漂流者マシュ・キリエライト   作:梛木

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変わることが出来ないわたしには、中途半端な事しか出来なくて、だから中途半端な結果しか帰ってこない。


マシュ・キリエライト

 

マリスビリー所長が自殺したという情報を聞いたのはマリスビリー所長が自殺した数日後の話でした。死因は拳銃による頭部の銃撃。職員達はマリスビリー所長が何故自殺したのか?本当に自殺したのか?という話題で持ち切りでした。

 

 

何も出来なかった。未来を変えるために過去に来たのに何もすることが出来なかった。わたしに襲ったのは無力感でした。新所長としてマリスビリー所長の娘のオルガマリー所長が来るまでそう時間もないでしょう。そして、そこから数年で先輩が来る。グランドオーダーが始まり7つの特異点を巡る人理修復、カルデアスの凍結から始まる世界を取り戻すロストベルトとの戦い。

 

 

せめて、何かわたしたちとは違う未来を世界を手が届かなかった場所で手を届かせる様に。正体を明かすことも出来ずいるわたしが決意した新しい使命でした。

 

 

 

2013年

 

マリスビリー所長の跡継ぎとして来たオルガマリー所長は、とても余裕が無いように見え、何かを恐れ焦っているようにも見えました。

職員とも上手くいっていない様で、ヒステリックになってはレフ・ライノールが宥めるというのが新たなカルデアの日常になり始めました。

 

 

 

クリプターの方々は、多くはあまりオルガマリー所長と関わろうとしないのか対応はとても事務的にも見えました。ただ、キリシュタリアさんだけはオルガマリー所長を気にしているのかどことなく心配している様な雰囲気を感じました。1番の例外はペペロンチーノ、ぺぺさんだけでした。あの方は所長とクリプターとの間の関係を良いものとして維持しようとしているのか時折談笑していることもありました。

最もそれは所長が比較的安定している時のみでそれ以外の時はやはりどこか事務的でした。

 

 

この1年で変わったことは幼い私、いえマシュがマスター候補としての勉強や訓練を始めてあっという間にAチームの首席になったことでしょうか。デミ・サーヴァントとはいえ人間でもあるマシュをそのままにしておくつもりが無かったのかオルガマリー所長はマシュをマスターとしても使うつもりのようでした。

 

 

『マシュ、これからオフェリアと女子会するけど来ないかしら?』

 

 

『ぺぺさん!はい、是非お願いします!』

 

 

『ふふっ、元気な事はいい事よー。今日もいつもの部屋で待ってるわね』

 

 

マシュは以前より外との関わりを持つようになってからわたしに声をかける事も少なくなりました。喜ばしい一面、わたしの中でモヤモヤとした感情が渦巻くようになりました。

 

 

 

結局の所わたしはマシュへと正体を明かさずにいました。これはわたしの弱さであり、決心がつかずにいることでもあります。

しかし、その代わりに特異点での話をぼかしながらもすることでいつか来るその時に少しでも役立つ様にと伝えていました。

 

 

 

 

 




この物語は、後数話で終わりに向かいます。
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