漂流者マシュ・キリエライト   作:梛木

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(シールダーさんは、どちらの英雄なのですか?)

 

 

 以前お聞きした、七つの冒険それに該当する様な英雄はお聞きしたこともありません。せいぜいが、アラビアンナイトにあるシンドバッド……しかしシンドバッドの冒険もシールダーさんの冒険とはどれもが合致しません。

 

「……。サーヴァントは過去未来あらゆる可能性から呼び出される存在です」

 

 

(……そうですか)

 

 

 今の私が答えることのできる最大です。私はどうしたらいいか分からない。私は先輩のサーヴァントで、先輩とこれからを生きる世界を救う為にレイシフトをして、先輩は……。分からない。本来は2000年に来るはずだったのに、それさえも出来ず……。

 

 

「……ただ、私は先輩の為にがむしゃらに駆け抜けただけです。私は戦いが怖い……それでも、先輩はいつでも支えてくれました。今このときを生きて悔いはないと私は……」

 

 

 

(先輩……。日本において学校や会社などにおいて、その組織に先に加入したものを指す言葉でしたよね)

 

 

 

「ええ。そうですね。先輩は私にとっての初めての先輩で」

 

 

 

 幼い私は、しばらく考え込む様子をしてから何か合点がいったのかこちらに顔をあげて微笑んだ。

 

(なら、私の先輩はあなたですねシールダーさん。私にとっての先輩はあなたです)

 

 

 

「なにを……」

 

 

 

(私にとっての初めての他人にして、家族と呼べる人。それはもう先輩と呼んでも相違ないのではと考えまして)

 

 

「……」

 

 

 

(あ、でも家族とも呼べる人に向かってシールダーなんてクラス名で呼んでいては失礼ですかね?)

 

 

 

 幼い私がよく分からないことを言っている。

やめろ

 家族? 先輩? 

それ以上考えるな

 果たして幼い頃私はこんな感じの人間だっただろうか……

そんなわけない。何故ならこの世界にはかの高潔な英霊がおらず、私がここにいるせいだ。

 

(……。……さん? ……ダーさん? シールダーさん!)

 

 

 

「は、はい」

 

 

(あの、気を悪くしてしまったのなら申し訳ありません。ただ、わたしにとってシールダーさんは大切な人なので、その特別になりたくて)

 

 

 

 なぜ、私は……。

 

 

 

『マシュ、定期検査の時間だよ』

 

 

 幼いわたしの前に現れたのは、定期検査にきたドクターでした。

 

 

『は、はい。お願いしますね』

 

 

 

 ドクターはテキパキと検査書類を広げていつものように問診を始めました。幼い私もドクターとにこやかに他愛ない会話を交えながら問診をしていきます。

 

 

 

『ドクター……私、大切な人を困らせてしまったのかも知れません』

 

 

『……』

 

 

『私にとっては家族の様な大切な人になったとしてもその人は、私からそう思われても困るのでしょうか』

 

 

 ━━━━━━━━━━━━━━━そんなことは!! 

 

 

 わたしが声をあげるよりも早くドクターは幼い私の問いに答えました。

 

『マシュにとってその人は家族同然に思える程絆を深めたんだ。それを困るって言うのは少し違うんじゃないかな。多分だけどどう接してあげたらいいか分からないのかも知れないよ』

 

 

 

『どう接したらいいか……』

 

 

 

『そう、みんな色々なものを抱えながら生きてる。それは英雄であろうと神であろうと人であろうと変わらない事さ』

 

 

 

『はい、ありがとうございました。ドクター、私その人を待とうと思います』

 

 

 

 わたしはこんなに弱かったでしょうか……。幼い私は分かっているはずだ。今の話が当然ながらわたしに聞かれているということを。わかった上で、ドクターに相談をしたという事はわたしにも聞いて欲しかったそういう意味なのでしょうね。

 

 

 

 




期間が空いてしまい申し訳ありません。
ゆるして…ゆるして…
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