『助…て……助け………助けて……助けて!!』
誰かの声が聞こえる…。もう少しこの夢を知りたかったが、目が覚めてしまう。
アル=ヴァン「大丈夫か?」
カルヴィナ「ずいぶんとうなされていたけど、平気?」
「え…ここは…?」
知らない天井だ。3人に見守られていたみたいで心配そうに見つめてくる。
変な寝言を言ったりしてないだろうか。
メルア「ラー・カイラムの医務室よ、テニアちゃん」
「あ、そっか…疲れて寝ちゃってたんだ…」
落ち着いて先程の夢も含めて整理する。
…流石にテニアが知らない情報を出しすぎたか?特にカロ=ランとエイテルムなんてトーヤですら中盤になって初めて知るはずだし。
アル=ヴァン「地上にいたナデシコB隊がグランティードを発見したとの報告があった。エ=セルダ様の息子のトーヤとカティアも一緒だそうだ」
「そっか…」
寝起きのテニアにこんなことを言ってくるとは…やはり怪しまれているのだろうか。怪しまれて当然のことをしたから仕方ないのだが。
メルア「テニアちゃん…!」
呼ばれてふと見るとメルアが泣きそうな顔になっている。
「メルア…ごめん…」
メルア「テニアちゃんが無事ならいいの…」
果たしてこれは無事だと言えるのだろうか。俺の予想が正しければあの夢は…。
メルアに対する罪悪感でまっすぐその顔を見れない。
「皆…私に聞きたいこと、あるんでしょ?トーヤとカティアとも合流したら話すよ」
流石に限界だ。テニアの家族とも言える人達に隠すことなんて出来ない。
アル=ヴァン「了解した」
カルヴィナ「ええ」
メルア「うん…」
「第一戦闘配備、パイロットは………」
カルヴィナ「行ってくるわね、アリー。行くわよメルア」
メルア「は、はいっ!」
アル=ヴァン「ああ、深追いは厳禁だぞ」
カルヴィナ「わかってるわ」
わかっているんだろうけど…頭に血が登るとすぐに深追いするんだよね…
そんな俺の心配など気にするはずもなく出ていく。
「アル=ヴァンは行かないの?」
アル=ヴァン「ああ。住居区間に監視付きで居られることになっている。シャナ=ミア様も同様だ」
「私は?」
アル=ヴァン「…精密検査を受けるまで私と同様だ」
「疑われてるんだ…」
思わず口に出してしまう。まぁ普通に考えればスパイを疑うのは当然だろう。もしくは洗脳されているとか。
「ねぇ、ここでの検査はどんな感じだったの?」
アル=ヴァン「ただの疲れだそうだ」
ふと自分の体を触ってみるとまだ全裸だったが、手錠は外されているしベッドの近くに寝間着が置いてあった。有り難く使わせてもらおう。
テニアのあの服はフューリーで盗られていて荷物は襲撃に巻き込まれて無いと思うし、もしかしてあの服は着れないのだろうか。
2話「疑惑」
勝利条件
敵の全滅
敗北条件
味方戦艦の撃墜
SRポイント獲得条件
3ターン以内に敵を6機撃墜する
聞いたところ外ではザフト過激派残兵との戦闘が行われていたらしい。
~(ラー・カイラム 艦長室)
ルリ『未来予知…ですか?』
ブライト「もしくは既に情報を知っていたか、だが…」
ルリ『後者ならスパイや工作員の可能性もあるわけですね』
ブライト「ああ。だが、もしそうならわざわざ怪しまれるような事を言う必要はないだろう」
ルリ『…たった今、転移反応がありました。ボソンジャンプではありません』
ブライト「なるほどな…そちらの命運を祈る」
~(ラー・カイラム 食堂)
シャナ=ミア「……」
メルア「大丈夫ですか?顔色が…」
シャナ=ミア「ええ、テニアの事が気になって…」
カルヴィナ「フューリーのトップだったのでしょう?何か知らないわけ?」
シャナ=ミア「…全ての責は私にあります。皇女という立場でありながら何も出来なかった…知らなかったで済む問題で無いことも…申し訳ありません…」
カルヴィナ「あ、いや…そこまで責めるつもりは…」
アル=ヴァン「…同化計画に反対していた者達が暗躍していたのは間違いないでしょう」
メルア「また戦争が始まるの…?」
カルヴィナ「その可能性は高いわね…」
シャナ=ミア「……」
アル=ヴァン「フューリーはまたこの艦の前に現れるはず。今のうちに休んでおくのだ、カリン」
カルヴィナ「そうさせてもらうわ。流石に2連はキツいわね…」
メルア「うん…」
~(ラー・カイラム 自室)
ラー・カイラムに大した被害がないこともあって、指定された部屋に移動してすぐにまた寝てしまった。
『誰か…!!』
…来た!またあの夢だ。今度はちゃんと声の主を…
『……て……助けっ………助けて……誰か……』
『……………………………』
またいきなり目が覚める。…何故だろう、涙が溢れて止まらなくなってしまった。
どれだけ泣いたかわからないが、ようやく涙が止まった。夢の事を思い出すとまた泣きそうになるがグッと堪える。
シャナ=ミア「テニア…」
「な、何…?」
シャナ=ミアがいきなり部屋に入ってきた。別にそれはいいのだが、タイミングが悪い。
思う存分泣いた直後…まだ俺の顔には泣いた跡が残っている。
シャナ=ミア「申し訳ありません…なんと言えばいいのか…」
「仕方ないって」
シャナ=ミア「仕方ないで済む問題では…。私に出来ることであれば何でも言ってください」
「じゃあさ…あの…その…お、女の子の体の事を…。その…変に知識が抜け落ちてるみたいで…」
こうなった以上は自分の体なんだしちゃんと管理した方がいいだろう。
それに、今こういうことを聞けるのってシャナ=ミアくらいしか居ないし。
シャナ=ミア「え、ええ。化粧とか髪の手入れの仕方…とかですか?」
「それも気になるけどね…?今一番知りたいのは…」
シャナ=ミア「あ…それなら…」
そしてしばらく話して、シャナ=ミアが自分の部屋に帰っていった。
テニアになってから何も食べてない事にふと気付き、食堂へと向かう。
(ラー・カイラム 食堂)
カルヴィナ達は居ないみたいだ。2回も戦闘があったし寝ているのだろうか。
代わりに見たことのあるパイロットがいた。
シン「はじめまして、シン・アスカだ」
「わ、私はフェステニア・ミューズ!テニアでいいよ!」(ぐるるるー)
シン「ふっ…腹減ってるのか?」
「笑うなぁ!そうじゃなきゃここに来ないって」
(そして…)
「ふー、お腹いっぱいだー」
シン(あの量を1人で食べた!?バケモノか!?)
こういうところはテニアと全く同じらしい、これがな。
アスラン「シンじゃな…そ、その量…テニアとシンで食べたのか!?」
シン「いや、テニアが1人で全部…」
「だってお腹空いちゃったんだもん」
アスラン「そ、そうか…」
なんかこれどこかで見たことあるぞ。
シン「そんなに食べてふと…」
「…デリカシーがないと嫌われるよ?」
シン「ご、ごめん…」
我ながら上手くテニアっぽくやれたのでは?
どこかで見たことのあるやり取りをした後に食器を片付けて、艦内を探索する。
俺に監視が付いているのを利用して住居区を案内させたりした。
…そういえば部屋にカメラとか付いてるのかな。泣いていたのを見られていたらすごく恥ずかしいんだけど…
追記、修正を行いました。
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