ReⅢ闘神都市   作:eeeeeeeei

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本戦15日目

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【本戦15日目】 ─休憩日─

 

──

 

 

 いつもどおり、羽純と朝の食事を済ませて工房へと送っている最中。

 

「あれ、なんだろー?」

 

 隣を歩く羽純が広場にできた人だかりを指差してそう言った。

 確かに、こんなに朝早くから人だかりができているなんて初めての事。

 その人だかりは、奇妙なことに声をあげるでもなく、全員がジッとしており、ただ一点を見つめている。

 その目は好奇と欲望に満ちているようにも見えた。

 

 何より不思議なことは、その人だかりは全員が、前屈みになっている、男性だった。

 

「なんだろう?ちょっと聞いてみようか?」

 

 異様とも言える集団に躊躇なく尋ねようとする羽純を止めたのは、俺ではなかった。

 

「──ここで、回れ右をお勧めします。良い光景は広がってませんから」

「え?」

 

 羽純の前に現れたのは、ナミールだった。

 人だかりの内側から出てきたナミールはそのまま羽純の正面に立ちその行手をさえぎる。

 

「ありがとな。──羽純、彼女がマジックフォームのナミールだよ」

 

 ナミールと出会うのは初めての羽純は律儀にペコリと頭を下げる。

 ソードフォームであるルミーナと、昨日出店で出会って話したのだと、嬉しそうに話していたのを思いだす。

 

「でも、良い光景ではないって言うのは……」

「言葉通りの意味……です。卑劣で、気味の悪い見世物」

 

 言葉にも雰囲気にも、怒りが漏れ出ているようだ。

 俺も気にはなるが、

 

「ナミール、羽純の工房見たくないか?」

 

 すぐに、俺の思っていることを察してくれる。

 流石は双子とはいえ長女であり、俺の理解者。

 

「……くつろいでいいですか?」

「え?それは、いいですけど……」

「じゃあ行く。話したいこともありますし……では、我々はここで」

 

 そう言って羽純の手を引き去っていく。

 羽純は「えっ?え?」と疑問の眼差しを俺に向けているが、そのままずるずると引かれていく姿を眺めた後、人だかりの奥へと割って入った。

 

 

 

「気持ち……気持ちいいです……」

 

 そこに居たのは青い髪と綺麗な胸を揺らし、少女がマダラガに跨がり悶えていた。

 マダラガは乱暴にその胸に爪が食い込むほどに乱暴に握り、少女の顔が快楽の中で苦悶に歪む。

 

「俺が昨日ぶっ殺してやったヤツとどっちが良いんだよ?…なぁ?」

「あっ!あっ!ウィングより……ウィングより気持ちいいっ!!」

 

 最悪だ。

 俺が負けたら、あそこにいるのは羽純になるってことか…?

 

 あの娘の姿が脳内で羽純に置き換わり、吐き気がする。

 広場の男たちに見せつけるように、わざとその結合部を大きく広げている。

 そこには愛液と血液が入り混じったピンク色の液体が滴っていた。

 

「あっ、うぁっ、ああぁぁぁっ!!!……はぁ…… 

 ──イッ!!?」

 

 絶頂を迎えたであろう女の子がうなだれた瞬間、マダラガの腕から触手が飛び出し、結合部とはまた違う、後ろの穴へとずぶりと沈む。

 

「イイイィィッ!!!あっぁぁぁあああ!!!」

 

 マダラガが二本目の職種をねじ込んだところで、少女は絶叫した。穴からは赤い液体が漏れ出ており、その瞳からは涙があふれている。

 

「なに…勝手にイッてんだよぉ!?」

「ごめんなさいごめんなさい!!あぁぁああ!!もう!!もう入れないでぇぇえええ!!」

 

 涙や涎、鼻水、愛液、あらゆる液を撒き散らし謝り続ける女の子を痛ぶるマダラガ。

 その光景を周りの男と同じく眺めていた俺は拳を握り締め、その場に背を向けた。

 

 

──

 

 広場の外れまで来たところで、不意に声をかけられる。

 

「ボウズ。よく我慢したな」

 

 その声の主は、昨年準優勝のボーダー・ガロア。

 レメディアの次の対戦相手であり、レイチェルさんのパートナー。

 

「気持ちはわかるけど、失格になっちゃうからね……ナクトくん、この間はありがとうね」

 

 レイチェルさんもすぐそばにおり、笑顔ではあるものの、その笑顔も曇っていた。

 

「いや、大丈夫ですよ。なんならやる気出ました」

 

 ボーダーのおっさんはニヤリと笑い、レイチェルさんは今度こそ、綺麗に微笑んでいる。

 そういえばと思い質問をしてみることにした。

 

「この街、俺より詳しいですよね?」

 

 不思議そうな顔を浮かべる二人だったが、聞きたかったことは聞けた。

 

 二人と別れ、午前中から街の数カ所に点在するという裏路地へと向かった。

 

 

────

 

 

「あぁーやべ。口に出しちまった」

「お前、ばれたら旦那に殺されちまうぞ。まぁ、一発くらいバレねぇか!!」

「あぁ、かまやしねぇよ。カラーとヤレるなんて、一生ないと思っていたが、ついてるよなぁ」

 

 ──ここは、どこ?

 

 私はなんでこんなところにいるんだろう?

