に出てくるドラゴンの方が遥かに優遇されてるよね。世の中には『ドラゴン』って名のつく単語だって一杯あるのに。例えば『ドラゴンガンダム』とか」
『お前に少しだけ見せて貰ったが、あれは本当に良かった…! 覚醒して金色に光り輝き最終奥義を放つ所は、涙なしには見られんかった……』
「だべ? 伊達に主人公機よりも人気じゃないって事」
外伝作品すらも作られてるぐらいだしね。そりゃ凄いわ。
『その気になれば、お前も『真・流星胡蝶剣』が放てるかもしれんぞ?』
「いや…別に私は少林寺復興とか願ってないし」
少林寺拳法には少し興味あったけどね。
「そうだ。折角だし、少し学園に巣食う悪魔さん達の様子でも見てみますか」
『また唐突だな。だが、どうやって見るつもりだ?』
「この子を使います」
制服の胸元を少しだけ肌蹴させてからポンポンと叩くと、そこから線画のような感じの殆ど透明に近い非常に美しい蝶が出てきた。
「この子が、私の使い魔ちゃんだよ」
『し…死界の蝶…フェアリー…! 天地万物に死を告げるとされている呪われし蝶……そんなものを使い魔にしているとは、お前は一体……』
「どこにでもいる、普通の女子高生だよ。さぁ、行っておいで」
フェアリーの身体にちょこんと触ると、それだけで私の意図を理解してくれて、フェアリーはゆっくりと飛び上がってから窓をすり抜けて駒王学園へと向かって行った。
「さて、観察タイムと参りましょうか。因みに、私達がいるのは喫茶店の奥の方なので、オカルトっぽい話をしていても大丈夫なのです。ここのマスターも私の知り合いで、三大勢力云々の話は普通に大丈夫な人だからね」
『だから、お前は誰に話しかけてるんだ……』
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・・
・
お? もう到着したみたいだね。早速、見えてきたよ。
そうそう、私とドライグは現在、脳内にて同じ景色を見ております。
一応、お互いの意識は同調してる状態にあるからね。
で、ここは…アレか。旧校舎の中にあるって言う『オカルト研究会』の部室か。
まぁ…研究会なんて名ばかりの、実際には何もしてない部活なんだけどね。
部屋の中にいるのは…無能姫さんと、その友人のハーフで自称悲劇のヒロインのハーフな巫女さんか。
片親を失ってるのは確かに不幸かもだけど、それ以上に不幸な奴なんて世界中を探せば腐るほどいる。
その程度の不幸で自分を美化するんじゃねぇよ。
『ねぇ、リアス。どうしてあの子を眷属にしたの?』
『あの子って?』
『恍けないで頂戴。昨日、公園で死に掛けていた男の子よ。彼、神器も何も持っていない普通の一般人なんでしょう? しかも、学園では悪い噂ばかり聞いてるし……』
おぉ? 割と普通の意見も言えるんだな。ミジンコぐらいは見直したよ。
『仕方ないじゃない。あの状態で見殺しなんて出来ないし』
ご立派なお考えですこと。私は普通に見殺しにしたけどね。
助ける義理とか微塵もないし。
『それに、あの子からはほんの僅かではあるけれど『力』のようなものを感じたのよ』
『力?』
『そう…物凄く集中していないと分からないぐらいに微弱な力だけど』
……ちょい待ち。あのエロ野郎にはドライグ以外にも何か能力を持っていた?
え? マジで?
(もしや……?)
お? なんかドライグには心当たりがある感じですか?
(少しな。俺の予想が正しければ、それは奴の能力などではない筈だ)
マジですか。
(マジだ。一先ずは様子を見てみよう)
はーい。
『祐斗が彼を連れてくることになっているから、もう少し待ちましょう』
『仕方がないわね……』
成る程。そこら辺は原作準拠なのね。
にしても、木場祐斗…ね。『復讐』って言葉の意味も何も理解していない頭空っぽな馬鹿なイケメンか。
剣を振り回すしか能が無いってのは哀れだよね~。
なんて言っている間に、まずは一年の塔城小猫がやって来た。
あの子も見た目は可愛いんだけど、最終的にはバカになるからね~。
状況次第じゃ救いようがあるかもしれないけどさ。
ぶっちゃけ、関わり合いにはなりたくない。
(相棒。例の小僧が来たようだぞ)
みたいだね。さてはて、さっき無能姫さんが言ってた『微弱な力』ってのは何なのかしらん?
そこからは、原作通りの話をつらつらを語っていっていた。
別に詳しく描写する必要はないよね? マジでそのまんまだし。
見るだけ無駄でしょ? 私も話の間は普通にスマホを見てたし。お寿司。
ふとスマホから目を離して瞼を閉じると、部室内では変態大魔神の『微弱な力』とやらの正体が判明しようとしていた。
『目と閉じて、頭の中で自分が一番強いと思う何かを想像してみて。なんでもいいわ』
『強いと思う何か……』
あ…これってアレじゃん。
急いで口の中にあるアイスコーヒーを飲み込まないと、新たな黒歴史が誕生する事になる!
