ジオン軍人がインフィニットストラトスの世界で生きる。 作:ゆかなおっぱい
お気に入り500人到達ありがとうございます。
あと今回、最初に少し鈴ヘイトが入っていますが、大丈夫です。後々無くなります。
共通テストお疲れ様でした。
朝。一限前のHR開始が8:00とかなり早めなこの学校だが、皆んないつもHR前には教室に集まりお喋りに興じている。例に漏れず大勢が織斑君を囲って話に花を咲かせていた。
「来週のクラス対抗戦頑張ってね、織斑君!!」
「専用機持ちは1組と4組だけだし余裕だよ!!」
皆揃って織斑君を持ち上げ、媚びを売る。表面上は純粋に応援しているようだが、心内では優勝した組に配られるスイーツ食べ放題券が欲しいとか、織斑君を通じて織斑先生との関わりを持ちたいとか、そういう考えが跋扈している。女は恐ろしいなぁ。
「おりむーが勝ったら一緒にスイーツ食べに行こうね、ゆーゆー」
「あぁ。そうしよう」
そんな中でもほんわかとした本音の性格だけは心温まるものだ。
そんな会話をした時だった。
「その情報古いよ」
1組の入り口。壁に寄りかかり腕を組んだ少女が、得意げな顔で織斑君の方を向いている。アジア系、それも日本と同じ東アジア系の顔立ちで栗色の髪を黄色いリボンでツインテールにしている。小さな体躯で偉そうな態度を取る彼女は見ていて滑稽だ。
「2組のクラス代表にはこのアタシ、中国国家代表候補生の凰鈴音がなったから!!そう簡単には勝てないよ!!」
「お前、鈴か…?似合ってないぞ?」
織斑君の冷静なツッコミにガクッとした凰さんだったが、すぐに織斑君を睨み返す。顔を少し赤くしてキーっと睨む姿はまるで子猫だな。
しかし俺は彼女の後ろ、冷たく見下ろす黒髪の女性を見ていた。多分他のクラスメイト達もそうだろう。皆そのスーツの女性に顔を青ざめる。
「あんたねぇ!!」
「鈴!!後ろ!!」
「はぁ?何よ…ゲッ…ち、千冬さん…」
後ろを振り向いた凰さんはその偉そうな表情を凍らせる。
「ゲッとは何だ、ファン。お前は2組だろう、HRが始まるから早く戻れ。それとここでは織斑先生だ」
「ハイ、織斑先生…一夏!!後でまた来るから覚えてなさいよ!!」
「早く戻れ!!」
一度振り返って捨て台詞を吐いた後、織斑先生に怒鳴られ撤収していった。
彼女は正しく嵐だな。男5人分のパワーを一人で持っている。…何の話をしているんだ俺は。
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「ティナ、なんでクラス代表を譲ったんだ?」
昼休みの食堂。今日も今日とて大人数で食事中だ。
「裕太がクラス代表じゃないなら、やらなくてもいいかなぁって思ったの」
そう言いながらも焼きそばを食べる手を止めない。パクパクというよりバクバクと形容されるであろう食べっぷりには皆もう慣れたものだ。
そうやって吸収した食べ物の栄養が胸と尻にだけ集中しているのか、彼女のスタイルは抜群に良い。そんな彼女が横に引っ付いて食べる昼飯時は理性との勝負となるため、結構シンドい。
「まぁいいんじゃねーの?どうせ2年になれば整備課と操縦課で分かれてクラス代表戦なんて無くなるからな」
「えぇそうね。でも経験を積める点では、譲らない方が良かったんじゃないかしら」
ダリルはティナに大いに賛同したが、ベルはそうじゃないらしい。
確かに経験を積むことが大事な操縦者にとって、絶好のチャンスを無くすのはあまりよろしくない。俺だって何千時間と乗って来たからMSの腕が上がった訳だしな。
「良いじゃない別に。鈴に面倒なクラス代表の仕事を押し付けただけなんだから。それに経験だったらいつもの練習の方がよっぽどタメになるわ」
「それもそうっスね〜」
