面倒くさいので、取り敢えず寝る(完結)   作:とんこつラーメン

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皆さんのご意見を見た結果、ISの時と同様に、基本的にアンチ対象になるのは原作主人公と周りにいるヒロインズにしようと思います。
一部の三大勢力とかも対象になるかもですが、それはその時に考えます。









面倒くさいので、授業をサボる

 皆が授業に勤しんでいる午前中の真っただ中。

 私は校舎の屋上にて、のんびりとスマホを弄りながらの日向ぼっこを楽しんでいた。

 

『相棒。こんな所にいてもいいのか? 今は授業中の筈だろう?』

「いいの、いいの。高校生活も三年目ともなれば、殆どやる事なんてないんだから。進路が既に決まっている連中は基本的に自由登校になってるしね。実際、私のクラスだって半分以上が登校して来てないし」

『ふむ…そういうものなのか…』

「そーゆーものなのよ」

 

 適当にSNSを見ながら日陰で呆けていると、いきなり屋上の扉が開いて誰かがやって来た。

 最初は小五月蠅い教師の誰かかと思ったが、実際にやって来たのはある意味で教師よりも五月蠅い人物だった。

 

「また、ここにいたのですね…相良さん」

「生徒会長……」

 

 この一言だけで説明は不要だと思う。

 そう、少し前に校門の前で制服チェックをしていた当て字偽名をしているソーナ・シトリーその人だ。

 無駄に眼鏡をキラーンと光らせてから、こっちを睨んできやがった。

 こんなんだから、あの時も近寄りたくなかったんだよ。

 

「自由登校になっている以上、絶対に授業に出ろ…とまでは言いませんが、もう少し有意義な時間の使い方は無かったのですか?」

「ありませーん」

 

 これといった趣味もしたい事も無い私に何をしろと?

 迷惑を掛けてないだけ褒めて欲しいぐらいなんですけど。

 

(相棒…この女は……)

(知ってるよ)

 

 ドライグも、見ただけですぐに彼女が悪魔である事を見抜いたようだ。

 けど、それだけで他には何も言わない所を見るに、彼もまた生徒会長に敵意が無い事が分かったようだ。

 まぁ…無いのは敵意だけで、他のは山ほどあるんですけどね。

 

「それよりも、こんな時間にこんな場所に何の御用ですか? 生徒会長殿。この時間帯は、いつも生徒会室で仕事をしながらも引き継ぎの準備をしている筈じゃなかったっけ?」

「…私だって万能じゃありません。小休止を兼ねつつ相良さんの様子を見に来たんです」

「さいですか」

 

 私なんかに構っている暇があるんなら、自称『親友』のアホアホ姫さんの事を見張ってた方が良いんじゃないの?

 少しでも目を離したら、マジで何をするか分らないよ?

 周りの連中だって全くブレーキとして機能してないんだし。

 

「結局…生徒会には入ってくれませんでしたね」

「特定の場所に縛られるのはまっぴら御免だからね」

 

 つーか、しれっと私の隣に座るんじゃないよ。

 しかも、かなり距離が近いし。

 

「今思えば、相良さんは三年間通じて部活にも入りませんでしたね。なんでなんですか?」

「興味がある部活が一つも無かったから」

 

 なんてのは単なる言い訳で、実際には部活に入る気なんて最初から微塵も無かったりする。

 前世でも今世でも、私は未来永劫の帰宅部のエースであり続けると心に誓っているのだ。

 

 というか、まさか私が何も知らないと思っているのかね。

 お前さんがずっと密かに私の事を自分の眷属にしたがっていた事を。

 だから、私は彼女に近づきたくなかった。

 総合的に見れば確かに、生徒会長は原作キャラ達の中でも物凄くマシな部類に入るだろう。

 けれど、それでも彼女は『悪魔』なのだ。この事実だけは絶対に覆らない。

 これから先、どんな事を起きたとしても、彼女と私の線が交わるような事だけは決して有り得ないと断言出来る。

 

「もう話は終わり?」

「え…っと……卒業後の進路はどうする気なんですか?」

「そんな事を知ってどうするのさ」

「いえ…単純に気になったというか……」

 

 …ヘッポコか。こいつは。

 仕事をしている時の『出来る女』感はどこに消えた?

