テニアになって好き放題暴れる   作:ルサー

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SP06話「真相」

今、俺はガウ=ラのある場所を目指して歩いている。護衛も今日は大丈夫だと言われてしまったし。

急に休みを貰っても特にやることがない…いや、無いわけではないが1人だと不安だから出来ない。

 

トーヤ「それでなんで俺なんだ…」

 

という事で同じく暇そうにしていたトーヤを捕まえた。テニアが捕まっていた、あの場所。

既に2回は赴いているが、テニアを使ってしていたという人体実験の跡はまだ見つからない。

 

「いざとなったら守ってくれそうだし?」

 

トーヤ「そんなに怖いのか?」

 

「まぁ…ちょっと、ね」

 

ちょっとの騒ぎじゃないのだが。この辺は地図と実際の部屋の位置が違うこともあり、曰く付きの場所なのだ。

 

トーヤ「もう何回か来てるんだろ?それで見つからないんだったら、別の場所から運ばれたとかじゃないのか?」

 

それだと2人じゃ探しようがない。何せガウ=ラは広すぎるし、既に実験部屋が無くなっている可能性の方が高い。

 

「着いた…この部屋だよ」

 

あの薄暗い部屋だ。嫌な記憶も甦るが、ガウ=ラに住むのだったらこの辺ははっきりとしておきたい。

ある日突然、情報隠蔽のために殺されましたとかシャレにならない。

 

トーヤ「何もないな…」

 

「あれ…?」

 

ふと見ると俺が拘束されていた台の位置が少し変わっている気がする。これはまさか…。

 

「これ、動かせないかな…?」

 

もしやと思うが隠し通路でもあるんじゃないだろうか。

2人でなんとか押すことが出来て、台があった場所に地下室への入り口があった。

 

「トーヤ…!!」

 

恐怖心が沸いてきてマトモに立っていられなくなる。そして思わずトーヤに抱きつく。

 

トーヤ「ここは俺達じゃ危険だ、アル=ヴァンさんかカルヴィナさんを…」

 

その時、カツカツと足音が聞こえる。それも4人か5人は居るような音だ。

武器になるものは持ってきているが、こんな状態では戦えないだろう。そうでなくても数が違うのだから不利だろう。

 

トーヤ「…入るぞ、ここじゃ囲まれて終わりだ」

 

どうすればいいかわからず、トーヤの指示に従う。

地下室は比較的広い場所で、所々に怪しげな機械が何個も置いてある。

 

トーヤ「これは…!」

 

トーヤが無造作に置いてあった紙を拾って見ている。テニアは知っているのだろう、涙が止まらなくなって感情のコントロールが出来なくなる。

次第に足音が大きくなる。

 

トーヤ「くっそおぉぉぉ!テニアもメルアもカティアも、シャナ=ミアも!

皆守るって決めたんだ!!こんなところで終わってたまるかよ!!!」

 

そしてトーヤが銃を向けた先は…

 

アル=ヴァン「…トーヤか、落ち着け。私だ」

 

トーヤ「アル=ヴァンさん…!?」

 

「…違う。油断したところで殺す気なんだ…!」

 

トーヤ「テ、テニア!?落ち着け!」

 

テニアが大粒の涙を流しながらアル=ヴァンに銃を構える。

このままじゃ本当に撃ちかねない。とはいえアル=ヴァンが本物だという確証もないからテニアを取り押さえるわけにもいかず、動けない。

 

???「テニア!!」

 

「…ッ!!」

 

アル=ヴァンの背後から聞きなれた声が聞こえる。明らかに動揺していているのか銃を持つ手が震えている。

 

それを見たアル=ヴァンがニヤリと笑った。

 

トーヤ「テニア!逃げるぞ!!」

 

「えっ…!?」

 

テニアの手を握って更に奥へと向かう。もし本物だったら申し訳ないが、少し怪しかったから逃げた、それだけだ。

 

トーヤ「さて、どうしたものか…」

 

どう考えても数は向こうの方が多い。俺達が使った出入口は待ち伏せされているだろう。

別の出口を探すか強行突破か…それとも…。

 

テニアは戦場の女神とまで呼ばれている程の知識を持っている。殺しはしないだろうが…それでも手放したくない。

ならやることは1つだ。

 

トーヤ「やれるな、テニア?」

 

「どうする気…?」

 

時々テニアは誰かの感情に引っ張られることがあるという。悲しくないのに悲しくなったり…さっきのもそうだろう。

今は治まっているのか比較的大人しい。

 

トーヤ「強行突破だ」

 

「わかった、トー…」

 

何だ?外が騒がしい。誰か来たのか?

