ReⅢ闘神都市   作:eeeeeeeei

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本戦13日目

──────

 

【本戦13日目】

 

 ナクト・ラグナードvsナミール・ハムサンド

 

──

 

 昨日の試合結果は言うまでもなく、ぶるま教の信者である、ぶるま大使にレメディアは勝利していた。

 レメディアが待っている。それだけで俺のやる気は上がる。

 

「準備、できた?」

 

 すっかり出かける支度のできている羽純に答え、二人でコロシアムへと向かった。

 

 

────

 

 

「時間よりも早く到着。流石ナクトさんのペアは優秀ですねー」

 

 受付に来るとすぐにシュリさんに歓迎された。

 どうやら一日一試合となったから、もしも不戦勝などが起きると観客が暴徒化する可能性もあると心配だったそうでいつもよりも歓迎されたというわけだった。

 

 そんな会話を終えて、控え室で待機していると、

 

「ナミールさん、知り合いなんだよね?免除金は、あるのかな?」

 

 不意に羽純が聞いてきた。

 ナミールの話は以前からしていたので、桃花の事もあり少し心配そうな様子だった。

 

「あると思うよ。どこぞの貴族の婚約者だそうだからアイツも貴族っぽいし。まぁその婚約者からは逃げてたけど」

 

 田舎者と連呼していたおっさんを思い出して、キツイ臭いが鼻腔内にフラッシュバックしてしまった。

 

「……そっか。仲、いいの?」

 

 俺のしかめっ面を婚約者有りなナミールを思ってと受け取ったのか、落ち込んだような表情を浮かべていた。

 

「仲は、いいと思うよ。ただその婚約者ってのがさぁ────」

 

 俺の伯爵への愚痴が止まらなくなり、次第に羽純は笑顔になっていった。

 

「いやー流石に疲れましたよー。でも会場は温めておいたので、頑張ってきてくださいねっ!」

 

 盛り上げのために数曲ライブを披露したそうで、本当に多彩だな。

 

「ちょっと、見たかったかも」

「そうだな。まぁ、勝ってくるよ。羽純」

 

 いつも通り、気合を入れてもらった後にコロシアムの中へと向かった。

 

 

────

 

 

 うぉぉぉぉぉぉぉん!!!

 

 相変わらずの観客の割れんばかりの歓声にも、もはや慣れたものだ。

 反対側から対戦相手である女の子が姿を現すと、観客の熱気は更に高まった。

 

「……今日の私は、一味違いますよ」

 

 どうやら、マジックフォームの方のナミールのよう。

 悠然と佇むその姿に少し見惚れるも、そんな場合ではないな。

 

「味といっても、アソコのではなく──」

「わかってるっての」

 

 安定のナミール節に少し苦笑してしまう。

 別に、一度抱いたから俺の女という意識はない。が、このやりとりを心地よく感じていた。

 

「あなたの実力は如何程でしょうかね」

「ん?やさーしく、負かしてやれるくらいかな」

 

 臨戦態勢になったナミールに軽口で返しつつも俺も気持ちを戦闘モードへと切り替えた。

 

 そして、コロシアム内にアナウンスが響き渡る。

 

「これより大会13日目の試合を行います。

 龍のコーナーより登場は、若き剣士、ナクト・ラグナード!!

 そして、鬼のコーナーより登場は、美少女魔法剣士、ナミール・ハムサンド!!

 

 それでは、試合開始でーーす!!」

 

 

 俺は立ち合いの位置から動く事なく、まずは出方を見ていた。

 予想通り、魔力が高まっているよう。

 先手はくれてやる。

 

「えいっ。ファイヤーレーザー」

 

 さっと構えた杖から放たれる火炎の矢。

 それは名の如く線として迫り来る。

 そして、魔法であるが故に躱すことは不可能。

 

「──フッ!!」

 

 真正面に鞘ごと構えた剣は少しだけその刀身が見えている。一度鞘を柄に当て抜剣を加速。そのま鞘は下に、剣は上へと切り上げる事で火炎を両断。

 真横を通り抜ける火炎に焼かれぬよう、下へと下ろした鞘を逆手のまま左から右へと、水平に振薙ぎ払い安全な場を確保。

 

