面倒くさいので、取り敢えず寝る(完結)   作:とんこつラーメン

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全力改変その2。

勿論、前とは全てに渡って違います。

それと、正確には前の話の後半部分から大幅修正をしているので、こっちを読む前に出来ればそちらを呼んでくださった方がいいかもしれません。







面倒くさいので、相談に乗る

 今日も今日とて、のんべんだらりと屋上にて日向ぼっこ~っと。

 天気が良くて本当に良かったよ。

 といっても、いつもいつもこうして屋上で寛げるって訳じゃないんだけどね。

 雨の日や雪の日は当然だけど、夏の猛暑日とかも普通に不可能。

 熱射病になって病院送り待ったなしだからね。

 流石の私も、そこまでして屋上にいたいとは思わない。

 そんな時は大抵、もう一カ所の私の憩いの場である図書室にて静かに読書でもしているのですよ。

 駒王学園の図書室って何気にラノベとかも置いてるから、暇を潰すのにはもってこいなんだよね~。

 

「もうそろそろ、私が好きなラノベの新刊が発売する日だな…。ちゃんと忘れずに買いに行かないと」

『お前は、そんな所はしっかりしているな』

「そんなに褒めないでよ。照れるじゃない」

『別に褒めたわけではないのだがな……』

 

 こうしてボーっとしている時間も大切だよねー。

 一人で物思いに耽るってマジで好き。

 けど、そんな私の憩いの時間を邪魔する人物が、今日もまたやって来るわけでして。

 

「相良さぁ~ん!!」

「来たか……」

 

 またもや登場の生徒会長殿。

 けど、今回はちょっと様子が変だ。

 いつもはキリッとしてて眼鏡キラーンなのに、今日はまるで近所の悪がきに泣かされた小学生女子みたいな顔になっている。

 

「一体どうしたのさ?」

「また例の三人組がやらかしたんですよ~! それで生徒会に沢山の抗議が殺到して……」

「あ~…彼らね」

 

 例の三人組ってのは言わなくても分かるとは思う。

 そう…いつもいつも覗きばっかりやっているにも拘らず、馬鹿みたいな言葉で場を濁した挙句に何故かいつも注意だけで終わっているアイツらのことだ。

 多分、学校のイメージを保つためにあのシスコンお兄様理事長が隠蔽しているんだろうな。

 

「私だって、どうにか出来ればとっくの昔にどうにかしてるわよ! けど、幾ら注意をしても全く聞く耳を持たないんだもの! も~!!」

 

 敬語が完全に消えて、素の口調で私に抱き着きながら本音をぶちまけている。

 いつもの彼女からは想像も出来ない事だ。

 

(気のせいか…前に見た時とは随分とキャラが変わっているような…)

(生徒会長なんて身も心も疲れるような役職にいるんだもの。ストレスが溜まって普段つけている仮面が外れることだってあるでしょ)

(難儀な奴だな……)

 

 言ってやりなさんな。彼女だって彼女なりに頑張ってるんだからさ。

 流石に、有無を言わさずに抱き着いてきたのは初めてだけど。

 

「なんつーかさ…今までの処分が中途半端だったんだよ。だから、あいつらも調子に乗るんじゃないかな?」

「確かにそうですが…では、どうしたら……」

「やっぱ……『文明の利器』を使うしかないんじゃない?」

「そう…なっちゃいますかね……」

 

 私が言った、この『文明の利器』とはズバリ『防犯カメラ』の事だ。

 生徒のプライベート云々とかいうお題目の上で、この学園には防犯カメラは疎か警備員すらもいない。

 だからこそ、彼らは好き放題に暴れているんだろう。自分達を制裁する存在がいないから。

 

「仕掛ける場所は、彼らがいつも覗いている女子更衣室の窓際だね。しかも、普通のやつじゃダメ。小さくて高性能な奴が最もベスト。よく高級ホテルとかにある系の代物ね」

「出費が嵩みますね……」

「そうかもしれない。けど、そんな事を言ってたら、いつまで経っても何も解決しないよ?」

「御尤もです……」

 

