東方龍帰章~Return of east Legendry~   作:朝霧=Uroboross

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皆様、初めましての方は初めまして。ご愛読の方はありがとうございます。朝霧でございます。


この度は、私が中学生時代より暖めておりました、東方二次創作作品となります。
正直流し見でよろしいのですが、私が中学時代にて鬱を患った際、同時は東方に出会って大変衝撃を受け、とても憧れておりました。これより書き綴られる者達は皆、同時の私が憧れ、彼らがいてくれればと願った存在達でございます。

今では信頼できる人と、人生の師たる方のおかげでだいぶ治りましたが、完全に治すには彼らに別れを告げねばなりません。さらに私はとても忘れっぽいときました。
ですので、私が彼らを忘れないうちに、私の中で思い描いた彼らを幻想入りさせたいと考えた次第でございます。


前置き長々と失礼致しました。それでは、本編をお楽しみ下さい。駄文ですが、何卒よろしくお願いいたします。




壱・別れと雨

 

 

 ──雨が降っていた。ざぁざぁと降りしきる雨だった。周りには真っ赤な池ができていて、目の前には昨日まで、その暖かな手で撫でてくれていた者達がいる。

 立っているのはただ一人。産みの親ならずとも、その暖かな心で育ててくれた皆。私は────ただ茫然とするばかりだった。

 

 泣いた、嘆いた。嗚咽を漏らし、決して止まぬ慟哭を挙げた。雨は、全てを洗い流すように降っていた────。

 

 

 

 

 

 

 

 ────私は、森に立っていた。隣には、不可思議な狭間に座る者。奥には、その背に扉を背負う者。彼方には、長い髪を流す赤衣の巫女がいた。数多くの者がいた。

 空が覆われる、"龍"が姿を見せる。我らは、その儀式を始めていく。私もまた、かねてより練っていた術式を展開していく。

 

「──!!貴方その術式じゃぁ──ッ!!」

「かまわぬ。そこは私には過ぎたる地だ。私はそちらには行けん」

 

 穏やかな笑みが、自然と浮かぶ。私は、傍目からはどう見えるのだろうか。まぁ、それも構わぬのだが。

 蹴り飛ばすように、彼女を結界の中へと突き飛ばす。蹴るのはどうか許して頂きたい。今は手が離せないのだから。

 

「お前はそちらに居ろ。そこで我らの故郷を見守ってくれ」

「ッ…………はぁ。貴方も難儀な性格ね。……待ってるわよ、『東守』サマ」

「ふっ……それは我が主のことだ。私にはそれは相応しくなかろう」

 

 そうして結界が出来上がる。姿がかき消えていく彼女は、ただただ穏やかな笑みを浮かべて、どうしようもない者をみるかのような寂しげで慈悲深い目を持っていた。

 そういう彼女だからこそ、あの地の管理者に相応しい。あのような者だからこそ、彼の地は任せられる。

 

「後は頼むぞ──────"(ゆかり)"」

 

 結界が完全に閉じきる。私の声は、きっと届いてはいないだろう。だが、それでいい。私の役目は、これで終わった。

 復讐を終え、恩に尽くし、贖罪に走った我が生は、この結界を完成させたことで区切りが付いた。

 

 ──修羅なれど 我が生終にて 桜花散る──善き生であった────。

 

 その日も雨が降っていた────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──その結界。数多の賢者整えし泡沫を護りし結界。その名後に『博麗大結界』と謂われ、其の結界に護られし地、後に『幻想境』と呼ばれる────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 かつてより空気は汚れ、鉄の森が立ち、噴煙が方々にて吹き上がりし現代。近代化が進んだ現代の森の中、二人の若い(おのこ)らが、乾いた音を響かせながら立ち合っていた。

 だが、片方が足をもつれさせた不意を突き、蒼衣の青年が首元に木刀を向ける。倒れた少年は、苦笑いを浮かべて両手をあげる。

 

「参りました……。やはりお強いですね、お師様」

「私なぞまだまだよ。かく言うお前も、現代の者にしては腕が良くなったぞ──"朝霧"」

 

『朝霧 龍介』──私が現代にて依り代とし、そして内にて眠る私に気づいて再び甦られせてくれた人の子の友にして我が弟子。持てる力や情報網を使って私の力を取り戻そうとしてくれた親しき友。

 肉体を取り戻し、稽古をつけること早三年。ここまで強くなったことに、私はどこか誇らしかった。

 

「……当主、期、満る……」

「む……そうか」

「……時が来ましたか」

 

 古くからの友──『葛城の土蜘蛛』より報告を受け、私は出立の支度をする。とは言っても、ほぼ全て整っていたあとであった。

 我が友にして弟子たる朝霧は、どこか嬉しそうに、そしてどこか寂しげに言葉を紡ぐ。これにて我らは別れ、互いに最早二度会えぬ時を過ごすこととなる。

 

「世話になった。達者でな、友よ」

「あぁ、今までありがとう。元気でな──"刻縁"」

 

 そうして、二人は背を向き合うように踵を返す。蒼衣の青年はさらに深く森の中へ、若き少年は広く拓けた世界にある自らの家へ。

 

「断ち、映し、その姿を顕せ──『三種の神器』」

 

 青年が持つ古風な一振りの両刃刀。それを虚空に一閃させると、たちまち不可思議な狭間──『スキマ』が開く。

 いつの間にか青年の後ろには、付き従うように四人の男女が現れる。

 

「行くぞ、帰郷する」

「「「「御意に」」」」

 

 これよりは、幻想に消えし者達の里帰りにして、彼らの帰りし故郷の出来事。これを知るのは、彼らと親しかった者達のみ。

 故に、刮目せよ。故に、瞑目せよ。彼らは還るのだ。古き懐かしき故郷へ。遠い遠い旅路を終えて、今、彼らは帰郷する──────。

 

 

 ──あぁ、今日も雨が降るのだな──

 

 





本格的な更新は新年明けからです。ここまでで良いと思った方はありがとうございます。
なんか文おかしいゾと思った方はご指摘頂けると嬉しいです。ただし批判的なとのはご遠慮下さい。主に他の読者様方のご迷惑になりかねませんので。



追記、私こと『朝霧 龍介』は今後登場致しません。ご要望があればまた別ですけれども……。

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