「確かにー。これだけ代表候補生が集まって出来るのは大きよねー。最近はロシア国家代表の楯無ちゃんも入ってきたしー」
「フフフ。確かに一夏君とかと戦うよりタフな練習してるわよねー」
「そうですわね…正直ここまでのメンバーが裕太さんの下に集まっているとは思いませんでしたわ」
たっちゃんの言う通り、このメンバーに織斑先生山田先生と訓練しているのは非常にありがたい。まだまだ現役時には届かないが、それでも実力はかなりの速度で戻り始めている。皆んなに感謝すべきだな。
そんないつも通りの食事に、1人の少女がやってくる。
ズカズカと俺達の目の前にやってきて腕を組み、見下ろしてくる。
「アンタが2人目の男のIS操縦者?」
「あぁ。君は凰さんだね?星川裕太だ、よろしく」
「ん。よろしくね。アタシのことは鈴でいいわ」
そう言って握手を交わす。
なんだ、いい奴じゃないか。さっきまでじゃじゃ馬な少女と評価していたのを改めよう。そう思った矢先だった。
「ふーん、一夏が物凄く強いって言ってたけど、そうでもなさそうね。女を侍らしてる男に負ける気はしないわ。良い?一年最強はアタシだから!じゃーね〜」
「「………。」」
全員で思わず黙り込んでしまった。これを言うためだけに来たのか…
それにしても随分と自信に満ち溢れている。何をどうすればそこまで肥大化した自尊心を育てられるのか教えて欲しいくらいだ。
「な、なんだアイツ!!お前らどけ!!アイツをぶっ飛ばしてやる!」
「落ち着けダリル。あんな安い挑発に乗るな」
ダリルは完全に怒ってしまい、昔の星野監督の如く飛び出していきそうな彼女を何とか抑える。
ダリル程では無いが、他の皆んなも怒りを覚えているようだ。
「あれは無いっスね」
「ないねー…」
「ないわね」
「ないですね…」
「鈴…私、クラス代表譲らない方が良かったかも」
「あれで私達と同じ国家代表候補生ですの!?…とんでもない」
…織斑君サイドはかなり荒れるだろうな……
箒ちゃんがあの鈴にしっかりと対応し切れるかどうか……
それにしても仮にも国家代表候補生だろう。セシリアもそうだったが、もう少し国の代表としての振る舞い等も教えた方がいいんじゃないだろうか。彼女達がまだ10代とか20代あたりの若者だということを加味しても酷い言動があるように感じる。
ーーーー
織斑君のISから連絡が入り、俺は彼と箒ちゃんの部屋にやって来た。何でも鈴と箒ちゃんが喧嘩していて大変らしい。
何でも幼馴染なんだから同部屋にしてくれと鈴が言ったそうだ。
一年生寮の箒ちゃん達の部屋があるフロアに着くと彼らの部屋の周りには女生徒達が野次馬していた。皆部屋でくつろいでいた時に騒ぎを聞きつけて飛び出して来たのだろう、ラフな格好で見えてる肌面積が広い。
そんな彼女達をかき分けギャーギャーと騒ぎ立てている部屋の中へと入っていく。
「だから!!貴様が出て行けと言っているだろう!!ここは一夏と私の部屋だ!!」
「だーかーらー!!アンタは脇役なんだから引っ込んでてよ!!アタシと一夏の問題だって言ってるでしょ!?一夏とアタシだったら問題無く一緒の部屋で暮らせるからアンタは部屋変わっても良いって言ったあげてるんだから言うこと聞きなさいよ!!」
あーあ、こりゃ大変だ。ヒス起こしてる2人が物凄い形相と覇気で言い合いをしている。寝巻きの箒ちゃんと制服のままな鈴とで向かい合って二つあるベッドの前で争い、ベッドの間のスペースで距離をとりながら織斑君がなだめている。2人とも俺が入ってきたこともわからないくらい熱中してしまっている。
織斑君は俺を見つけるとまるで天からの使者が舞い降りたかのを見たような目で俺を見つめる。…やめてくれよ、俺にこの場を収めろと?
