東方龍帰章~Return of east Legendry~   作:朝霧=Uroboross

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皆様どうも、連投です(白目)
なんとしてでも遅れを取り戻したい……ッ。
そしてこの申し訳なさをどうにかしたい…。

今回はちょっと登場人物と絡みがある……かも知れないです。



拾壱・春雪異変にて

 

 しんしんと雪が降り、冬も最中と言わざるを得ない日々。特段、なんら異常でもないかのように見えるが──現在、本来ならば春の頃である。

 とは言え、刻縁らの屋敷たる『龍桜楼(りおろう)』は季節に関係なく、刻縁の存在によって毎日桜が咲き続けているのだが。

 

 しかしながら、積もるほどの雪に満開の桜とはどうにも合わず、皆様々に渋面を模していた。

 そんな中、使用人らを省く幹部ら四人が、屋敷奥の本殿大広間にて一堂に召集がかけられていた。

 

「面を上げよ。────これは集まる度にやらねばならんか?」

「えぇ、必要なことですので」

 

 片眉を下げて訝しげにする刻縁に、満面の笑みをもって答える水京。唸りながらも渋々納得し、咳払いをして空気を整える。

 

「では、此度の異変──【春雪異変】についてだが」

 

 誰かが声をかけるまでも、ましてや目を合わせるなどということもなく、皆一斉に黙して次の言葉を待つ。

 

「今回、私は本丸──白玉楼へと向かわせてもらう」

「失礼、その真義をお聞きしたく」

 

 刻縁の発言に対して、真っ先に噛みついたのは──夜九であった。

 一声咎めんとした水京を制しさせ、夜九を見据える。

 

「此度の件、端的に言うなれば、西行寺家現当主の暴走と、八雲紫による巫女らの実力試しのようなもの。ならば私も、あれなる者らの実力を見定める────と、いうのが建前だ」

「建前…。では、本音は」

 

 その問いに対し、意地の悪そうな笑みを浮かべてこう返す。

 

「この異変に(かこ)つけて友の孫娘に修行させてやろうと思うてな。悪いか?」

「いえ、主らしいかと」

 

 漏れでた小さな笑みで刻縁に賛同し、引き下がる夜九。

 他に異議がないことを確認するように、幹部らを見ていく。皆一様に無いことを確認し、指示を下していく。

 

「では、私はこれより博麗の巫女らに悟られぬようこっそりと冥界へ行く。主らは巫女らが冥界へ向かっているのを見つけ次第即座に連絡するように密にせよ!」

「「「「はっ!!」」」」

 

 そうして皆席を立ち、各々の役目へと就いていく。

 刻縁は外へ出るや否や空へ翔び、空に出来た冥界へと続く孔へ向けて飛翔していく──────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 孔をくぐり冥界へとたどり着くと、丁度決着が着いたのか、冥界の中で最も大きな妖怪桜『西行妖』に集まっていた春の気が散っていた。

 無数の階段を飛翔することですっ飛ばし、近場の桜の木に潜んで気配を消す。

 それはまるで、初めからそこにいたのが当然であったがの如く、そして、木の一部であるのが当然の如く溶け込んでいった。

 

 博麗の巫女らが去り、西行寺家の当主が意識を取り戻す。刻縁がさりげなく付近の気配を探るも、元よりこの冥界にいる二名と雑多な霊以外の気配を感じないことを確認する。

 やがて、目的の人物である少女も起き上がり、負けたことを悔やむかのように当主に謝り奮起する様子を見せていた。

 

「──歓談中、御免」

「「ッ!!?」」

 

 潜めていた気配を戻し、二人に声を掛ける刻縁。

 突如現れた刻縁に驚き、すぐさま臨戦体制を取る少女と、怪しげに睨む当主。

 

「一体どなたかしら?少々無粋なんじゃないかしらね?」

「耳が痛い話だ。何、用があるのは貴殿ではない。────そこの魂魄家の庭師よ」

「わ、私ですか?」

 

 不思議そうにしながらも警戒を解かない少女。その手はいつでも抜けるよう、刀の持ち手に掛けられていた。

 だが、そんな警戒態勢も、刻縁の発した言葉によって更なる驚愕へと変わる。

 

「我が友にしてお主の祖父、『魂魄 妖忌』殿より、お主の指南役を賜った。『青龍寺 刻縁』と言う」

「お、お師匠様から!?」

 

 驚きの余り目を見開く二人。だがしぐさま我に帰った当主が刻縁を聞き咎める。

 

「…ならどうして早くに出て来てくらなかったのかしら?」

「一身上の都合、八雲のに見つからぬように行動せねばならなんだ。加えて、定住地も探さねばならなんだものでな」

 

 肩を竦めて困ったように告げる刻縁。仏頂面であるからか、本気でそう思っているかのように捉えられる。実際、割りと本気で面倒がっていたりする。

 

「ふうん、そう……ならいいわ。本来なら怪しい貴方は信用ならないのだけれど……、彼の顔に免じて許可します」

「忝ない」

 

 そう告げると、刻縁は少女へと向き直り、問いかける。

 

「我が友の孫よ、名を問おう」

「……魂魄、妖夢です」

「その名、確と。ではこれより、友との約定に因りて妖夢、主に我が教えられること全てを視せよう。よく学ぶが良い」

 

 こうして、かつて神々に仕えし剣豪と、半人半霊の庭師の師弟が成立することとなった。

 その後の話はまたいずれ────。

 

 





最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
二連続投稿ということでお読み頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

性急すぎるという意見もあるかも知れませんが、実のところ作者は早く刻縁達の異変が書きたくてしょうがないというここだけの話…………ここだけの話。

が愛読してくださる皆様からの感想・評価はいつでもお待ちしております。

次回、【永夜異変にて】
5/8の23:30更新です。絶対、間に合わせますとも……っ!(ケツイ)
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