ジオン軍人がインフィニットストラトスの世界で生きる。 作:ゆかなおっぱい
ご都合主義的な展開が多いとの非難を頂きました。かなりの人数のヒロイン数なため、原作では2学期で落ちていたヒロインも前倒しで攻略していて、その都合上原作にないキャラを多く出してご都合主義的展開多くなっていることは自覚しております。
恐らくはこの先も似たようなことになりそうですが、ご了承下さい。
あとクレア・ハーヴェイちゃんの件ですが、R18の短編も書いているのでそっちに出そうと思います。ISはISの作品のまま継続したいと思います。ガンダムキャラが出ているじゃないか、はナシで()
あと、これ大事なことですが
この世界の男&女の関係って、UCのアースノイド&スペースノイドの関係に似てますね。
タッグマッチトーナメントも全試合が終了し、3年生は来年の就職の準備や次の進路に向けた準備、1、2年生は自身の研鑽に時間がかかる夏休み。それとは別に代表候補生達は夏休みには世界共通新代表候補生就任式やら公務やらで忙しいそう。
代表候補生も列記とした公務員、バカ高い給料が出る分仕事もあるのだ。軍との合同演習に体力・知力・IS適性テスト、モデルなどの芸能活動と多岐にわたる。とはいえ芸能活動ではギャラもかなりの額出るそうで、それも相まって女性のなりたい職業ランキングではここ数年ずっとダントツの一位だ。
代表候補生以外でもIS学園を出ればエリートコースは確約、ただでさえ良質な人材が不足しているIS業界にとっては彼女達は喉から手が出る程欲しい金の卵達だ。
とはいえ彼女達も高校生、夏休みには遊びやら帰省やらと勉強やIS以外の予定も多い。
しかし俺は結局学園からの許可が下りず、殆どを海外周遊やら学園やらに拘束されることが決まっている。ふざけるな。
(まぁまぁ、学園のお金で海外行けるんだからいいじゃない、旅行よ、りょこう)
あのねぇ……正直海外旅行というより海外のお偉いさんに会う織斑君のオマケだし……行く場所も場所だしなぁ。
あまり、行きたくはないんだよね。
そんな夏休みが待っているからこそ、今日の外出は貴重な俺1人で羽を伸ばせる日だ。
一応身バレしないようにサングラスと黒のYシャツにジーパンとちょっと悪っぽい格好でIS学園近くの複合商業施設のレゾナンスを歩いている。
今日は数分だけ親父との面会を許され、警備のしやすいようにレゾナンスの外にある海沿いの小さな公園で話をする予定になっている。
俺は複雑な気持ちを抑えつつ、いつのより速く歩く。
(心拍数が増加してるわ、いつも通りでいなさいな)
そうは言われてもね……正直親父に会えるのは嬉しいし、でも俺のせいで会社を追い出されて……色々言わなきゃいけないだろ?
(全く……アナタの義父様なら分かってくれるわよ)
商業施設を歩き抜け、多くの人で賑わうメインストリートから少し外れて人気の少ない東京湾沿いの公園へ。そこには航行するお台場の観光船を眺める、逞しくて見慣れた背中。
「親父」
振り返ったその男は俺を見ると俺そっくりな笑顔を見せる。
「よう。見ない間にまた逞しくなったな、裕太」
「あぁ……親父は少し老けたんじゃないか」
「フッ……減らず愚痴を」
そう言って親父はもう一度背を向け、手すりに寄りかかって海を眺める。俺は親父の横で真似をする。
「狭い海だ。こんなところで船を出す奴の気が知れねぇな」
「言うなよ。……悪かったな、俺がISの適性なんて持ってて」
「ハッハッハ、別に気にしてねぇよ。船に乗れないのは辛いが、働かずに生活出来るのは楽だからな」
乾いた笑いだ。海に出られないのは相当辛いはずなのに……
(アナタに似てるわね……アナタのお父さん時代を思い出すわ)
そうか……まぁ、親子ってことだな。
その後は他愛もない話が続いた。キチンと3食取ってるかとか、親父こそ肉ばっかり食ってないだろうなとか、IS学園の話とか。
「そういや聞いたぞ。来週から臨海学校なんだって?」
「あぁ……正直砂浜を見るのは好きじゃないだけど……まぁ、楽しんでくるよ」
「強がりやがって……おっと、そろそろ護衛の人がキレそうだ」
「ん、もうそんな時間か」
俺はマリーダの宿るラファールの待機状態である腕時計を見る。なんだかんだ20分も話し込んでいたようだ。
(楽しい時間は速く過ぎるものね)
