東方龍帰章~Return of east Legendry~ 作:朝霧=Uroboross
ここ最近リアル事情が忙しくなって時間がほとんど取れなかったのと、特大スランプが一気に襲ってきて、手に筆が乗りませんでした………。
ここからまた周期を直しつつ、逐次投稿していきます!
とりあえず、今話から近・幻想郷(スペカ主流)時代に突入していきます。
これからも暖かい目で読んで頂ければ幸いですので、何卒よろしくお願いいたします。
拾・紅霧異変にて
吸血鬼異変より幾星霜。八雲紫より幻想郷中に『スペルカードルール』を導入するとの告知が広められた。
これにより、力によって優劣をつける時代は終わり、『スペルカード』と『弾幕』による遊戯によって決着のつけられる時代へと変わった。
「────さて、ついにここまで来ましたね」
「うむ、想定以上に永き刻であったわ」
若干ながら疲れきった声音と共に、服の端をはためかせて真夜中の幻想郷を望む刻縁ら。
この云十年近く彼らは、自らの土台を固めるために様々な手を行っていた。屋敷の存在を隠すのは当然の如く、人里にて違和感なく溶け込み、外の世界にて伝え聞いた主要人物は遠巻きに見るのみに留めた。
──とは言え、やむを得ず関わった者は何名かいたが。
しかしそれでも、この云十年もの間、何人にも知られることもなく、何人にも悟られることなく準備を行ってきた彼らは、あとは残りの【異変】を待つのみであった。
「…………来也」
祟羅の呟きと共に、太陽の沈んだ幻想郷が紅く染まる。陽の光は届かなくなり、雲はおどろおどろしく漂う真紅の夜。
「これが【紅霧異変】、か」
「紅いわねぇ……」
怪しい雰囲気の中、のんびりとした空気が流れる一同。屋敷の二階、さらにその屋根の上にて、空を眺める。
「む?あれは……」
彼方にて、湖に向かって飛ぶ一つの影──今代の博麗の巫女、『博麗 霊夢』である。
「刻限通りだな。しからば、じきこれも終わるか」
「月見酒を愉しむのが趣味だったのですが……今日は止めておきましょう」
残念そうにして屋内へと屋根伝いに戻る夜九。それに連なって次々に自室へと戻っていく面々。
「おや、当代は戻らないので?」
「今しばしは、この空を観ておきたいものでな」
「相も変わらず物好きですねぇ。お風邪を引かぬように」
最後に水京が降り、刻縁一人となる。懐より盃を取り出し、どこからともなく底より水が湧き出てくる。
その水を煽りながら、物静かで赤い紅い夜を過ごして行く────。
それから無限に湧く水を飲みつつ暫く。何事もなく静かに飲みつつ、空を眺める。時折遠くより何かが崩れるような音が鳴ってはいるものの、比較的静かであった。
そうしてさらに時が経ち。夜明けも近頃と思えば、彼方より霧が晴れてゆく。
「ほう……まぁまずは、よくやったと言うべきだろうな」
満足げに頷いた刻縁は残りを飲み干すと、霞のように気配を消して戻っていく。
空は、新しい一日を告げるかの如く朝日が昇り、まるでナニカを祝福しているかの如く柔らかであった。
~所変わり~
雀が鳴き、朝を告げ、先程までの激戦の余韻すら残らぬ静かな空間。そこに手を繋いで眠る二人の吸血鬼。
そこへと喚きたてる烏の文者と、聞かれてもいないのに胸を張ってあれこれ語る魔女の子を余所に、霊夢はふと何かを感じて振り替える。
「?……気のせいかしら」
訝しげにするも、視線の先には何一つなく、ただ霧の浮き出る湖畔と、その先の鬱蒼とした森林が広がるのみであった。
肩を竦め、いい加減しつこいぐらいに喧しい二人を諌めるため、手に持つ大幣を持ち直し、呆れ半分煩さ半分で若干大股に進みつつ近づいていく。
その後、湖畔に響きわたるほど鈍い音が二つ響いたそうな──。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
いくつかについてお知らせ致します。
①キャラクター紹介について
キャラ紹介については挿し絵ないしは立ち絵が人数分でき次第上げる予定ではあります。ただし、読者の皆様からの声が多ければ、早急に紹介文のみ書き上げて投稿するつもりではあります。
②今後の投稿について
今後は来週土曜にもう一度投稿してから周期を戻すことにします。むちろん、文章は残念ながら本人達の異変当期まで観察話になりますが、一応としては天空璋もしくは鬼形獣までとなっています。最新のは本人達の異変が終わるまでは……という形を採らせて頂きます。
どうかこれからも、私の作品を楽しんで頂ければ幸いです。
皆様からの感想・評価お待ちしております。
次回、【春雪異変にて】。