「ふむ……やりますね」

 

 またも杖に魔力が高まるのがわかる。

 であれば。と一直線にナミールへと駆ける。剣は鞘へと戻し、そのまま突きの構えを取りながら。

 

「それは、ちょっと届きませんでし───ッ!」

 

 突きが届かない事など理解している。

 間合いを伸ばすために、高速で突き出した腕を更に高速で引き、鞘を飛ばした。

 それはすんでのところで躱されたが、それで十分。

 駆けながらも大地へと剣を突き刺し、目一杯腕の力も合わせ、更に柄を踏み抜いて速度を増す。

 

「しまっ……」

 

 その剥き出しの、柔らかいお腹に、左手の指を立て、右の掌底を左手の甲へと撃ち込む。

 

「…か…はっ……」

 

 いつもの無表情が苦悶に歪んでいる。

 指を立てていた内臓へと浸透し、駆け回る衝撃はなかなかのものだろう。

 風魔法で距離を取るナミールを視界の隅に納めながらも鞘を拾い、剣の刺さっているところまで悠然と移動する。

 

「……子を産めなくして、私を一生性奴隷とするつもり……悪魔なの?」

「いや、せめて傷が残らないようにと思ったんだけど」

 

 とんでもないことを言うと思うと、杖を掲げて、再度言い放った。

 

「もう傷つきました。ちゃんともらってください。───ソードフォーム……です」

 

 言い逃げされた。

 そして、目の前にいるのは……

 

「じゃじゃ〜んっ!ようやく君と闘えるね。勝つのは僕だよ〜」

「おぉ。勝つのは俺だけどな」

 

 元気印の方、ソードフォームとの戦闘へと移行する。

 こちらは剣士との戦闘なのでやり慣れている。拾った鞘へと納刀し、腰へと付け直した。

 

「じゃあ行くよっ、え〜いっ!」

 

 二本の剣から繰り出される乱撃を適当に捌きつつも思うところがあった。

 

「やっぱ、別人か。その起点は、武器……?」

 

 俺の呟きを聞き取ったようで、少し慌てたような素振りを見せるが、安心させてやるか。

 

「安心しろ。運営には言わないよ」

「それはよかったぁ〜。じゃあ心置きなく、勝負の続きっ!」

 

 剣速が増すも、丁寧な太刀筋はこの上なく読みやすい。

 一方の剣を受け流し、もう一方を、回転させた剣で同じ方向に強く受け流す。

 

「うわっ!」

 

 たまらず背を晒したナミールの背中に掌打を撃ち込むと苦しそうに地面に膝をつき、肩で息をしていた。

 

「っ……やるじゃない。こうなったら……マジックフォーム」

「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん……かかってきやがれ……です」

 

 またもマジックフォームとなったので、納刀し様子を見る。

 

「蠢き、捕らえる…プリズンヴァイン」

 

 地面から突如として蔓草が出現し下半身を絡めとられる。

 まさか、こんな魔法もあるとは。

 迫る蔓草を幾度となく剣で薙ぎ払うも、数が多い。

 

「なかなか抵抗はしてますが、あなたは檻に囚われたも同然。──そのまま雲の上まで行って、自分をとって1UPでもしますか?」

 

 自分を取るってなんだと思いつつも、割とまずいな。

 絡み合う蔓草が体の自由を奪い、浮かし、みるみる上空へと昇っていく。

 

「なら、檻を壊す」

 

 目には目を。歯には歯を。魔法には、魔法を。

 

「凍れっ!!」

 

 己の周囲を全て凍らせ力で絡まった蔓草を力任せに破壊して脱出。

 そのまま氷の破片を踏み抜きながらも滑るようにナミールの背後に高速で移動し、首筋に手刀を放つ。

 

「……か、はっ」

 

 まさか、意識を失わないとは思わなかった。

 割と本気で、意識を刈り取るつもりで放ったのだが。

 肺に残る空気を吐き出しながらも風魔法で距離を取られる。

 

「……ふふ、ふ。死」

 