 プライベートだと会話一つ真面に出来ないコミュ症かよ。

 無能姫とは別方面での典型的なエリート様だな。

 因みに、無能姫は権力とプライドばかりを振りかざして、最終的には無様に自滅をするタイプのエリートね。

 

「これといって特に考えては無いよ。行きたい大学があるわけでもなし、適当にバイトでもしながら、今まで通りに生きていくんじゃないの? 多分だけど」

 

 余談だけど、私には今まで過ごしてきた第二の人生の中で密かに貯金してきた金があるので少なくとも、あと数年は遊んで暮らせる。

 かといって全く金策をしていない訳じゃないけどね。

 高校卒業後にはマジでどこかでバイトでもしようかニャー。

 駒王学園って基本的にバイト禁止になってるしさ~。

 

「行きたい大学が無い……でしたら、是非とも私と同じ大学を受験して…!」

「却下。論外」

「あうぅ……」

 

 そんな顔をしても無駄。私は大学に行ってキャンパスライフなんてしません。

 私は基本的にリア充になる気はありません。

 

「あのさ…割とマジでそろそろ戻った方がよくない?」

「え?」

 

 全く気が付いていなかったようなので、仕方なくスマホを画面を見せてあげる事に。

 そこで初めて今の自分がどんな状況にあるのかを把握したようだ。

 

「11時…15分……」

「さっき生徒会長が屋上に来たのが11時ぐらい。あれからもう15分以上も経過してる」

「た…大変! 急いで生徒会室に戻らないと!」

 

 幾ら、単位を全部取って出席日数も完璧な状態の自由登校であったとしても、体に染み付いた癖というものは中々に抜けない。

 普段から必要以上に生真面目な彼女にとって、全く問題が無いと頭では分かっていても、ちゃんと時間だけ守ってしまう難儀な性格をしている。

 

「そ…それでは失礼します! 相良さん、よかったら後でお昼ご飯でも一緒に……」

「だが断る。さっさと行きなよ」

「は…はい!」

 

 焦った様子で生徒会長は屋上から出て行った。

 それでも絶対に廊下だけは走らないのは感心するよ。

 

『昼飯ぐらい、一緒に食べてやっても良かったんじゃないのか?』

「彼女が誰とも接点が無かったのなら、私だってそれぐらいはしてやってもいいとは思うよ」

『ん? それはどういう意味だ?』

「生徒会長って、私が前に話した『無能姫』と親友なんだってさ。完全に真逆の性格をしてるくせにさ」

『あぁ……相棒が何を言いたいのかが分かったぞ』

 

 ドライグが私の言いたい事を先に理解してくれてなにより。

 別に会長自体は何も悪くは無い。ただ、そんな彼女に釣られるようにして無能姫がやって来る可能性が非常に高いのだ。

 それだけはどうしても避けたい。出来れば、半径1000メートル範囲内では生命活動をしないでほしい。

 

「ドラゴンのオーラだけが、厄介ごとを引き寄せるとは限らないって事だよ」

『宿縁というのも、中々に厄介なものだな……』

 

 ゆっくりと流れていく青空を眺めつつ、私はポケットから棒付きキャンディを取り出してから口に入れた。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 完全に暇潰しにしかなっていない学校が終わり、私は街のゲーセンに遊びに来ていた。

 駒王学園は帰りにあそこに寄ってはいけません的な校則がないので、割と多くの生徒達が学校帰りに遊びに来ていたりする。

 私もその中の一人と言うだけの話だ。

 因みに、私が今遊んでいるのはダンスでダンスなレボリューション的なゲームの続編的なゲームだ。

 

「はなくそワッショイ♪ はなくそワッショイ♪ ショイ♪ ショイ♪ よっし! ハイスコア出せた!!」

『ちょっと待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!』

 

 いきなり何よ~?