それなら好都合だ、混乱している隙に脱出してしまおう。

 

アル=ヴァン「くっ…もう嗅ぎ付けられたか…!」

 

カルヴィナ「大人しくしろ!ソ=デスの犬共が!!」

 

準騎士「テニア!トーヤ!無事か!?」

 

あの準騎士さんは…シミュレーターに付き合ってもらった少しスパルタ気味だけど優しいあの人だ。

 

「大丈夫!」

 

シャナ=ミア「テニア…あの者達は偽物です!援護を!」

 

もう答えは出ているも同然だが、一応揺さぶりをかけてみる。

 

「よく見たらあのシャナ=ミアの胸、ほんの少しだけ大きい気がする。背も高いような気がするし…」

 

シャナ=ミア「なっ…、えっ!?そういう関係なの!?」

 

んなわけないでしょう。

適当に言っただけだが当たったようだ。

 

「カルヴィナ達を援護しつつ後退!」

 

トーヤ「それでいいのか!?」

 

もう何とでも言え、このムッツリスケベめ。

 

シャナ=ミア?「この紛い物がァ!」

 

シャナ=ミアもどきが隠し持っていた銃をこちらに向け、そのまま引き金を引いた。

トーヤが勢いよく俺を突き飛ばして…

トーヤ「ぐぅぅっ…!」

 

「トーヤ!…こんのぉぉ!!」

 

即座にシャナ=ミアもどきの手を狙って撃つ。反動で逸れたが銃に当たったようで、シャナ=ミアの手にあった銃が飛んでいく。そして…

 

(ガウ=ラ 医務室)

 

「トーヤ!」

 

トーヤ「…傷は深くないって言ってたろ、もう大丈夫だ」

 

少し肌をかすった程度だという。そのため見た目ほど傷は深くないのだと言われた。

 

トーヤ「それに言ったろ?何があっても守るって…」

 

「だからって…でも、ありがと…」

 

下手したら本当に死んでいた。トーヤだけでなくカルヴィナ達にもお礼を言わなくては。

 

トーヤ「テニア…」

 

「きゃっ、何…?」

 

トーヤがいきなり抱きついてきて、そして何かを耳元で囁いた。

そしてまた感情のコントロールが効かなくなってボロボロと泣いてしまう。

 

「あう…トーヤ……トーヤぁ……」

 

カルヴィナ「…これ、どういう状況?」

 

「ちょっと…色々…ひぐっ…あって…」

 

色々で説明するには無理がある気がするが、上手く説明できない。

トーヤが軽い怪我をしてベッドに寝かせられていて、その上で上半身を起こしてテニアに抱きついていて、そのテニアは泣きじゃくっている。

抱きついているのはおそらく、体に力が入らないからだろう。それでも事案待ったなしだが。

 

トーヤ「あの、メルア達には…」

 

カルヴィナ「言わないでおいてあげるわ」

 

怪我の事で皆に余計な心配をかけたくないのだろう。

というかこれ、多分だけど話が噛み合ってないんじゃないか?

 

カルヴィナ「なんであれ、それ以上やるなら自室に帰って欲しいわね」

 

「とぉぉやぁぁ…うぅっ…わたし…ひぐっ…」

 

トーヤ「じ、じゃあそうさせてもらいます…」

 

カルヴィナ「1つ言っておくけど、女を泣かせたら責任取りなさいよ?」

 

俺を女として扱っていいのかは微妙なところではあるが。

それにしても涙は止まらないし、口は勝手に開いて変なこと言ってるし、2人きりになるのは賛成だ。

盛大に勘違いされていることについてはどうしようもないが…。

 

トーヤ「は、はぁ…」

 

これは後で聞いた話なのだが、彼らはソ=デスの部下でテニアを殺せる機会をずっと伺っていたらしい。テニアだけを狙っていた理由は教えてくれなかったが、敵討ちかそれとも…

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