俺はコクリと織斑君に頷き、一旦外に出て野次馬にいた本音に話しかける。
「本音、織斑先生の部屋まで案内してくれる?これは先生の力がないと収集つかない」
狐の着ぐるみか?と思うようなパジャマを着ている本音はいつも通り袖の余っている腕を上に上げていつもの笑顔で応えてくれる。
「いいよー。一緒にいこー」
本音に連れられ長い廊下を真っ直ぐ進んだ突き当たりに寮長室とかかれたプレートのついたドアを見つける。
その部屋の前で本音は立ち止まり、クルッと俺の方を見る。
「ここだよ〜。えへへ、ちゃんと案内出来たの偉い〜?」
「あぁ。それ、ご褒美だ」
「ン〜〜〜〜!!ありがとー!」
お礼に狐の耳がついたフードの上から頭を撫でる。かつて娘のアリスにしてやったのを思い出し、俺も少し表情が和らぐ。本音に接していると昔のマリーダやアリスを思い出すことがあるなぁ。
この時腕に嵌めた腕時計が少し赤く発光したのだが、裕太には見えない。
タッタッタと戻っていった本音を見届け、切り替えてドアをノックする。
『誰だー?』
少し怠そうだが、確かに織斑先生の声だ。
「星川です。織斑君の部屋で凰さんと篠ノ之さんが言い争いをしています。仲裁をお願いできますか?私1人では対処し切れません」
すると中からドンガラガッシャーンという何かが崩れる音がした後、慌てた織斑先生と山田先生の声が聞こえた。その声は焦りからか少し高く、テンポの速いものだ。
『んなっ!?ちょ、ちょっと待ってくれ!!』
『先輩も手伝って下さい!こんな姿星川君には見せられません!』
ドタバタと騒ぎ出してから数十秒後、やっと織斑先生が現れた。しかしその姿は授業中のような凛々しさは無く、着崩したYシャツとスーツを何とか着直しただけの格好で、顔も赤く髪も少し乱れている。
扉の向こうに少し見えた散らばっている服や書類や空き缶、着替え中の山田先生についてはスルーしよう。
「ま、待たせたな。じゃあ行こうか」
カッコ悪いところを見られて少し恥じらう織斑先生を引き連れ問題の部屋に到着。織斑先生は現状を把握すると、頭に手を当てて首を振る。
流石の2人も織斑先生には気付いたようで、一瞬で先程までの喧騒が止み、織斑先生の様子を恐る恐る伺っている。
「ハァ…お前らは何を争っているんだ」
「「……」」
鈴と箒ちゃんはだんまりを決め込む。織斑君は織斑君で2人に遠慮しているのかオロオロしたままだ。…仕方ない、俺が話そう。嫌な役割だなぁ……
「凰さんが篠ノ之さんに部屋を変わって欲しいと頼み、それで喧嘩していたんです」
それを聞いて織斑先生はさらに呆れ、鈴は恨めしそうに俺を睨む。箒ちゃんは箒ちゃんでやめてくれ!と目で訴えかけてきているようだ。
「分かった、大体今ので状況は把握した…凰、お前には違う部屋が言い渡されているだろう。寮の部屋を生徒同士で勝手に変えることは許されていない。そして篠ノ之、お前ももう少しで移動になるぞ。教員の間で男女が同じ部屋なのは不味いと意見が出ている。…まぁ今日はこのくらいでいいだろう。もう夜も遅い、鈴は早く自室に戻って寝ろ」
「「はい……」」
2人とも織斑先生に口答え出来るはずもなく、内心どう思ってるかは分からないがこの場は収まったようだ。やっぱり権力は利用しないとな。
「織斑も早く寝ろ、大体お前が自分で仲裁すれば良かったんだ。反省しろ」
「は、はい!」
「ん、じゃあ私は戻るぞ。…お前らも部屋に戻れ!!」
最後に野次馬を各々の部屋に返して寮長室に戻っていく。