 物騒な事を言いつつも体にガタは来ているようで、見ていて……痛々しく、心にクルものがある。昨日愛し合った女の子を、負かそうとしてるんだよなぁ。

 

「同情ですか?そんなものは不要……魔法地獄を見せてやるです。地獄に行きやがれ」

 

 杖に集まる魔力が緑色の閃光となり輝き始めている。

 残る魔法の使用回数は一度きり。

 

「地獄行きは、勘弁だな」

 

 俺の心を読んでいるのやら。強い言葉で捲し立てるナミールに、優しすぎるぞと思いながらも、鞘を高速で投げつけた。

 読み通り、回避行動に移るナミールに先回りをし完璧に捉えた。

 魔法攻撃に回避という選択肢はない。ならば、撃たれる前に潰す。

 

 バランスを崩したナミールを撃ち倒すべく、剣の腹でその横腹を叩く寸前。

 

「受けるのは……無理。ソードフォーム」

 

 一瞬で姿が変わり、俺の剣はその赤い二刀に受け止められた。

 

「あっぶな〜いっ!!でも、僕も割と限界なんだけど……」

 

 そのまま剣を打ち込み態勢を崩す。

 銀と赤の刀身が幾度となくぶつかり合い火花を散らした。

 

「ここで決める」

「むっ!僕だって……」

 

 剣速を上げ、重く剣をぶつけ合う。

 体格差も、性別差もある。加えて向こうは二刀だがこちらは両手に握り込んだ一刀。力の差は歴然だった。

 一撃打ち返すごとにだんだんと振りも握りも甘くなったところで、強烈な一撃をナミールの持つ剣先にぶつける。

 

「わっ、わっ!」

 

 その勢いで赤い剣はナミールの手を離れ地面へと投げ出される。

 慌てるナミールの隙をつき、剣を振り抜くと、もう一刀も宙へと舞った。

 そうして振り抜いた剣を、武器を失ったナミールの首筋へ添える。

 

「続ける?」

 

 笑顔を浮かべ、冷や汗を垂らしたナミールは痺れているであろう両の腕をゆっくりと上げた。

 

「こ〜さん」

 

 これで、勝敗は決した。

 

 コロシアムにアナウンスが流れると、歓声がコロシアム全体を包み込んだ。

 

 

────

 

 

「ナクトさん。三回戦突破、おめでとうございます」

 

 まずは勝利を労ってくれるシュリさんにお礼を返しつつも、賞品を受け取った。

 

「ナクトさんも実力にそぐわぬ貫禄が出てきましたね。すっかり人気選手の一人になってますし」

 

 前回のトトカルチョでは幻一郎さんに15倍ものオッズを喰らったが、今はナミールと比べても倍率は大して変わらない程度になっている。

 その要員の一つが……

 

「ボルト様に目をかけられるのもわかる気がします。あーぁ。ナクトさんがあと5年早く生まれてきてくれてたらおねーさんも頑張ってみるんですけどねー」

 

 本来であれば嬉しいはずの後半よりも、前半が、呪いのように脳裏に木霊する。

 闘神、ボルト……

 

「どーしました?ナクトさん?」

 

 心配してくれるシュリさんへ適当に返しつつも勝利者控え室の前へとやってきた。

 

「じゃあ、今回はナミールさんがパートナーも兼ねておりますので、そのままご本人ともう一戦交えて来てくださいねー」

 

 いつものように、ぐいぐいと背中を押されて部屋へと入った。

 

 

────

 

 

「結局、キミに負けちゃったなぁ」

 

 ソードフォームのナミールが、そこにいた。

 苦笑いを浮かべながらも、そこには薄らとだが持ち前の明るさが見える。この子も、強い子だ。

 とはいえ、マジックフォームで待っていると思っていた俺は内心面食らったのだが、どうやらバレてはいないよう。

 

「あぁ。君にも事情はあるだろうけど、俺にもあるからさ」

 

 大会に出る以上、大小問わず、何かしらの事情はある。

 それはもちろん、俺にも。

 

「わかってる。それで……あのさ」

 

 急にもじもじとしだしたが、これは、まぁそうゆう事だろうな。

 