 森の外が見たくて、少しだけ外に出てみて、今まで見たことのない、おとこの人に囲まれて。

 

 気付いたら、こうなっていた。

 

 でも、黒くて熱を持った堅い棒を、口にねじ込まれるのも、おしっこの出る穴に突き刺される事にも、なにも感じない。

 あの体に絵を描いてる男の人に、ナニカをプスリと刺されてから、なにかおかしい。

 わたしだけを置き去りにして、体は勝手に動いているような。

 交尾の事以外、何も考えられなくなる。

 

 打ちつけらるモノをより深く感じるために、私もおしりを打ちつける。

 吐き出される白い液が欲しくて、手と口を使ってその棒を撫で、舐め、咥え、飲み込む。

 

 気持ち悪い。

 きもちわるい。

 キモチワルイ。

 

 キモチ、いぃ?

 

 それでもカラダは求めているみたい。

 今もまた、膣を精一杯締め付けているようだ。

 

「いっ…くぞっ!!」

 

 あぁ、もう何度目だろう?

 そろそろ10に届くだろうか?

 下腹部に感じる異物。

 それはだんだんと漏れ出てくるも、すぐさま別の棒で蓋をされる。

 

 もう1日くらい経ったのか。それとも数時間しか経っていないのか。

 時間の感覚もなく、ひたすらに穴という穴に何かを突っ込まれているのにも、だんだんと疲れてきた。

 

── ガチャリ

 

 意識が行為以外に向いた瞬間だったためか、やけに大きく聞こえた、何かが開く音。

 

 ん?

 あれ……なんだろう?

 眩しい光のような、暗く濁った闇のような、変な感じ。

 そんな歪な、強くも脆いナニカが見える。

 愛情と憎悪の混ざりあった、混沌としたナニカ。

 もしかして……これが、かみさま…?

 

 でも、

 

「……きれ…い」

 

 

────

 

 

 それは、阿鼻叫喚の地獄絵図。

 鼻や目玉、耳や指、そして、陰部。

 すぐに死に関わるわけではない、身体の末端や部位を切り刻み、抜き取る緑色の悪魔。

 カラーの女がわけのわからないことを呟いているが、神様だと?

 あんなのが神だとしたら、世も末だ。

 

「や、やめろ!やめてくれ!!」

 

 また一人、仲間ではないが共に楽しんでいた男の目玉を抜き取るとその口に無理矢理にねじ込んでいる。

 さっきまで、欲望と精臭に満ちていたはずのこの部屋は、今は、鉄の焼ける臭いと殺意に満ちている。

 

「うわぁぁぁ!!痛ヅゥゥウ!!」

「…………」

 

 痛がり、倒れ伏す男にいくつかの切れ込みを入れる。人想いに死なせてくれない、正に悪魔はその血が溢れ出している箇所を足で踏みつけていた。

 

「頼まれてやってるんだ!……俺は悪くない!!俺は……俺は……許して…」

 

 最初は威勢よく叫んでいたソイツの言葉は血とともに命も流れ出ているようで、その声は精液の匂いと鉄の匂いで充満したこの部屋に静かに響き、やがて聞こえなくなった。

 

 

 どうしてこうなった?

 

 

 俺は、いや、俺たちはただ酒場で酒を飲んでいただけだ。

 あの気味の悪い虫使いの男に、カラーを抱きたいかと持ちかけられただけ。

 それを二つ返事でOKしただけだ。

 それが、こんなことになるなど……誰が想像できた?

 

「…………」

「た、頼む!命だけは……なぁおいっ!なんとか言えよっ!!」

 

 あの虫使いの男よりも気味の悪いこの緑頭は、現れてからずっとだんまりのまま。

 そして、光の籠らない、ガラス玉のような眼をこちらへ向けると、ついに、その口を開いた。

 

 藁にもすがるつもりで、神様だなんだと敬う口上を述べまくるも、告げられたのは、無情な一言。

 

──死

 

 一言しか聞こえなかった。

 おそらく、続きは「ね」と言いたかったのか。などと、馬鹿な事を考えていると、視界の右半分が何も見えなくなっている。

 おかしいなと、思ったが、意識をしてしまったからか徐々に痛みを感じ、それはどんどんと強烈なものとなる。

 痛みに耐えかね蹲ると、そこで気づいた。

 あぁ……どうりで、聞こえないはずだ。

 あの男に近い方の、耳がなかったからか。

 薄れ行く意識の中で、床に落ちている、半分しかないが自分の見慣れた顔と、目が合った。

 

 

────

 

 

「……あなた…かみさま…?」

 

 なんだか目の焦点が合わない。

 わたしをここに連れてきた男のせいか、触れられたいと、股間に熱を帯びていくのがわかる。

 でも、そうしてはいけないような、なんだかわからない。

 ただ、綺麗な緑色の髪に隠れて目の色は窺えない。

 

「違うよ」

 

 ようやく話してくれた。

 よく通る声。森を出てから出会ったどの男の人とも違う声色。

 そして、私を見るその目。

 なんで、そんな奥の見えない、濁りきった目をしているのだろう。

 そこに見えるのは、

 

「もう、大丈夫。全部思い出した。俺は、何をのうのうと生きていたのか……自分で自分が許せないよ……」

 

 

 

  

 

 

 

 

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