 折角、私が念願の『はなくそ音頭』のベリーハードモードをクリア出来たってのに。

 

『別にお前がダンスゲームで遊ぶのは良い…だが! その変な歌は一体何なのだっ!?』

「変とは失礼だな~。この『はなくそ音頭』は、駒王町の夏祭りとかでも普通に流れている伝統的な音頭なんだよ?」

『んなアホな……』

 

 遂にドライグが関西弁になってしもうた。

 そんなにショッキングな出来事だったかな?

 

「ちょっち休憩しよ~っと。喉も乾いたしね」

『好きにしろ……』

 

 このゲーセンは店内にジュースの自販機があるから助かってる。

 お蔭で、私みたいな連中も思い切りダンスが出来るってもんだ。

 

「喉が渇いた時は炭酸だよね」

 

 んなわけで、コーラ一択です。

 この魅力に抗える人間がいたら教えて欲しいぐらいだ。

 

「近くにあるベンチにどっこいしょ…っと」

『お前は残業帰りのサラリーマンか』

「ただの女子高生だよ」

 

 女子高生だって時にはどっこいしょって言いたくなる時があるんだよ。

 っていうか、誰にも聞かれないようにしてるだけで、世の女子高生たちは絶対に必ず一日に一回は『どっこいしょ』って言ってるよ。多分。

 

(…そういや、そろそろ『あの子』が駒王町に来るころじゃなかったっけ? 確か、なんとかっていう堕天使達に呼ばれる形で)

 

 堕天使達の名前はマジで忘れた。レイ……なんだったっけ?

 取り巻きの連中の名前はもっと忘れた。いや、本当に取り巻きなんていたかな?

 

「…ドライグさんや。今から、ちょっとした例え話をしてもいいかしらん?」

『例え話だと?』

「うん。昔々、ある所に怪我や病などを癒す力を持つ不思議な女の子がいました」

 

 勿論、この例え話の『女の子』とはアーシア・アルジェントの事だ。

 皆には言わなくても分かると思うけど。

 

「孤児だった女の子は、その特殊な能力故に数多くの人々から感謝され、やがてその噂を聞きつけた教会の人間達によって『聖女』として崇め奉られました」

『…よくある話だな』

「そんなある日、女の子がいる教会の前に一人の悪魔が怪我をした状態で倒れていました。誰にも分け隔てなく優しい女の子は、その悪魔にも手を差し伸べて傷を癒してしまいました。けど、これが拙かったのです」

 

 コーラを飲んで、一息いれてから続きを話す。

 

「女の子の持つ『癒しの力』は悪魔にも作用することが判明し、彼女は聖女から一転して『魔女』と呼ばれるようになり、教会から追放処分を受けてしまいましたとさ」

『ふん…自業自得だな。それ以前に、それは明らかな罠だろうに』

「御名答。実は、その悪魔ってのは最初から女の子を手籠めにして自分だけの肉便器にする為に、彼女の優しさに付け込む形で自分が侵入できない教会の外に追い出す目的でワザと怪我をした振りをしたんだよ」

『そんな事だろうと思った。だが、この場合は悪魔の方を一方的に悪くは言えまい。その悪魔は自分の欲望を満たす為に画策をしたに過ぎん。寧ろ、そんな見え見えの罠に引っかかる方が悪いのだ』

「本人が超お人好しで世間知らずってのも拍車を掛けてるんだけどね~」

『相棒よ。それは違うぞ』

「どゆこと?」

『本当のお人好しなら、目の前に怪我人がいたとして、まずは誰か他の奴を真っ先に呼びに行く筈だ。どれだけ特殊な能力を持っていても、人一人で出来る事なんてたかが知れている。まずは医術の知識に詳しい奴を呼び、怪我人をちゃんと診て貰ってから治癒能力を使えば一番効率が良いだろう。怪我を治した後に詳しく話を聞いて事情を把握する為にもな。なのに、その女は誰も呼ばずに怪我だけを治してから悪魔には何も聞かなかったのだろう?』

