転移者、ガラルの地にて   作:ジガルデ

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ふと思い立ったので描き始めました
よろしくお願いします


第1話

 

 

その男は目を覚ました。

初めは何かの見間違いかと思い、目を擦ったが広がる景色に変わりはなかった。

 

「何処だ?ここは…。」

 

昨日は確か、レジエレキの色違いを粘っていたはず。

試行回数が1500回程を超えたあたりから数えるのはやめた。

たしかに何度かは色違いは出たが、必ずスピードボールで捕まえると意気込んで始めた手前、妥協することは許されず、3個しかないスピードボールによるチャレンジは皆失敗に終わっていた。

だが、その努力が報われる事なく自分は謎の地に飛ばされていた。

 

ガチャ…

 

とりあえず起きあがろうと体を動かした時だった。

腰周りから金属だか何だかが擦れるような音が響いた。

その音の正体を確かめるべく、男は腰回りを確認した。

 

「これは…モンスターボール?」

 

そこにあったのは、いつもゲーム画面で見ていたボールの数々。

 

ゴージャスボール、プレミアボール、コンペボール、ウルトラボール、スピードボール、フレンドボール。

そのボールの羅列には当然覚えがあった。

これらのボールは自分の身内とダイマックスアドベンチャーをして遊んでいた時にどうせなら色粘りとオシャボを並行して、該当ポケモンたちを捕獲する時に使ったボールたちである。

まさか、とは思い、一番右手の触れやすいところにあるゴージャスボールに触れる。

すると、ボールの中の何かが嬉しそうに揺れたような感覚が手のひらで感じ取れた。

その感覚のまま男はボールからそのポケモンを解放する。

 

「やっぱり…お前か…」

 

出てきたのはアローラ地方の守り神の一体、名をカプ・テテフ。

その色は当然のように黒色だった。

 

そうなれば後のポケモンたちも何が控えているかなどわかったもので、それを確認すべく他のポケモンたちもボールから解放していく。

 

「カグヤに、ランド。レヒレにサンダー。そして…」

 

次々と姿を見せるポケモンたち、その全てが色違いと呼ばれる貴重な存在たち。

そんな中、最後のフレンドボールからそのポケモンを呼び起こす。

 

「あぁ、お前しか…いないよな。相棒。」

 

ルビー、サファイアの時、いろんなポケモンたちが居た中で一番好きだったポケモン。

剣盾が発売された時リストラされていて凄く悲しんだ思い出。

けれど、冠の雪原の解禁で内定されたうちの一体。

岩・鋼タイプにしてバンギラスの対のようなメガ進化を会得していた最高の相棒。

 

「ボスゴドラ…。」

 

捕獲されているボールからしてこいつは初めて捕まえた個体ではない。

いや、そもそもフレンドボールで捕まえた個体は乱数を使って掘った穴から捕獲した一体だ。

故にこの個体との思い出はほぼないと言っても過言ではない。

しかし、ボスゴドラというポケモンへの愛だけは変わらない。

その変わらない愛をこのボスゴドラにも注いできた。

バンギにしないの?と、何度も何度も言われた。

それでも男はボスゴドラの可能性を信じ、常に手持ちに加えてきたし、特別ランクマに潜るわけでもないし、好きなポケモンくらい好きにさせてくれ、と突っぱねてきた。

ワタルのカイリュー、ダイゴのメタグロス、シロナのガブリアス。

この男にとってのその枠がこのボスゴドラである。

 

「そっか。俺、ポケモンの世界に来ちまったのか。」

 

目に涙を浮かべながら男は呟く。

目の前にいるポケモンたちは何事かと焦りを見せる。

自身の親が突然涙を流し始めたのだからそうなるだろう。

 

「いや、嬉しいだけさ。データだけの存在だったお前たちに本当の意味で触れ合えるようになったんだからな。」

 

そう呟き、彼等彼女等を抱きしめる。

この時はまだ、男が持つポケモンたちの異常性をまだ理解していなかったのだから…。

 

 

 

 

 

 

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