「大丈夫だって。今更二人の秘密は言わないよ。俺が勝ったんだしな」

「いや、それは嬉しいんだけど……そうじゃなくて……」

 

 違ったらしい。

 という事は……

 

「その、勝者なんだから──」

「そこは、私の出番ですね」

 

 ソードフォームのナミールの言葉を遮り、マジックフォームのナミールの声が聞こえる。

 ナミールが、二人。

 マジックフォームのナミールが音もなく、この部屋へと姿を現していた。

 

「お、お姉ちゃん、どうして!?」

「お姉ちゃんって事は、君が本当のナミール、かな?」

 

 ゆっくりと頷くと、二人はそっくりな顔を並べて交互に話す。

 

「そう。私がナミール」

「僕の本当の名前は、ルミーナだよ。本当、驚きもしないし気づいてたんだねぇ…」

 

 やはり、二人は双子だった。

 二人で一人のふりをして、大会に出場。入れ替わるのは二人の持つ武器、『移身の杖』と『移身の剣』の力。念じると、瞬時にお互いを入れ替えたり、側に現れる事のできる魔法の武器。

 そして、大会への出場理由はあの伯爵との婚約を破棄し、ナミールが家督を継ぐには闘神大会の優勝が親から出された条件だったらしい。

 それと、婚約者である伯爵ですらナミールが双子という事実を知らないのだとか。

 

「そうか……アレとの結婚は、まぁ、その……」

「大丈夫です。力技で、私がハムサンド家の当主になります」

 

 胸を張って言う無表情のナミールに思わず苦笑する。

 同情はいらないと、試合でも言われたな。

 

「ですので、あなたの相手は姉である私が」

「ダメだよ!お姉ちゃんはハムサンド家の長女なんだから、結婚前に純潔を失いなんてしたら……」

 

 姉妹の会話は理解できるが、その純潔は昨日俺が奪ってしまった。なんとなく言い出せないままにいると、姉のナミールは俺に目配せをする。

 黙ってろって、事かな。

 

「大丈夫。私……………処女じゃないし」

 

 タメにタメて言い放った言葉は無音の室内にゆっくりと木霊し、暫くの間、時が止まったように静寂が三人を支配した。

 

「えっ?  えええええーーーっ!!?」

 

 これがやりたかっただけではないかと思うほど、効果的かつ完璧な間で放たれた姉のセリフ。妹は完全に混乱し、絶叫した後も矢継ぎ早に姉を捲し立てている。

 

「いったい誰と!?どこで!?というかいつの間に!?」

 

 ほくほく顔で妹に肩を揺さぶられる姉には少しだけ優越感が見て取れる。

 

「……それは秘密。秘密の戦隊」

 

 ずるいずるいと姉に縋る妹の姿を見ながらも、昨日の出来事全てがこの時のためのように思えて、呆然としている俺を前に、なおも姉妹の会話は続く。

 

「だから、いいの。妹のあなたが私の代わりをする必要も、もうないから。

──ごめんね。今まで無理させて……」

「ううん……そんなことない」

 

 妹の髪を愛おしそうに撫でる。

 そうして、俺へと視線を向けた。

 

「……不束者ですが、末永く、よろしくお願いします」

 

 そう言ってお辞儀をするナミールは、ゆっくりと服を脱ごうとしているので、その腕を掴んで止めた。

 

「……自らひん剥きたいと?」

 

 ギョッとした目で俺を見ているルミーナが気になるが、もちろんそんなつもりではない。もしもルミーナがいなければ、そうだったかもしれないが。

 

「違うって。俺は勝者の権利は放棄するよ。こんな形で姉妹愛を見せられたら……なんか、な」

 

 二人の、姉妹の愛情を間近で見せられて、目頭に熱を感じていた。

 夢で見た、悪魔へと落ちてしまった名前も知らない元カラーの女性の、娘への愛。

 それは、最後まで何も、何一つとして報われなかった。

 いろんな感情と光景が脳内で次々と再生されていく。

 昨日のナミールも、俺を誘ったのは全てこの時の為。妹を守る為に行った事だと理解した。

 

「ナクト……」

「……私では、不服ですか?」

 

