『今度は、俺が助けるよ』
色を得たはずの私の世界から色が失われました。先輩は私にしか、英霊としての力を持つ私にしかできない事だといい、ご自身は最後の戦いへと向かいました。私が逃げる時間を稼ぐ為に。
きっと悔しかったはずです。苦しかったはずです。何せ先輩はそういうお人だから。最後の最後までこの選択を悔やんでおられました。それでもどうにもならなくて、その時が来てしまった時、先輩は覚悟を決めた顔をして今にも泣き出しそうな辛いのは先輩の筈なのに苦しいのは先輩の筈なのに、ごめんね。そう言いながら私に過去、それも全ての元凶に関わっているとされるマリスビリー・アニムスフィアが本格的な活動を始める2000年へとレイシフトを行う決断をなされました。
「フォウさん……ダメですよ私はこれから最終オーダーで2000年へのレイシフトを行うのです。フォウさんは先輩の傍で先輩を助けて上げてください」
『フォウ……フォウ!』
この、最終オーダーはアトラス院から持ち出された厳密には少し違うようなのですが、意味消失を防ぐという耳飾りがある限り私はノウム・カルデアからの支援がなくとも活動自体は可能になります。あいにくあったのが一つしか無かったのでレイシフト先でも活動できるであろう英霊の力を持つ私にしかできないということになりました。
えーと。ここをこうして、あとはオートモードで処理してくれそうですね。
そうして私はノウム・カルデアにあるコフィンの中に。失敗は許されません。この作戦は先輩もおらず、職員の皆さんもだれもいません。私一人で戦わないといけないのです。
[システム……西暦2000年……ザー]
ここは……? もしやレイシフトが失敗したのでしょうか……。いえ、そのはずは……。というか……ここはカルデア? それも目の前にいるのはマリスビリー前所長。視線が低い……。
[カルデア召喚英霊第二号融合術式……成功しました! ]
融合術式? 英霊第二号? それはもしやギャラハッドさんと私の融合術式実験……? だとしたら私はどこに……。それに成功とは?
周囲を見回す私は実験室の隅にある鏡に写る幼い頃の自分が写っていることの意味を理解し、私が今どういう事態にあるのか何となく理解をしました。しかし、極度に混乱した私は何もすることは出来ずただ沈黙することしかできませんでした。
[対象沈黙。器のマシュ・キリエライトのバイタルは安定。]
『……。実験は成功。デミ・サーヴァントマシュ・キリエライト、意識があるなら霊衣を解きなさい』
マリスビリー前所長はそう言うと結果に満足したのかそうそうに去っていきました。私はこの時代の自分の存在に改めて気が付き、私は身体の主導権をこの時代の私に返します。
すると、この時代の私は限界だったのか意識を失い倒れてしまいました。意識体の私が認識できたのは、倒れゆく私を助けるべく駆けつける職員の方々の姿だけでした。
許して…妄想だから…許して