東方龍帰章~Return of east Legendry~ 作:朝霧=Uroboross
皆様お久しぶりぶりでございます。朝霧です。
はい、毎度の如く超ギリギリ更新であります本当に申し訳ございませんッ。
いやぁ……モンハンとかテトリスとか楽しくて楽しくて……ハイ,スミマセン。
今話は風神録とかぶっ飛ばして地霊伝の異変後のお話であります。
『おま誰』となった人は原作要参照です(宣伝)。
ちなみに作者は妖ヶ夢と紺珠伝が好きです。
圧倒的威圧感の漂う守矢神社の拝殿の中、フローリングの床の上に正座させられる二柱の神。
片や、貫禄のある姿でありながら縮こまって震える大神。片や、帽子についた目を誤魔化しでもしているかのようにさ迷わせる土地神。
その二人の前には、仁王立ちで腕を組みながら、鋭い眼光でその二柱を睨み見下ろす蒼き龍神。
「……さて?」
「「ッ!!」」
奥の間への襖戸に隠れながらこちらを伺う巫女──『東風谷 早苗』を恨みがましく思っていれば、目の前の男から放たれる重低音の声。
お互いに身体を跳ねらせ、額に流れる冷や汗を感じながら次の言葉をただ静かに待つ。
「此度の件、どう説明してくれる……?」
「いやぁ、えーっと、そのぅ……こ、今回は神奈子が悪いのさ!?」
「ちょっと諏訪子!?」
発せられた問いに対し、目を泳がせながら土地神──『洩矢 諏訪子』は、視界に入った隣の神──『八坂 神奈子』に全ての責任を擦り付けた。
それに対し神奈子が憤慨して喧嘩になりかねるも、黙する龍神こと刻縁が右足を打ち付けて律させる。
「黙れ。今はお前達の起こした異変について聞いているのだ」
「そ、それは!外の世界じゃ信仰を集めるのも大変だから此方に来てなんとかしようと────」
神奈子が大振りな身振り手振りで説明する。
曰く──外の世界では信仰が集まりにくく、存在を保てない。だから幻想郷で再び信仰を手にしようとした、と。
それを一言も喋ることなく、瞑目して聞いていた刻縁。一通り終わって神奈子を見据えて言う。
「そうだな。確かに外の世界では様々な要因もあってか、神霊信仰が薄れている。それ故、此方で存在を保とうとする気持ちもわかる」
「そ、そうだ「だがな?」っ──」
諏訪子の必死な同意を遮り、尚も揺らがない仁王立ちのまま、以前間欠泉が噴出したであろう方向に、ありありと目線を向かわせて言い放つ。
「
「「(ガチ怒のやつだコレーッ!!)」」
口調の変わった刻縁に、顔面蒼白になりながら自らの危機を察した二柱。しかし、ここで逃げ出せば余計に酷い目に合うことをよく知っていたが為に動けずにいた。
特に神奈子に至っては高天原にいた頃、良くも悪くもお世話になったことが多いがために、顔を上げることすら出来ずにいた。
「のう?神奈子に諏訪子よ」
「「ハイ」」
「信仰を集めるためなら判る。幻想郷に浮かれたというのも判る。で、あるならば、此度のアレは──どういう理屈かの?教えて貰おうかぇ?」
おぞましいと形容できないほどの圧迫感が襲い、滝のような汗と凍えたかのように震え始める。
刻縁と神奈子の役職的立場というのは、言わば中央の大幹部クラスと地方勤務の役職持ちほどの差。
そも言えば、主神たる天照大御神、ひいてはその兄弟たる月詠大神直属というまでであるがために頭すら上がらないのがこの刻縁なのである。
「そ、それは、そのぅ………ちょっとした戯れというかなんというか……」
「ほぅ?戯れと申すか」
「「ヒゥッ」」
更に強まった威圧感に、か細い悲鳴を上げてさっきよりも縮こまってしまう二柱。
しばらく続いていたが、ふと溜め息とともに一気に空気が弛緩する。恐る恐ると言わんばかりに顔色を伺ってくる二柱。
「まぁ、過ぎたものは仕方あるまい。今回は何も言うまいてよ」
「「そ、そっかぁ──「しかし、だ」ッ!!」」
今度は先程までとうって変わって笑みを浮かべる刻縁。
だが、二柱は見えていた。その笑みが、かなりひきつったものであると。そして、それが怒りを含んだものであると。
「勝手に我が友たる"ヤタガラス"の名を使わせたこと、どう責を取る?」
「あ、それは神奈子が悪いから。私知ーらない」
「す、諏訪子ぉぉぉ!?」
口笛を吹きながら、割と本当に関係ない諏訪子はそっぽを向く。そんな諏訪子を問い質さんと神奈子は立ち上がろうとするが、首根っこを刻縁にしっかりと掴まれる。
さも関節部の油の切れた人形の、軋む首の如く回して後ろを見る神奈子。そこには────良い笑顔をして佇む刻縁が居た。
「では神奈子、少しばかり裏手でゆるりと────語り合おうではないか?」
「アッ、アッババッババババ(あ、死んだわ、私)」
その後、守矢神社の裏手である妖怪の山の山奥にて、これでもかというほどの何とも形容し難い凄惨な悲鳴が、三日三晩続いたとか。
なおその頃、地霊殿では────
「──ふぇっくちゅっ!」
「?珍しいわね。風邪でも引いたの?」
「やだなぁさとり様、そんなわけないじゃないですかぁ~」
ふにゃとして返事を返す件の"ヤタガラス"こと、『霊烏路 空』と、そばで読書をしていた『古明地 さとり』。
余談ではあるが、この二人がよもや地上でお空について話されており、ましてやお空自身が引き金で一柱の神が頭陀袋にされているなど知るよしもないのであった。
「捕捉しておくが、地獄にすむのは"八咫『烏』"で、高天原の神鳥の方は"八咫『鴉』"であるからな」
「誰に向かって言っているんですか当代…。あとそれ、単なる表記違いではありませんか?ほぼ同種ですし」
そんな会話もまた、余談である。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
ヤタガラスについては作者の完全完璧なるちっちゃいこだわりです。えぇ、こだわりです。(大事なこと(ry
捕捉ですが、幻想入りした際に刻縁の肩に留まっていたのが八咫鴉で、名前がそのまんま「八咫(ヤタ)」だそうです。
そもそもは小鳥の時に親を無くした鴉を刻縁が拾い、寿命の終わるときまで育てていたのが出会いの始まりです。現在では親友とも言える間柄だそうで。
次回更新は 7/3の23:30を予定しております。
頑張って書き上げるぞぅ!(白目