三度寝をかましたところで俺はアーサーに起こされた。
といっても暴力的なものではなく優しく、それも愛しい相手を気遣うように
「アレク、幸せそうに寝ている所申し訳ありませんが、もう昼です、一向に出てこない私達に困って今頃アグラヴェインが眉間に皺を作っているでしょう」
そう言って、裸のまま俺を起こす姿に、俺は妙に混乱した。
いや、まて、何があった。
実は俺が記憶を失っている間にアーサーを口説き落としていたのか? と混乱するも、アーサーは美しい湖の女神のような微笑みを携えるだけ。
とりあえず、俺は何を言えばいいのか分からず、ありきたりなことを話した。
「アーサー、冷えるぞ、はよう着替えよ、お主が風邪を引けば我は悲しむ」
「で、あれば、アレクが看病してくれますか? 私はそれだけで元気になりそうです。それにアーサーはいけません。二人の時はアルトリアと、私の本名です。そう呼んでください」
何があったのかさっぱりだが好感度が天元突破している。
悲しむと言えば妙に嬉しそうに笑い、身を寄せて腕に抱きつく。
その姿は妖精と言われても納得できるほどに愛らしい。
まあ実際の妖精はもっと質の悪いものではあるが、悪性を取り除けばこうなるのだろうと思わせる美しさだ。
俺は思わず抱き寄せると
「うむ、愛らしいのう。我がいる限りアルトリアは安泰だ。これからも我に任せておけ、お主が嫌がっても傍を離れるつもりはないゆえ覚悟をしておくのだな」
そう言って愛らしく髪を撫でれば、アルトリアはくすりと笑う。
「乱雑に撫でる貴方も悪くはありませんが、こうして優しく撫でられると胸が高鳴りますね」
「嬉しいことを言ってくれる、股ぐらがいきり立つのう」
「ふふ、それは今夜に、また」
「ふははは! こりゃやる気もでるってもんよのう!」
何がなんだか分からんが愛される分には別に構わん。
ギネヴィアの件ではあるは、あとでアルトリアにでも聞いておくか。
何せしっかり不倫だしな。
しかしこの場合公的には男同士だからカウントされないのか?
まあややこしくなる前に手をうっておくべきだな。
さて、
「では我は出よう、同じタイミングで出れば怪しまれかねん」
「そうですね、今はまだ、内密に」
アルトリアは小動物のように小さく頷く。
俺はその姿を見て、着替え終わると
「それでは行ってくる、今日は処理せねばならんものが山ほどあるからな」
そう言って、出ようとすると、アルトリアに袖を捕まれた。
何事かと振り向けば、こちらによってくる、さて、何があるのかと思うと、アルトリアは軽く頬に口付けをした。
驚いてそちらを見れば、顔を軽く朱に染めたアルトリアは微笑み。
「それでは、頑張ってください」
「う、うむ。勇気百倍だのう!」
なんというか、前世含めて初めて新婚の気分を味わった。
ブリュンスタッドとは好き勝手やってただけだし、ここまで初なのは初めてだ。
俺はどこか熱に浮かされながら部屋から出た。
さて、今宵の情事のために、国に尽そうか。
俺は足取り軽く歩き始めた。