 …なんだかんだ言って、私も彼女の事は非常に高く評価してるしな。

 基本的に三大勢力は嫌いなのだが、例外というものは存在している。

 種族云々に関係なく、普段から一生懸命に頑張っている人は私も応援するようにしている。

 このシトリーさんも、その数少ない例外の一人だ。

 彼女だけは、他の悪魔たちとは違って理知的で話が分かる人物だから。

 いい機会だし、偶には協力してあげますか。

 

「けど、カメラだけじゃ決定打に欠けるかもしれないな……」

「と、言うと…?」

「やっぱし、やるなら徹底的にするべきでしょ」

 

 中途半端は許さない。それが加奈ちゃんクオリティ。

 これ、次の中間テストに出るよ。

 

「まずは、被害者である女子達の証言を集めるところから始めた方が良いと思う。世間ってのは往々にして被害者の味方をしてくれるから。学校内に味方を作るんじゃなくて、学校外に味方を作り出すべきだよ」

「覗きの実態を世間に公表する…ということですか?」

「そゆこと。もう今更、学校の評判とか言ってる場合じゃないでしょ。後は、女子達を中心に署名とかを集めた方が良いかもね。つっても、約数名は除いて…だけど」

「それは分かります」

 

 この『約数名』とは勿論、グレモリーの連中だ。

 アイツ等は絶対に兵藤一誠の味方をするに決まっている。

 だからこそ、奴らにだけは秘密にしないといけない。

 

「現行犯で捕まえる為に、警察の人にも来て貰った方が良いかも」

「警察まで動かすんですか?」

「当然。生半可な事じゃ、奴らの犯行は食い止められないよ」

「わ…分かりました」

 

 それでいい。私はただアドバイスをしているだけに過ぎない。

 実際にするかどうかは彼女に委ねている。

 

「彼らが覗きをする時間帯に来て貰って、目の前で捕まえて貰う。最もシンプルで確実な方法だ」

「ですね。問題は、どうやって頼むかですが……」

「ちゃんと事情を説明すれば、普通に来てくれそうだけど」

 

 この町の治安って表面上は平和そのものだから、警察は寧ろ暇してるでしょ。

 言えばきっと来てくれるに違いないよ。

 

「もひとつおまけに『とっておきのダメ押し』もやっておいた方が良いかも」

「ダメ押し…とは?」

「ネット上に顔と名前を晒した上で、奴らが仕出かしたことを全部暴露する」

「や…やりすぎでは?」

「確かに、普通ならばネット上に顔や名前を晒すのはタブーだけど、アイツ等だって人としてやってはいけない事を日常的にしまくっている。やられたって仕方がない事でしょ。だって、やってる事は完全に犯罪だよ? なぁなぁで済ませていい事じゃない」

 

 彼らの為にも、これはしなくてはいけない事だ。

 生半可なことじゃ、あの三人を真人間には戻せないだろう。

 

「前に、私も着替えを覗かれたことあったしね……」

「今……なんと言いました?」

 

 …ん? なんか急に会長の雰囲気が変わった?

 心なしか、彼女の身体からドス黒いオーラが出ているような……。

 

「相良さんも…覗かれてしまったんですか…?」

「う…うん。一回だけね」

 

 すぐに体を隠してから更衣室を出たから被害は最小限で済んだけど。

 

「私の大切な相良さんの着替えを覗くなどと……万死に値する…!」

「ひぃっ!?」

 

 こ…怖っ!? マジで怖っ!?

 これが会長の本性なのか…!?

 

「…覚悟完了しました。今までの鬱憤を晴らすのを含めて、やってやってやりまくります。万が一の時には家の力やお姉さまの力も遠慮なく借ります…!」

「そ…そっか…ガンバレ」

「はい!」

 

 会長のお姉さんって、あの痛い格好をしてる魔王さんだよね?

 見た目はアレでも、実力はちゃんと魔王だから凄いよな…。

 

「…ところでさ、いつまでこうして抱き着いてるの?」

「へ? 抱き着き……えぇっ!?」

 

 ここで驚くって事はまさか…いままで完全無自覚だったの?