 嬉しそうなルミーナとは反対に、不機嫌そうなナミール。

 この双子は似てるような、似てないような。

 

「昨日の事も、思えばこのため…むっ……むむっ!」

 

 口を覆われ声を出せないし、何より鼻も塞いでいるので普通に苦しい。

 

「昨日?」

 

 小首を傾げるルミーナを横目に入れつつ、酸素を求めて鼻にかかる指を解くと、耳元で囁かれた。

 

「昨日の事は、妹には内緒……です。それと、私の言葉にも想いにも、偽りはないですよ?」

 

 小声で話すたびに吐息が耳にかかり、密着した身体からは体温と女性特有の柔らかいものを感じ、男の象徴が反応してしまう。

 

「ほら、やる気……ケダモノ」

「誰のせいだ。誰の」

 

 折角かっこよく去る気でいたのに。

 性を求め、体はどんどんと熱を帯びていくのがわかる。

 と思っていたら、何やら強い視線を感じた。

 

「わぁ……」

 

 俺の臨戦体制のブツを見ながら感嘆の声を漏らしているルミーナ。

 

「興味津々?もしかして、私が経験済みなのを知って焦ってる?」

 

 ギクッと音がしそうなほどに、肩と言わず、体全体を震わすルミーナは苦笑いを浮かべながらも姉の疑問に言葉を返す。

 さっきから俺はほぼ置物と化しており、今もなお姉妹の会話のみが続いていく。

 

「いやぁ、そのぉ…僕も初めては、好きなタイプの男の人がいいし…お姉ちゃんと一緒だったら怖く無いかなーなんて」 

「……そこまで似る必要は、なかったのだけど……」

 

 えへへと笑う妹を優しく抱きしめるナミールが何かを呟いた後、双子の姉妹は同時にそのそっくりな顔を俺へと向けた。

 

「と言うことで、姉妹丼?双子プレイ?ひとまず、魅惑の3P?」

「は、初めてだから、やさしくして、ね…?」

 

 ゴソゴソと服を脱ぎ出し、全裸となるナミールと、顔を赤くしたまま、姉の裸体を見つめているルミーナ。

 流れとはいえ、こんな役得があるとは。

 3Pは初めてだし、しかも双子。今までになく興奮し、下半身に血が集まるのを感じていた。

 

「──今日は脱衣サービス付き…です」

 

 くすりと微笑み、美しい裸体を隠しもせずにナミールが近づいてくると、俺の上着をゆっくりと剥がしていく。

 しなやかな指が、戦闘後の熱をもった体にひんやりとした感触を残し、心地よかった。

 

「ほら…手伝って」

「う、うん…えーーーいっ!!」

 

 スポーンと言うほどに勢いよくシャツを引っこ抜かれる。

 ムードもへったくれもない。

 ここはやっぱり、姉に一日之長があるよう。

 

「ルミーナ…腕、あげて」

 

 昨日の姉と同じく、優しくとのことなので優しく服を脱がしてあげるが、胸に手をやったところで、体が強張る。

 

「じ、自分で脱ぐからっ!」

 

 逃げるようにベッドへと移動し、もぞもぞとしていたのでナミールにそっと耳打ちをした。

 

「なぁ、気づかれてないと思ってるってことだよな?」

 

 初めて会った時から、胸に詰め物をしている事には気づいていた。

 不自然な膨らみは、今思えば姉との差を小さくするためのものだったのだろう。

 

「……かわいい妹でしょう?あ。私も、可愛がってくださいね?」

 

 そのままナミールとそっと口づけを交わしていると、

 

「んん……ナクト。僕は────」

 

 経験のないルミーナはどうしたらいいのかわからずモジモジとしているので、ナミールから離れ、その口を塞いだ。

 塞いだままに、口内に舌を割り込ませて、軽く嬲ってやる。

 姉と同じで感度が良いらしく、トロンとした顔はたまらなくエロい。

 調子に乗ってしばらく蹂躙していると、下半身に別の手がかかった。

 すぐに下着までも剥ぎ取られ、卑猥な音が耳に響く。

 

「れろっ……んんっ……はぁ……ちゅっ、ちゅぱ……っ」

 