ついでに、目を開けて視界を外す!
(ブフォォッ!?)
ド…ドライグは見てしまったのね……ご愁傷様。
私はちゃんと見ないようにしていたから大丈夫でした。
『おぉぉぉぉぉぉっ!? なんじゃこりゃぁっ!?』
…おい。その台詞は割と洒落にならないぞ。昨日の君の状態から鑑みるに。
お前は今度から私服にジーパンを着ろ。これは命令だ。
というか、あれってどう見ても『赤龍帝の籠手』じゃね?
なんか妙に色褪せてるような気がするけど。
(矢張りか……)
何が『矢張り』なんだよ? お姉さんに詳しく説明しなさい。
(あれは恐らく、あの小僧の中に僅かに残っていたであろう俺の力の残滓だ)
残滓とな? それじゃあ、あれは謂わば劣化版『赤龍帝の籠手』ってこと?
(そうなるな。残滓と言っても、籠手の中にある本来の力の数万分の一ぐらいの力しか残ってないがな)
す…数万分の一……。
因みに、ちゃんと倍化とかは出来るの?
(能力の向上自体は出来る筈だ。流石に2倍ではないが)
んじゃ、どれぐらいの倍率なわけ?
(ここから感じる力だと…恐らくは1.2倍ぐらいだ)
……ほわい? わんもあぷりーず?
(1.2倍と言った。しかも、倍化は一度の神器発動ごとに一回しか出来ない)
なんじゃそりゃっ!? それってもう、完全な足枷になってるじゃん!
何の能力も持っていない方が寧ろ良かったよ!
それってもうあれだよね? 普通の『
完全に無駄無駄な能力じゃんよ!
(そうだな。だが、当の本人達ははしゃぎまくっているぞ)
ドライグの言う通り、発動させた当人も、それを促したお姫様も嬉しそうにしている。
嬉しそうってよりは安堵に近いかもしれないが。
自分の使った『悪魔の駒』が無駄にならずに済んだっていう感じで。
いや…本当はめっちゃ無駄遣いになってるんだけどね。
『兵士の駒一個での転生だったから本当に心配してたけど、どうやら杞憂だったみたいね』
ひょっとして、それはギャグで言ってるのか?
意識して言ってるのなら最低だけど、無意識ならもっと最低だ。
念の為に確認しておくけど、あれからドラゴンのオーラは……。
(出てるわけないだろ。あれの力の源になっているのは、俺の鱗の一欠片みたいなもんだ。ドラゴンのオーラどころか、ドラゴンの気配すら感じるかどうか微妙だ)
もうそれさ…完全なコスプレグッズじゃね?
頭が痛い中二病患者じゃね?
(そうなるな)
兵藤一誠は、エロエロ大魔神から中二病エロエロ大魔神に進化した!
(変なナレーションを掛けるな)
いや…進化ってよりは退化に近いかな?
実質的には何にも強くなってないんだし。
一応、悪魔になった事で身体能力とかは強化されてるんだろうけど……。
あんまし期待は出来ないもんね~。
(これからどうするつもりだ?)
別にどうもしないよ?
お近づきになろうだなんて微塵も思ってないし、アイツ等がこれからどんな目に遭おうともどうでもいい。興味も無い。同情する気も起きない。
(て…徹底してるな…)
それが私だからね。
これから慣れていって頂戴な。
そういえば、こいつ等って堕天使が街中に潜んでいた事を今になって知るんだよね?
ハッキリ言っていいですか? バカじゃね? つかバカじゃね?
多少なりとも実力がある奴なら、街中に入った瞬間に気が付くと思うけど?
だってあいつら、下級の堕天使だからか、気配なんて全く隠せてなかったし。
超が付くぐらいにバレバレだったし。
お前ら、ちゃんと潜伏する気あんのかって感じだし。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「お? フェアリーが戻ってきた」
ヒラヒラと飛んできたフェアリーは、そのまま私の胸の谷間の中へと消えていった。
……あいつ等ほどじゃないけど、谷間が出来るぐらいの大きさはあるんだよ。
『加奈…お前に一つ尋ねたい事がある』
「な~に?」
『お前は…戦う気はあるのか?』
「あるわけないじゃん。私が一番嫌いなのは騒動の類なんだよ。折角、今まで頑張って穏やかな生活を満喫してたのに……」
『そ…それに関しては素直に悪かったと思っている。だが、お前は……』
「分かってるよ。だからこそ、戦いとは縁のない人生を送りたいんじゃんか」
『…そうか。ならばもう、俺からは何も言うまい。お前の意思を尊重しよう』
「さんきゅ」
それじゃあ、帰りに商店街で夕飯の買い物をしてから帰りますか。
今日は…そうだな。私特製のハンバーグにしようかな。
私の場合は、ちゃんとソースも自作しますぜ?
無能力よりも質が悪い能力が付与された原作主人公。
何も知らないで立ち向かう事必須なので、無能力状態よりも更にハードになりました。
下手に能力があるせいで、行動自体は原作と大差なくなってしまう可能性大ですからね。