 どんだけストレスが溜まってたんだよ……。

 

「はぁ……しゃーない。ほれ」

「ふわぁっ!?」

 

 さっきまでは彼女から一方的に抱き着かれている状態だったけど、今度は私から軽く抱きしめた。

 会長の顔を自分の胸に押し付けるようにして、その頭をそっと撫でる。

 

「人肌の温もりは癒し効果があるって聞いたことがあるし、会長だってたまにはこうして誰かにギュッってして貰ってもいいでしょ」

「相良さん……♡」

 

 ん~…自分でやっておいてあれだけど、激しく百合の気配がしますな。

 別にガールズラブ否定派じゃないから構いはしないんだけどさ。

 

「少しの間、こうしててもいいよ。どうせ暇してるしね」

「ありがとうございます……」

「どういたしまして」

 

 生徒会長ともなれば、色んな意味で皆から近寄りがたい存在として認識されるだろうから、嫌でもストレスは蓄積していくんだろうな。

 恐らく、生徒会のメンバーも彼女の事を気遣いたくても気遣えないってのが実状なんだろう。

 

「私の事を等身大で見てくれるのは相良さんだけです……」

「生徒会の皆や、自称友人の彼女とかは?」

「生徒会の子達は私に対して変な方向で気遣って遠慮してしまっていますし、リアスに至っては頭の中身がパッパラパーなので真面な会話にすらなりません」

「仮にも親友に凄い事を言うんだね…」

「事実ですから」

 

 リアス・グレモリーに関しては全力で同意するけどね。

 生徒会のメンバーは…確か、全員が会長の眷属でもあるんでしょ?

 それなのに壁があるのは問題なのでは?

 休日とかに皆で一緒に遊びに行くとかして、交流を図ればいいとは思うんだけど……。

 

「あの…不躾で申し訳ないのですが……」

「どったの?」

「…相良さんの事を『加奈さん』と呼んでもいいでしょうか…?」

「別にいいよ? それぐらいなら全然構わないよ」

「ほ…本当ですかッ!?」

「こんな事で嘘を言ってどーすんのさ…。その代り、私もそっちの事を『ソーナ』って呼んでもいい?」

「も…勿論です! どんどん呼んでください!」

「う…うん…」

 

 思った以上にグイグイと来るな…。

 けどまぁ……こんなのも悪くは無いか。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

「なんか本気で百合に目覚めそうになった一日だった……」

 

 帰り道。私は今日の出来事を思い出して頭を抱える。

 私自身、ソーナの事が嫌いじゃないどころか、一人の女性として好意的に見ているから質が悪い。

 

『気にするな。愛には様々な形があるものだ』

「まさか、ドライグの口から『愛』なんて単語が飛び出すとは思わなかった」

『何を言う。歴代の赤龍帝の中には、普通に結婚をして家庭を作った者達もいるんだぞ? そいつらの事を間近で見ていれば、こんな言葉も言うようになるもんだ』

「そーゆーもんなのかしら……」

 

 今までの人生の中で恋愛経験なんで一度も無いから、こんな時にどうすればいいのかなんて全く分らない。

 けど…ソーナに抱きしめられて、嫌な気分はしなかったんだよな……。

 

 悶々とした頭のまま、私は鍵を開けてから部屋へと入った。

 

「ただいま~…って、誰もいないんだけど」

「おかえり」

 

 ……は? 返事が返ってきた?

 この部屋には誰もいない筈なのに?

 慌てて部屋の中を見てみると、そこにはのんびりとお茶を飲みながら、まるで自分の部屋であるかのようにリラックスをしている黒髪ロンゲで全身真っ黒な服装の美男子がいた。

 

「久し振りだな、加奈」

「ア…ア…アブデルゥッ!?」

 

 私にとって数少ない異性の知り合いにして、自分勝手な理由で半ば強制的に私の守護天使になったロリコン変態熾天使が普通に居座っていた。

 

 

 

 

 

 

 




ソーナとなんだか百合百合な事になり始めました。

ついでに、新しいキャラも登場。

本当は最初から出す予定でしたが、話の流れで出すタイミングを失ってしまったので、再編集する際に登場させることにしました。
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