「ありがとうございます、織斑先生」
「あぁ。お前もちゃんと寝ろよ?いつも朝早くからトレーニングをしているのは知っている。だがそれで授業中に寝るのは許さんからな」
「…はい」
疲れがあるのだろうが、それでもフッと優しく笑ってくれる彼女に少し見惚れる。
…俺も部屋に帰ろう。
〜〜〜
段々と陽が落ちる時間も遅くなってきている5月、既に日没後ということもあってもう夜も更けてきたのを実感して、少し歩くペースを上げて部屋まで急ぐ。着いてすぐ鍵を開けて入った。まだ寒いんだよね。
「おかえりなさい。ご飯にします?お風呂にします?それとも…ワ・タ・シ?」
…あぁ、まだ面倒事が残ってたか。しかも今回は織斑先生というジョーカーは使えない。先生だってもうお疲れだ、また駆り出すのは心苦しい。
目の前には絶世の美少女、生徒会長のたっちゃん。何か下に着ているのだろうが、俺視点ではたっちゃんの艶やかで若々しいハリのある白い肌と白いフリルのたくさん付いたエプロンのみ。ハッキリ言って滅茶苦茶襲いたいくらいには扇情的だ。
しかしこれは完全に罠だろう。たっちゃんは自身の色気で俺の性欲を刺激して襲わせ、それをどこかに仕掛けた隠しカメラで撮って脅すつもりだろう。その手には乗るものか。
「そうだな…ご飯をお願い出来るかな?」
たっちゃんの目論見が外れて悔しそうな顔を拝もうかと思っていたが、たっちゃんの表情は全然変わらない。
「ハーイ!じゃぁ着替えてそこで待っててね、今用意しちゃうから」
逆にそのまま台所の方に向かってしまう。その時必然的に後ろを向くのだが、その時背中は肌色一色だった。…本当に裸エプロンだったのか……
俺は一本取られたなと溜息を吐き、学園に持ってきていたジャンパーを取り出し、たっちゃんにかけてやる。
「こんな時間にそんな格好してたら寒いだろう。俺の目を癒してくれるのは嬉しいが、たっちゃんが風邪を引いてしまうだろう?せめてこれだけでも着てくれ。それに、そのままの格好じゃ俺が我慢出来なくなってしまう」
カレーを温めていたたっちゃんは上半身だけを振り向かせ、頬を少し赤らめる。
「あ、ありがとう…興奮してるの?」
目を三日月形に歪めて揶揄おうとするたっちゃん。頬が赤いため男を誘っているようにも見えるが、本人にその気は無いだろう。多分。
「少しね。たっちゃんがあまりにも綺麗だったから少し興奮したよ。…それにしても美味しそうなカレーだな。意外と料理出来るんだね」
「フフ、私料理とか家事とか大体得意よ?勉強も出来る方だし…凄いでしょ?」
「ハイハイ凄いスゴイ」
俺がたっちゃんの肩を掴み一緒に鍋を覗く姿はまるで愛し合っているカップルのようだった、と後に隠しカメラの映像を確認した楯無は他の皆んなに自慢して、いつものメンバー達の嫉妬を買うのはまた少し先のお話。
学園はもうすぐ、クラス代表対抗戦だ。
インフィニットストラトスのヒロイン暴力多すぎ問題。
ちょっとどうかと思うくらいには手を出すの早いですよね。てか手が出るどころか兵器使ってますし。
暴力系ヒロインの少なくなった今見返すと異常だなと思いました。
織斑君は結婚後大変そうですね。
全員が全員自分基準で手が出るのが早くて独占欲の強いヒロインばっかりですからね。
…え?ウチの主人公?……そこは後々で。
その点では、シティーハンターの冴羽獠は槇村香のハンマーをわざと当たってるらしいですね。
やっぱりイケてる男は違うんやなぁ。私ならブチギレてますw
次回も楽しみに〜