ホント、時間が足りねぇよ。
「じゃあな、裕太」
「あぁ…」
そう言って親父は歩き出すが、数歩で立ち止まって斜めに体を傾け、俺の方を見やる。
「裕太、これだけは忘れるなよ……お前が何者であれ、俺はお前の父親だ。俺だけは、お前の味方でいてやるよ」
そう言ってまた反対方向を向き、右手をヒラヒラと振ってから両手をズボンのポケットに突っ込み、歩いていく。
(なんか……昔のアナタを見てるみたい。それに前世のこと、話してたのね)
まぁ……親父にだけは、隠し事をしたくなかったからな。
俺も親父と反対方向に歩き出して、さっきの商業施設・レゾナンスに戻る。
臨海学校に行くための買い物もしなければならない。
(フフ、何買えばいいかは私に任せてね)
いつもそうだろ……頼むよ。
(ハイ、任されました。)
私は今、ベル、虚と一緒にレゾナンスに来ている。いつも皆んなと訓練している分、たまの日曜日くらいは遊びたいのが女子高生というもの。
ベルはいつもと違って花を象った髪留めで赤い長髪をツインテールにしていて、白いシャツと赤いロングスカートを合わせてお嬢様感がある。実際お嬢様なんだけど。虚は虚でベージュのワンピースを着ていて大人な可愛らしさがある。いつもと同じポニーテールだけど、それにもウェーブをかけていて清楚な大人っぽい雰囲気。私も一応青色のシャツに水色のミニスカ、白いバッグで空をイメージしたコーデ。髪色と合わせてみた。うん、バッチリ。
レゾナンスには色々お店があって、一日中いられる。来るたびに無駄遣いしそうなる。でも仕送りをしてもまだ余っている代表候補生のお給料も少しは使わないと。お金は使うからこそ価値がある、ってね。
そんなこんなでワイワイ3人でレゾナンスを歩いていたのだが、ふと雑踏の中困った顔で彷徨う小さな男の子を見つける。
「グリ?何を立ち止まっているのですか?」
「どうしたのグリ?」
「ベル、虚、あれ」
私はその男の子を指差し、それで2人もその子を認識した。
「1人で来た……訳ないですよね。こんなところで」
「親と逸れてしまったのね……声をかけましょ」
ベルの提案に反対する訳がない。私達3人は子供好きという共通点がある。お互いお姉ちゃん気質なのはわかっている。
私達は歩いてその子に近づき、膝を曲げて出来るだけ目線を合わせる。
「どうしたの、僕?」
「お母さんかお父さんとはぐれてしまったのですか?」
「大丈夫?」
出来る限り優しく接した。今までもこうやって子供と仲良くなってきた。そんな自信が、私達にはあった。
しかしその男の子は怯えた目で私達を見、ヒッ、と小さく悲鳴をあげて逃げ出してしまった。
「「「えっ!?」」」
想定外だった。まさか逃げられるなんて。何かあの子を怖がらせることをしたか、と申し訳なくなる。
そんな逃げる男の子を目で追っていると、その子はドンと大きな男の人にぶつかってしまった。
その男の人をよく見たら、私達がよく知る人だった。……裕太だ。
「痛っ……ご、ごめんなさい」
「おっと……大丈夫だよ。それにしてもどうしたんだ、そんなに慌てて。親と離れたのか?」
裕太は私達と同じように膝を曲げて、いや地面につけて目線を合わせて優しい表情でその男の子に話しかける。
「……うん……お母さんと離れちゃった……」
「そうか……なら俺が肩車するから、一緒に探そう。な?」
「……うん!」
そうしてそのまま肩車して、歩いていく裕太。私はその横で裕太と笑い合いながら3人で歩く姿を妄想する。まるで夫婦のように……
そんなことを考えていたら、頬が熱くなるのを自覚する。恥ずかしくなって慌てて他の2人を見ると、私と同じような表情をしてた。お互い顔を見合わせて苦笑いし、ISの集音機能を用いて裕太を尾行し盗聴する。ISを持っていない虚は私に近寄って音を聞く。
「僕ね、女の人が苦手なんだ」
小さな男の子の一言が、私達の心に突き刺さる。私達は、女だからってだけで避けられたんだ。
「ほぉ……どうして?」
「だって……女子達がね、ISがなんとかって、僕達を虐めるんだ。友達がね、別にお前達がISを持ってる訳じゃないだろって言い返したらイジメられるようになったんだ。それを先生に言っても、その友達が悪いって。その先生も女の先生だから、女子達を庇うんだ」
「……そりゃあ酷い話だ」