 ナミールが、俺の股間に吸い付いている。

 昨日のお口の練習の成果が出ており、すぐにでも破裂してしまいそうな衝動が下半身を駆けて疼く。

 

「んっ……んんっ……ちゅっ、ちゅる、ちゅるるっ……」

 

 下からは姉の唇と舌が蠢く音が、上では妹の舌と唇が唾液と絡み合う音が心地よい。

 俺の異変に気づいたのか、ルミーナは俺の口撃から逃れようと首を回す。

 

「ちゅっ、んっ……はぁっ……お姉ちゃん…」

 

 姉が俺の先走りした液を舐めとり、溢れたよだれが口の端から落ちて顎を濡らしている姿を捉えているよう。

 そして、チラリと俺を見つめてくる姿の可愛さに、思わず再度唇を押し付けるも、

 

「ちゅ……ん、ナクト、僕も……」

「ここは、こうすると……ね?」

 

 姉に教わりながらも二人でその小さな舌を、熱を帯び脈打つカタイものに這わせている。

 二人に攻められ、俺は一度目の絶頂を終えると、最初は優しくルミーナを、その後は激しく二人ともと、何度も体を重ね合わせた。

 

 

────

 

 

「……ん」

 

 目を覚ますと、膣に違和感を感じる。

 そういえば、最後には中に出されたような、自ら跨がり強要したような……

 下腹部の乾いた精の感触は不快にも感じるが、それ以上に私の心を満たしていた。

 

 昨日といい、この二日間ですごい経験をしたものだ。

 純潔を失い、妹と同時に行為に到る。

 更に妹の純潔を奪ったのも、自身の想い人だというのに、それを嬉しく感じている自分がいた。

 

 ナクト・ラグナード。

 その戦闘力と強さは間違いなく本物。

 それは、初めて会った時から感じていたもの。

 

 昔から、のんびりしていると言われることは多かった。感情が読みづらいとも。

 ただ、それは当然の事。感情を揺さぶられることがなかったのだから。

 妹と違って、一喜一憂という言葉には縁がないと思っていたが、彼を見たときに、衝撃が走った。

 

 底の見えない暗闇の中を生きているようで、それを自覚していない。

 気丈に振る舞ってはいるが、すぐにでも壊れてしまいそうな彼に、どうしようもなく惹かれてしまった。

 その時、私は生まれて初めて男性を意識したのだ。

 

 抱かれた理由は『妹のため』。彼はそう受け取ったようだけど、私の言葉は本心だ。

 だから私は、これまで守ってきた純潔をあっさりと捧げたのだし、後悔などは微塵もない。

 

「あ……」

 

 力が弛み、せっかくの愛が溢れでてしまう気がした。

 昨日覚えたように、力を込めて、精の流出を防ぐ。

 もう少しこの感覚を味わっていたい。

 

 彼に想い人がいることはなんとなく感じている。

 でも、私は他人に執着をした事がない。だから、独占欲というものがない。

 何番でもいいと言うのは、心からの言葉だった。

 そんな彼が部屋を後にする前の、最後の会話を思い出す。

 ルミーナが限界を迎え、眠りについた後の、二人きりでの会話を。 

 ありえないバランスで成り立っている、不思議な人……

 だが、それを堪らなく魅力的だと感じる。

 

 そんなことを思いながら、私は隣で眠る妹の髪を優しく撫で、幸福感に包まれる中で再び眠りについた。

 




【試合結果】
◯ナクト・ラグナードvsナミール・ハムサンド×

現在のナクトステータス
Lv.43
活力:1612(1290+322)
攻撃:488(344+144)
防御:167(129+38)
 
・スキル
①身体操作術
②威圧
③逃走術
④剣術 Lv.4
⑤テクニシャン
 
・付与剣性能
活力+25%
攻撃+42%
防御+30%
命中+10%
回避+8%

重撃…全ての斬撃が重くなり、硬いメタルな敵にもダメージを与えられる。剣の重さは変わらない
耐呪抵抗+…呪い効果を持つ魔物の呪いを無効化でき、呪い攻撃に耐える率も上昇
氷マポ 残り1回
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