(ガウ=ラ 自室(テニア))
トーヤ「…落ち着いたか?」
テニア「うん…あんなこと言われるの初めてで…嬉しくって…」
何でもいいのだが、イチャイチャするなら俺が寝ているときにしてほしい。
元々はテニアの体だから好きにやらせてやれと言われたらそこまでなのだが。
テニアが体を動かせるようになったのはよくわからない。恋の力とでもいうのか?
テニア「お姉ちゃんうるさい。少しくらい良いじゃん」
トーヤ「お姉ちゃん…?」
テニア「ごめんごめん、こっちの話ー」
相変わらずこっちの考えは向こうに筒抜け…ちょっとセコくない?
トーヤ「ええと…一度会ったことあるよな?」
テニア「うん!」
トーヤ「いつから入れ替わってたんだ…?全然気付かなかったぞ…」
テニア「バカ…」
トーヤ「えっ?」
このタイミングで戻るんじゃない。滅茶苦茶気まずいだろうが。
俺がテニアっぽく振る舞っているから違いがわからないのも無理はないが。
「ごめんちょっと泣き疲れたみたい…」
トーヤ「寝ていた方が良いんじゃないか?」
困惑しているトーヤは無視して布団に潜り込む。
「そうだね…そうさせてもらうよ」
ひょこと顔だけ出して呟く。
「…妹に手を出すなら、幸せにしてよね」
トーヤ「妹?あ、もしかして今は姉さんの方か?」
自分でもわかるくらい面倒なやつだ、俺達。なりたくてなったわけじゃないが。
「うん。トーヤもゆっくり休んでね?」
トーヤ「ああ。そうさせてもらうよ」
「待って、私を1人にしないで…!」
トーヤが出ていこうとした時、咄嗟に叫んでいた。今1人にされたらヤバイ気がする。またテニアが荒れたら俺じゃ対処のしようがないし。
(ガウ=ラ 格納庫)
カルヴィナ「こっちは大体片付いたわ」
アル=ヴァン「こちらもだ。大丈夫だったか?カリン」
カルヴィナ「当然よ、アリー」
メルア「テニアちゃんは?さっきから姿が見えないですけど」
カルヴィナ「…寝てるんじゃないかしら?」
カティア「トーヤも見てないわね…」
カルヴィナ(トーヤは怪我をしてテニアは精神的にやられた、なんて言えないわね)
アル=ヴァン「無事だ。私の部下が目撃している」
メルア「良かった…」
カティア「でもなんで、今になって私達を狙ったんでしょうか?」
カルヴィナ(テニア達がパンドラの箱を開けたからとは言えないわね)
アル=ヴァン「そのことなのだが…」
(ガウ=ラ ミーティングルーム)
トーヤ「すみません、遅れました」
俺とトーヤは呼び出しを貰っていたのだが、寝ていて反応が遅れてしまったらしい。
カルヴィナ「えっと…もう、そういう関係?」
カルヴィナの疑問はもっともだろう。
何故ならトーヤが俺…テニアを羽交い締めしながら来たのだから。
メルア「トーヤさん…幸せにしてあげてね」
トーヤ「待って本当に誤解なんですって!?」
「まだそんなんじゃないって」
羽交い締めにしながら歩いていたら付き合ってる事になるってこいつらの頭どうなってるんだ。
カティア「まだ…?」
テニアが起きたら暴れだしたらしく、俺が気づいたときにはもうこうなっていた。変な夢を見たからそれのせいだろうか。
シャナ=ミア「テニア…?」
「また暴れちゃうかもしれないよ?」
にひひと悪戯っぽく笑ってみる。
トーヤ「勘弁してくれ…」
カルヴィナ「もうあなた達はそのままでいいから、話を聞きなさい」
どう受け取ったのかわからないが、面倒そうに話を強引に進めた。
アル=ヴァンから隠されていた研究所についての事が語られた。
フューリーの中でもごく一部の者しか知らないこと、テニア以外にも被害者がいること、そして…
アル=ヴァン「サイトロン受容器…洗脳だと脳波に影響を与えることがわかっていた。だから…」
「だからテニアの人格を壊して、別の人格を植えようとしたんでしょ?両方とも中途半端だったけど」
前者は本体に影響を与えることが出来るし、後者は…どう間違えたらこうなるんだ。
メルア「ひどい…!」
カティア「私達を何だと思ってるのかしら…!」
シャナ=ミア「……」
アル=ヴァン「シャナ=ミア様…」
皆思うことはあるだろう。だけど…
「私達はこうして無事だし、皆もいる。計画は上がごっそり入れ替わったことで潰えたし、これでいいじゃん!以上!終わり!」
トーヤ「それでいいのか…?テニアが良いんだったらいいけどさ」
だってもう終わったことだし、過去は変えられないんだからさ。
シャナ=ミア「そうですね…」
カティア「テニアらしい雑な意見ね…」
メルア「ところで…テニアちゃんって2人いるのよね?それぞれ何て呼べばいいの?」
あれ、誰から聞いたんだ?まだカルヴィナとトーヤ、ベルゼルート関係者くらいしか知らないはずだけど…
「…姉と妹?」
カティア「ということは、今はお姉さんなのね?」
「そうだけど、なんでそれを?」
もしかしてベルゼルートのテスト飛行の時の録音データか?資料として保存するとか言ってたし見ていてもおかしくはないが…
メルア「内緒です」