裕太の言う通りだ。ISを持っているから偉い、なんてことは無い。確かに女性はISのおかげで軍事的な強さを持った。でも……
「だからね、お母さんは好きだけど女の人は嫌い。嫌いというか…怖い」
私達3人の足取りが重くなる。今の世の中女性が強くなったのを良いことに男性を奴隷のように扱う人が増えた。ただ自分が男性の少ない所にいるからか、そういった世界情勢を忘れていた。目の当たりにして痛いほどわかる男女の溝。こんなの……間違ってるよ……
「なるほどね……俺はさ、実はIS学園に通ってるんだ」
!!……驚いた。自分からカミングアウトしちゃうなんて……私達はより耳を研ぎ澄ます。
「えっ!?……もしかしてあの織斑一夏って人?」
「いや、もう1人の方さ。……IS学園にいたら女性と必ず付き合わなきゃいけない。そこで二ヶ月生活してわかったんだ。友達や知り合いだからといって仲良くして、全てを曝け出さなきゃいけないわけじゃない。時には最低限のことだけ伝えたりするだけでもいいんだ」
「……どういうこと?」
「嫌いな相手と無理に付き合う必要はないってこと。いじめてくる女子達と、授業とかで話さなきゃいけない時だけ話せばいいんだ。女性が怖いなら、お母さん以外とは無理して喋らなくていい。逃げてもいい。必要な時だけ、話せばいいんだ。……人間誰とでも仲良くなれる訳じゃない。だけど人間は他の人と付き合わなければ生きていけない。だから、仲良くせず、上手くやり過ごせばいい。それが大人の付き合い方さ」
同い年とは思えない達観だ。どんな人も皆んなに嫌われたく無い、好かれたい、仲良くなりたいと思ってしまう中で裕太はそんな考えをしていたんだ……かっこいいなと思う反面、裕太も私達に隠していることがあるんだろうなと勘づく。……もっと知りたい。
「そっか……うん、頑張ってみる」
「おう、頑張れよ」
前を向いたまま笑顔になる2人を見ていたら、本当に親子に見えてくる。自分達が子供好きだからこそ未来の配偶者も子供好きな人がいいなと3人で話し合ったこともあって、今の裕太は私達にとても魅力的な男性というイメージを植え付ける。元々努力する彼、ISでの真剣な眼差しに惹かれていたこともあってドンドンのめり込んでいく。私もベルも虚も目の輝きに恋慕の気持ちが入っているのがわかる。
「あ、お母さん!!」
「陸!」
男の子に似た女性がその男の子を見つけて駆け寄る。よかった。
裕太はまたしゃがんで陸と呼ばれた男の子をおろすと、陸くんはお母さんに抱きつく。
母親の女性は陸くんを抱きしめると裕太に顔を向ける。
「どうもありがとうございました」
「いえいえ。…もうはぐれるんじゃないぞ」
「うん!」
「それでは」
本当の親子2人は手を繋いで歩き出す。本当の笑顔を見せる陸くんを見て心が温まる。
「良かったわね、陸くん」
「えぇ…裕太さんもかっこよかったです…」
「虚…」
「よぉ、虚ベルグリ」
「「「キャア!!」」」
3人で話していたらベルと虚の間からひょっこり顔を出した裕太に3人でビックリして悲鳴をあげる。勘弁してくれよと漏らす裕太に少し罪悪感。
「3人ともずっと俺の後をつけてきてたから緊張したよ」
「うぅ……バレてたんですね……」
「それにしても随分と子供の相手が上手いのね。驚いたわ」
「あぁ、近所の子と遊んでた時があってね。……そうだ、さっきそこの公園でクレープ屋があったんだけど行かないか?」
「クレープ!!」
「グリは食いしん坊ね…」
私の大きなクレープ!の声に笑いが起こる。幸せだ。
裕太が付いてきて、というので後ろに3人でついていく。
「そういえばこの近くのクレープ屋さんでミックスベリーを恋人と一緒に食べると、その恋人と一生添い遂げられるっていう噂を聞いたことがあるわ」
「そういえば私も本音から聞きました。……やりましょう」
「うん」
3人で覚悟を決めて裕太の後をついていく。両手をズボンのポケットに突っ込んでいる彼の両腕は腕を組むのに最適なスペースが空いているが、お互い分かっているからこそ抱きつくことは無い。
人の多いお店の密集するエリアを抜けて海辺の公園へ。レインボーブリッジと東京湾がよく見えるその公園の隅に、クレープ屋さんの車が止まっていた。そのクレープ屋さんのカウンターの目の前に4人で並ぶ。裕太にはお任せすると言われてるからね。よしっ!
