今、俺はシミュレーターで大量のゾヴォーク機と戦っている。もちろんシャナ=ミアのサポート無しでだ。
最新鋭のシミュレーターで、普段使っているラフトクランズのデータが忠実に再現されている。よってサブパイロットが居ないことによる命中率の悪さもそのまま反映されている。
「流石にちょっとキツイって!」
こんなことをされている理由はわかる。万が一の事を防ぐには俺自身がもっと動けるようになるのが一番だからだろう。
「あっ!」
派手に被弾してそのまま追撃を受ける。それてそのまま画面がブラックアウトする。
準騎士「ふむ…」
「えっなにこれ…イジメ?」
準騎士「アル=ヴァン様の指示だ」
つまりイジメじゃないですか。サブパイロットが皇女なのは自分でもどうかと思うけどさあ。
「やはり地球人はこんなものかとか言っちゃう系?」
準騎士「その辺の者と一緒にするな。それに今のは準騎士でも攻略できるのは僅かしかいない」
ちょっと良いやつみたいだ。スパルタなのが気になるが。
準騎士「休憩が終わったら新型のテストだ」
「はあーい」
ちなみにこのシミュレーターは設定さえすればどんな機体でも出せるし、人同士による対戦も出来る。故に設計図だけの機体を動かすことも容易だ。
そして休憩後、俺が乗せられたのは…
「これ…サイトロン・コントロール対応してたっけ?」
ベルゼルート・ブリガンディだ。…というかこれ新型だっけ?
準騎士『…聞いてないのか?テニア用に調整されたベルゼルートが配備されるのだ』
…そういえばシャナ=ミア様を戦場に出すのはどうとか言われていた気がする。
「えっ、これを1人で動かせって?カルヴィナでも2人乗りなのに!?」
準騎士『テニアならデータ上は1人でも問題なく動かせるのだが…』
そんな話をしているとゾヴォーク機が転移してくる。
まだ慣らし終わってないぞこの野郎。
一通り終わったのか転移して来なくなる。
準騎士『…よし、今日はここまでで…』
???『やっほー!はじめまして!お疲れぇ!』
誰かの声がシミュレーターに響いた気がする…これはもしかして…
準騎士『な、なんだ!?』
「テニア!?」
テニア『どう?驚いた?』
「にへー」って笑っている顔をしているのが目に浮かぶ。
この世界じゃまだ死人と会話できる技術はなかったはずだ。
テニア『まだ死んでないんだなぁ、これがね』
心を読まれて…いや、心の中にいるのか?
「準騎士さん?ちょっとプライベートな話をするから席を外してくれると嬉しいなぁ」
とりあえず2人きり…2人でいいのか?この場合は。
準騎士『あ、ああ…』
圧倒されているようで素直に引いてくれた。変な騒ぎになっても困るから何か手を打たなければ…
テニア『正解ー、もしかして今まで気付いてなかった?』
薄々と気づいていたが…というか一瞬だけ出てきたことなかったっけ?
…待てよ?心を読まれているということは色々とマズイ情報を知っているはず…
テニア『大丈夫大丈夫ー、黙っているから』
というか、これはどういう原理なんだ?
テニア『お姉ちゃんは寝てて聞いてないと思うけど、サイトロン・システムの応用で私と会話できるようにならないかって話があったんだー』
マジか…それをシミュレーターに積んだということか。
それよりお姉ちゃんって…。
テニア『私にとってお姉ちゃんはお姉ちゃんなの!悪い!?』
いや悪くないけど…
そんなことより目の前に何かいるんだが。
「もう1機のベルゼルート…カルヴィナ?」
カルヴィナ『…もう独り言は終わったかしら?』
メルア『こちらはいつでも大丈夫ですよ!』
なにその早く戦え、みたいな態度は…
「えっ?」
カルヴィナ『えっ?』
メルア『えっ?』
テニア『えっ?』
何これ、俺が悪いのか!?
「いや、流石にそっちだけ2人はズルくない?」
テニア『私もいるから2対2だね!このベルゼルート・ブリガンディ2号機はそういうコンセプトだし』
カルヴィナ『そういうこと。さあ勝負なさい!』
まあ、断る理由もないから受ける。
後ろからサブモニターが起動する音が聞こえる。いやなんで最初からそうしてくれなかったんだ…妙に操作しにくいと思ったらそういうことか。
~(ベルゼルート・ブリガンディ2号機 オルゴン・バスター・キャノン)
「同型機…ならば!」
「テニア!バスターアーマーをパージ!」
テニア『了解!ダブルBフォーム!サイトロン・コントロール!』
「バスカーモード!」
テニア『アーマー・ビット!いけぇ!』
「そっちは牽制だ、連射モード!」
テニア『次はこっちだよ!オルゴン・バスター・キャノン!』
「よし!今だ!!」
「『オルゴン・マテリアライゼーション!!』」
「アブソリュート、行けぇぇぇ!!」
『砕けろぉぉぉ!!』
~
SP02話「Powerful Eater」
勝利条件
カルヴィナの撃破
敗北条件
テニアの撃墜
SPポイント獲得条件
無し。
カルヴィナ『くっ!ここまでか!』
テニア『やったね、お姉ちゃん!』
そのお姉ちゃんってのはなんとかならないのか…こんな妹がいたら…
テニア『また変なこと考えてる…』
「ああもう…お疲れ!おやすみ!」
調子が狂うからシミュレーターを終了させて外に出る。ここなら口出し出来まい。
「にひひ♪」
テニアと話せて楽しかったから思わず声が出てしまう。
カルヴィナ「独り言の後はそれか…怖いわね」
メルア「どんな独り言だったんですか?」
カルヴィナ「内緒よ」
興味津々なメルアをカルヴィナがバッサリと切る。