「みたいね」

『そいつは、自分一人でどうにかできる自信があったという事だ。怪我さえ治せれば万事解決すると信じ込んでいたわけだ。これを何というか知っているか?』

「さぁ?」

『傲慢というのだ。恐らく、心のどこかで『これさえあれば大丈夫』という無自覚な慢心があったに違いない。だからこそ悪魔に付け込まれてしまい、その挙句に追放される事となった。同情の余地すらないな』

「わぁ~お。辛辣ぅ~」

 

 なんて言ってるけど、実際には私も全くの同意見。

 他者に優しいのは大いに結構だけど、それが常に正しいとは限らない。

 時には、その優しさが仇となる時だってある。

 彼女の場合が、その最たる例だね。

 この世界は、そんなにも単純に出来ていない。

 

『しかし、どうしていきなりそんな話をする?』

「別に。なんとなくだよ。さぁ~ってと、休憩終わり。またハイスコア狙って踊りますかね」

『念の為に聞いておくが、次は何の曲にするつもりだ?』

「ドーバー海峡冬景色」

『そ…それは演歌なのか? それとも洋楽なのか?』

「知らない。けど、実際に収録されてるんだから仕方ないじゃない」

『このゲームの開発者の顔を見てみたい……』

「それには激しく同感」

 

 残ったコーラを一気に飲みしてから、私は再び財布片手にゲーム台へと向かっていくのでした。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 ゲーセンからの帰り道。

 外は暗くなりかけていて、夕闇が見え隠れし始めている。

 

「いや~…踊った踊った。まさか、あれから更に『マジンガーZ』と『おれはグレートマジンガー』と『宇宙の王者グレンダイザー』でもハイスコアを叩き出せるとは思わなかった。今度は『ゲッターロボ!』でもチャレンジしてみるか…?」

『どうしてマジンガー三部作のOP全部が収録されてたんだ……』

「今でも非常に根強い人気があるからじゃない? 私も割と好きだよ?」

 

 昔のアニメには、昔にしかない魅力ってのがあるよね~。

 だからつい、今でもレンタルショップでも時折、借りてしまう事がある。

 

「はぁ…この廃工場。どうして早く取り壊さないのかなぁ~…」

『単純に金が無いんだろ?』

「世知辛いね~」

 

 私の住んでるアパートに帰るには、どうしてもこの廃工場跡の前を通る必要がある。

 ここって確か、隣町から彷徨ってきた浮浪者がやって来たり、是非とも世界の為に爆発して欲しいカップルなんかが肝試しに来たりしてるんだよな。

 普通に危ないから、なんとかして欲しいってのが一人の町民としての切なる願いなんですけど。

 

「あ~…ドライグ?」

『皆まで言うな。分かっている』

「ん…ありがとね」

 

 完全に闇と化している廃工場の中から、鋭い爪を持つ細く巨大な腕がゆっくりと私の方へと近づいていく。

 けど、私は気にせずに前を向いたまま神器を発動。

 両手に真っ赤な手甲が装着され、右手の甲には特徴的な緑色の宝玉が。

 一見すると単なる防具のようにも見えるが、実際には全く違う。

 

「私さ~…前々から一度でいいから言ってみたい台詞があったんだよね~」

『ほぅ…それはなんだ?』

「それはね~…」

 

 両手を振り上げてからクイクイっと動かす。

 すると、私に近づいてきていた怪しい腕に無数の赤い線が入り、そこから音も無く血飛沫を上げて地に伏した。

 勿論、廃工場には傷一つとしてついてはいない。

 

「『お前はもう死んでいる』」

 

 私に手を伸ばしてきた『何か』には一切目もくれずに、そのまま真っ直ぐに歩き続ける。

 同時に、神器も解除してから生身の手に戻す。

 

『相棒ならば、北斗神拳を習得できそうな気がするな』

「流石に無理でしょ~。まだ死兆星は見たくないよー」

 

 この後、この廃工場にグレモリー一味がやって来たかは不明。

 正直言ってどうでもいい事だけどさ。

 今日の晩御飯は何にしますかね~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最初よりも大幅に変更して、アーシアとの出会いを無くしました。

そして、次回から本気で頑張っていきます。

もう二度と、あんなことにはならないように頑張ります。
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