奴隷騎士は再び魔剣を握る   作:青い灰

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前回の「4つの国」についてですが
国は5つに変更しました。

後書きに捕捉&質問についてあります。
質問がある方は感想付きだと嬉しくなって
モチベ上がります。
あればで良いのでドシドシお願いします。




違和感

 

 

俺はルシアと共に町へ出る。

どうやら5年の間で少し賑やかになったようで、

5年前は希だった別種族たちの姿を

所々で見られるようになっていた。

 

大きな噴水広場で

俺はそれを眺めていた。

 

 

「賑やかだな」

 

「えぇ、件の事件から5年。

 黒と白の最強騎士の片割れが消えたから

 他の種族に攻めいられないように、って

 人間のお姫様が頑張ったらしいわよ?」

 

「へぇ、ご苦労なことだな」

 

「えぇ、今では国交反勢力も無くなったらしいわ。

 そのお陰もあって国同士の仲は良好。

 で、今に至る………ってワケよ。

 さて、そろそろ感傷に浸るのは

 終わりにしてもらっていいかしら?」

 

「悪いな、町の様子を見たくて我儘を言って」

 

「構わないわ。

 明日は国を出るから、楽しんでおいて」

 

 

これからの計画を聞くと、

国で旅の準備を整えてからは魔族領に行くらしい。

魔族領は大陸の中央にあるここから

ずっと西に行くことになる。

 

まずは武器。

国領内とはいえ、町から出れば

そこからは死の危険すらある魔物が出没する。

騎士として剣の一本は欲しい。

というわけで俺たちは武器屋へ向かう。

 

 

「長剣ならなんでも良いのかしら?」

 

「あぁ。一番手に馴染むのは

 宝剣だったが無いものは仕方ない」

 

「流石に黒雷の魔剣はね………

 まぁそのうち探してあげるわ、

 貴方以外に振るえない剣なんでしょう?」

 

「助かる。無理に他人が握ると最悪死ぬからな」

 

 

人が無駄に死ぬのがあの剣の悪い所だ。

俺の魔剣や白騎士の聖剣は主を選ぶと言う。

事実、あの魔剣を盗もうとした輩は黒雷に

焼かれて昏睡に陥ったと聞いたが………

今は目覚めたのだろうか。

 

 

「確か白騎士の剣も聖剣よね」

 

「あぁ、白騎士が持っていた聖剣か……懐かしいな」

 

 

そんなことを話しながら武器屋へと向かう。

しかし、やはり認識阻害は凄い。

道行く人々はこちらを気にする様子もなく、

明らかに怪しい黒フードのルシアも

気付かずに素通りされている。

 

それに俺の赤髪は大陸では珍しく、

かなり眼を引くようなので助かっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ねぇ、本当にそれで良いの?」

 

「斬れれば十分だ。

 魔力を流せればなお良し」

 

 

俺が選んだのはただの無銘の長剣だった。

店主に鞘まで貰えた。

それを武器屋の訓練用の中庭で

軽く振り、久しぶりの感触を楽しむ。

だがルシアはどこか心配そうだ。

 

 

「まだ良いのはあると思うわよ?」

 

「いや、これで良い。

 軽く魔力を流せば竜鱗くらいなら斬れる」

 

「まぁセトがそう言うなら構わないけど……」

 

 

言った通り、軽く魔力を流してみる。

しかし………久しぶりに名前呼びをされた。

牢にいるときは番号だったせいか

少し新鮮な感じすらする。

 

そのまま魔力を剣に流していくと、

剣が淡く青い光を放つ。

そのままの状態を維持しながら剣を上段、

顔の横に持ち上げ、その切っ先を前へ向ける。

 

 

「ふ────っ!」

 

 

呼気と共に右上からの袈裟、

即座に右足を踏み込んで

左から2連目の水平斬りを放つ。

同時に剣が纏っていた光が横一文字の

飛ぶ斬撃となって飛翔、

数m離れていた的へ直撃して爆発し的を塵にする。

 

 

「ん、少し振るのが遅くなったか。

 毎日1000回は振って……

 ざっと1年は振り続ければ昔の速度には戻るかな」

 

「──────私、どうツッコめばいいの?」

 

 

一般的に飛ぶ斬撃(ただの魔力飛ばし)は

認知度が低かったため不意打ちとしては有効だが、

この剣では連続して撃てないし

威力も最低レベル、そのうち壊れるだろう。

そもそも俺自身の魔力保有量が

多くはないから燃費は良いが、

やはりあの魔剣に頼りきりだったのが悪かったか。

 

 

「だが良かった、誤差の範囲内か」

 

「…………え、セト。貴方、誤差って言ったの?」

 

「? そうだが……どうかしたか?」

 

 

眼を丸くした彼女が聞いてくる。

なにか失敗しただろうか。

それとも言葉がおかしかっただろうか?

聞き返すと彼女は慌てたように取り繕って笑う。

 

 

「い、いや、なんでも、ないわよ?うん」

 

「?」

 

 

取り敢えず、こうして俺は5年振りに

再び剣を握ることが出来たのだった。

 

 

 





~捕捉&質問~

Q.飛ぶ斬撃なんて正々堂々の騎士道に反してる
A.そもそも異世界騎士に常識なんぞ
 通用するはずがないのでご安心ください。

Q.主人公復讐しないの?
A.主人公が復讐に燃えない点については
 実は展開的なネタバレになるんです。
 ですが納得いかない方へ1つだけヒントを。
 『主人公は現在、とても精神が安定しています』

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