漂流者マシュ・キリエライト   作:梛木

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前回の漂流者マシュ・キリエライト
ヘタレ(やぁ!)
私(生きてる!生きてる!)ヒシッ
幼い私(知り合いなのでしょうか?)
以上!


2011年

 幼い私との融合術式が行われてから一年が経ちました。私が過去に来てから一年経ったとも言えます。この一年私が知り得る事ができた情報は殆どないと言っても過言ではなく、一年を不意にしてしまったという焦燥感が私の中で生まれ初めていました。

 

 

 この一年の中で幼い私(そろそろ何らかの呼び方を考えなくては……)は、ドクターロマンとの診察に加えドクターロマンからの教養を身につける勉強や、レフ・ライノールからの基礎的な魔術の指導を受け始めていました。

 私とも積極的に会話(念話)を重ねて私という存在を理解しようとしているのが伝わって来ました。その中で私が話をしたのは七つの特異点に纏わる冒険のお話です。勿論特異点ということ、英霊、といった要素は伝えないお話をしていました。

 

 一つ目の冒険は、魔女と聖女とのお話。

 二つ目の冒険は、偉大なる皇帝と共に戦ったお話。

 三つ目の冒険は、世界をまたに駆けた海賊と共に大いなる海を駆け回ったお話。

 四つ目の冒険は、霧の都を騎士と共に駆け抜けるお話。

 五つ目の冒険は、天使と共に戦場を駆け巡るお話。

 六つ目の冒険は、女神の聖都を守護する騎士達と争うお話。

 七つ目の冒険は、賢王の元で悪さをする神を懲らしめるお話。

 

 その冒険の中で私の傍らには必ず大切な先輩がいたということもお話しました。その人と助け合いながら戦ってきた冒険だとも。きっとこの話はカルデアの所長マリスビリー所長の元へと幼い私からドクターロマンか誰かを通じて伝わるのでしょう。そして、何らかの接触があれば何かのきっかけになればとレフ・ライノールになにか怪しまれる可能性がありながらも私は賭けにでました。

 

 

(シールダーさん。本日はレフ教授からの魔術指導と定期検査の予定になっています。わたし、魔術の勉強はとても好きなので楽しみです)

 

 

「はい、キリエライトさんでは、魔術の時間にも備えて素早く検査を終えなくてはですね」

 

 

(はい!)

 

 

 

 

 11歳になった幼い私は、果たして今の私がこの年齢の頃のこのように感情豊かな性格をしていたでしょうかと疑問が尽きず。その原因と呼べそうなのが私という本来はいない存在の影響なのだと、そしてそのいないはずの存在によってこれ程までに影響が出るものなのかと。私は私がギャラハッドさんの代わりに私と融合したことによる影響が恐ろしくてたまらなく、焦燥感や恐ろしさといった感情に常に苛まれる様になってしまいました。

 

 

 何せ、こうなった原因も理由も何一つ私は知ることが出来ていないのです。その上この一年出来たことは多くなく、世界を取り戻さないといけないという焦りが私をどんどんと私では無い存在へとつくり変えていく様な感覚を与えてきました。

 

先輩……私は、どうしたらいいのでしょうか……。

 

 

 

 




意識体という存在であることが、何よりの枷となり、何も出来ずにいる時間が焦りという真縄になってあなたの首をゆっくりと締めていく。
行き着く先は…。
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