「あの、ミックスベリー4つ下さい」
そういうと店主の男性はマニュアル通り、といったように少し申し訳なさそうな笑顔を浮かべた。
「すいません、ミックスベリーはないんですよ」
「そう……」
ベルがかなり落ち込む。いつも澄ました顔な彼女だが、実は結構激情家なのだ。なんだかんだで1番裕太にお熱かもしれない。
私は変わりのメニューを見てみる。……ん?
「あ、いちごを3つとブルーベリーを1つお願いします」
「はいよ」
店主の男性はクレープを作り始める。私達はカウンターから少し離れて待つことに。するとベルと虚が私に耳打ちしてくる。
「なんで勝手に決めるのよ」
「そうです、ミックスベリーはもうないですし、好きなものを選びたかったです!」
「まぁまぁ落ち着きなよ。いちごを英語に直すとストロベリー、ストロベリーとブルーベリー、分かるでしょ?」
そう言うと2人はなるほどと頷き、親指をグッと突き立てる。お互いの好みはわかっているからこそ、私達にはいちご味、裕太にブルーベリー味を渡す。そうすれば全員裕太からブルーベリー味を貰う理由ができる。
しかし私達はミックスベリーに気を取られて大事なことを忘れていた。私は慌ててカウンターに戻る。
「あ、そういえば代金!!」
「それは俺が出しといたよ」
バン!とカウンターの机に慌てて飛びついたがもう既にお札と小銭が置かれていた。
「あ、ごめんごめん。えっと、イチゴ味は……」
「いいよ、今日は俺の奢り」
平然とそう言ってのけたけど、私達は裕太の懐事情が淋しいことは知っている。前お昼休みに一緒にご飯を食べている時にバイトも出来ないから少ないって嘆いてたっけ。それに比べて私とベルは代表候補生で、高校生ではあるがかなりの額を貰っているし虚も名家の出身でお小遣いはかなり貰っていると聞いている。申し訳ないなと感じつつも、そう言ってくれた裕太に感謝。
程なくして4人分のクレープが出来上がる。私とベルと虚は近くにあったベンチに座って、裕太は私達の真前、手すりに軽く腰掛けて食べている。
「ねえ裕太、そのブルーベリー味を私にもくれないかしら?代わりに私のイチゴ味をあげるわ」
「フフ、私もお願いします」
「あ、私も〜〜」
「お、おう…」
仲睦まじくお互いもクレープに齧り付いていると、私達4人がカップルみたいに感じる。多幸感を感じながら、こんな関係がずっと続けばいいなと思う。
裕太は一足先に食べ終わると、クルッと振り返って手すりに掴まり海を眺める。
「ホント、海は狭いな」
哀愁漂う彼の一言は、とても色っぽかった。でも、どういう意味だろうか。
読んでいただきありがとうございました。感想、評価、お気に入りお願いします。
あと余談なんですが、書いているR18小説が最高日間3位、週間6位にもなりました。ビックリ。