転移者、ガラルの地にて   作:ジガルデ

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第2話

 

 

 

今一度、男は周りを見渡した。

ここがポケモンの世界なのだとしたらどこの地方なのか、そして時系列はどの時代に当たるのかを確かめるために。

 

しかし、広がるのはだだっ広い平原だけ。

だが、そんな平原の中でも、遠くの方には見覚えのある建物があった。

それは自然豊かな平原の中には不釣り合いな程科学を発展させた建物群。

 

「エンジン…シティ…。」

 

ガラル地方のジムチャレンジ開会式の場でもあるエンジンシティの煙突群である。

 

そこから逆算するに、今自分がいるのはおそらくワイルドエリアでこもれび林と呼ばれる区画。

そう思って目を凝らせば、たしかに向こうのほうには見張り塔の跡地がある。

もしかしなくても確定でガラル地方に居る。

 

「なるほど、だからこの手持ちか。」

 

冠の雪原が解禁されてから捕まえた色違いたち。

友達がランクマで使うために色違いを求め何度もダイマックスアドベンチャーを繰り返して居た。

男はただコレクションとして色違いを求めていたため利害が一致し、一緒に色違い厳選を繰り返した。

今いる手持ちはその中でも拘って厳選したポケモンたちだった。

特にコンペボールのランドロスなんてあらゆる苦行を乗り越えたその先にいるのだから…。

 

だが、男は知らない。

今はそのコンペボールが対象商品を買うだけで実質無料で貰えるようになっていることなんて…。

その事実を知った時、男は確実に発狂するだろう。

来る日もくる日もぼんぐりを集め、何度も何度もあのクソ鳥マシンに飲み込ませ、吐き出させてきたのだから。

 

「ガラル地方ならジムチャレンジに参加してみたいが…。いきなりこの世界に来て誰も知り合いがいない地。推薦状なんて貰えるはずもない。幸い金やアイテムは本ROMのが流用されてるみたいだから困らないが…。厳しそうだな。」

 

ダンデや、マグノリア博士、ローズ委員長と言った大御所やヤロー、ルリナ、カブなどのジムリーダーたちとも知り合いではない男が突然押しかけて推薦状をよこせと言っても無理だろう。

そもそも、もうジムチャレンジが始まっていたら意味もない。

それに今の自分なら確実にダンデを倒せるだろうが、そうしてしまったらこの世界の本来の正史であるユウリ、またはマサルが歩むはずの道を変えてしまう恐れもある。

となれば、今の時系列を早々に把握し、ユウリ、マサルの出場しないであろう年の推薦状を貰うべく、行動を開始するしかない。

そのためには自分の実力がどれほどのものなのかを見せつける必要がある。

ゲームのデータ通りなのであれば、男の手持ちは皆、すごい特訓をし、技構成、努力値配分もしっかりとしている。

ランクマッチに潜らないとはいえ、自分のお気に入りなのだから最強であってほしいと願うのは親なら当然だろう。

 

「なら、向かうはエンジンシティか。」

 

男は周りにいるポケモンたちをボールに戻し、歩み始める。

一歩、また一歩とその足はエンジンシティへと向かっていた。

 

 

頭の中にはそこにいるであろうカブに対して看板破りをする気しかなかった。

今いる時代が、剣盾の時代から3年前であると知らずに…。

 

 

 

 

 

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