関銀屏と行く   作:魔帝

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 定軍山の戦いと樊城の戦いまでオリジナルで行くしかないな……。


第九話 小さな龍

 

 

 劉備様が入蜀されてからもう四年……四年ですよ……。私は十六になり、銀屏様は十歳になりました。銀屏様は私と一緒に趙雲様の鍛錬を受け、どんどん武を磨いていかれています。腕力も更に上がり、食事の度にお箸を割ってしまうのは日常茶飯事です。それがまた可愛らしいのですが。他にも琴の演奏も上手になり、舞まで舞えるようになっております。一度見せてもらいましたが、とても素晴らしいものでした。思わず見惚れてしまいました。十歳の女の子にですよ? それほど素晴らしいものでした。ロリコンじゃないですから。

 

 しかし、学問のほうはどうも苦手のようでして。関羽様や徐庶様、龐統様に諸葛亮様までも銀屏様に教えましたが、なかなか呑み込めないようです。ですが、皆のお手伝いをしたい、そして……嬉しいことに私を守りたいからと、全然苦に感じず学問を学んでいます。ありがとうございます、銀屏様。

 

 ああ、あと泣き虫だけど……なんか全然老けない。出会ったころのまんま。っていうか何だろ? ずっと銀屏様のお傍に居たからなのか、なんか泣き虫まで芸を教え込まれてる。しかも上手くできたら先生ではなく、俺に自慢してくるし。それに、その芸のせいなのか? なんか最近の泣き虫が女らしく見えてきた。今までは武とか武とか武しか言わなかったから、ねぇ……。ま、どうでもいっか。

 

 

「ん~……」

 

 

 それから、俺……ンンッ、私なのですが、悩みが一つだけあります。私は十二歳の頃には身長が異様に伸び、泣き虫より少しだけ高かったのですが、それから全然伸びないのです。今は大体……165ぐらいですかね? 関平様に関興様に関索様、張苞様はすくすくと成長しているというのに……! 筋肉は付いてきましたよ? なかなか体格の良い身体に成長はしていると思います。けど、けど身長が……! もしこれ以上身長が伸びず、筋肉が成長し続けたらもの凄くバランスの悪いことに……!

 

 

「お~い、龍琥ー!」

 

「あ、張苞様、関興様、星彩様。どうなされたのです?」

 

「それはこっちの台詞だよ。木にくっ付いたりその木を睨みつけたりして何してるんだよ?」

 

「うっ……それは……」

 

 

 言えない。ここんとこ毎日に様に身長が伸びていないか確認しに来ているなんて。

 

 

「龍琥、銀屏はどうしたんだ?」

 

「銀屏様なら泣きむ……玲綺と共に舞を教わっております。何でも、今教わっているのが完成してから見せたいからと、この時間は毎日私を外しております」

 

「そうか……やはり龍琥が私の義弟になるのは確定か……」

 

「はい? 何か仰いましたか、関興様?」

 

「いや、何でもない……」

 

 

 何か呟いた気がしたんだけどなぁ……。それにしても関興様、相変わらずぼーっとしているような雰囲気ですね。なんていうか……線が細いイケメンオーラを醸し出している。けど、身体はガッチリとしているんですよね……。

 

 

「……ん? ああ! 龍琥お前、背を測ってたんだろ!?」

 

「ギクッ!?」

 

 

 な、何故バレたんですか!? ああ!? 木につけた傷を見たんですね!?

 

 

「あははははは!! そういや、龍琥って昔は俺達よりもの凄くデカかったけど、それから全然伸びてないもんな!」

 

「うっ……」

 

「今じゃ俺達のほうがデカいし!」

 

「おぅっ……!」

 

「もしかして、もう伸びないんじゃないか!?」

 

「はぅあっ……!?」

 

 

 の、伸びない……!? これ以上伸びない……!? ただでさえ、この時代の武将達は最低170はあるのに、俺にはそれが無いのか……!? そ、そんなんで俺は銀屏様をお守りすることができるのか……!?

 

 

 ――龍琥、背が低いね。

 

 ――ぎ、銀屏様! 私は……!

 

 ――私、背が低い人なんて嫌い。今日から玲綺さんだけにしてもらうね。

 

 ――なっ!? そんな!? 銀屏様!!

 

 ――さよなら、龍琥。

 

 ――銀屏様!? 銀屏様ぁぁぁぁぁぁぁ!?

 

 

「銀屏様ぁぁぁぁ!? 私を捨てないでくださいぃぃぃぃ!!!」

 

「うわっ!? 何だ!? なにいきなり泣き出してるんだよ?」

 

「兄上」

 

「え、ど、どうした星彩? なんでそんな冷やかな眼を―――」

 

「それ以上口を開かないで」

 

「――――はい」

 

「龍琥、安心してくれ。銀屏は君の事を嫌いになんてならない」

 

「か、関興様……?」

 

「そうよ。それに……万が一そんなことになっても、私の傍に置いてあげる」

 

「せ、星彩!? 何を言ってるんだ!? そんなの兄ちゃんが許しま―――」

 

「何か?」

 

「――――イエナンデモアリマセン」

 

 

 なんてお優しいのでしょう、このお二人は。このチビ助・龍皇覇、真に、真に嬉しゅうございますぅ!!

 

 

「ありがとうございます、関興様、星彩様。何だか私、元気が出てきました。私はまだ十六! これからいくらでも身長は伸びます!!」

 

「でもさー、父上や関羽殿も、俺達の歳ぐらいにはもう俺達よりはデカかったらしいけど?」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!! 銀屏様ぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「あ……行っちまった……」

 

「張苞……」

 

「兄上……」

 

「え……?」

 

「はぁ……」

 

「お仕置きが必要ね」

 

「ちょっ!? 星彩!? 何を!? か、関興! 呆れてないで助け―――パァーーーーーー!?」

 

 

 ――銀屏様!! 背が低くても私を嫌いにならないでください!

 

 ――龍琥? 何を言ってるの? 私は龍琥のこと嫌いになんかならないよ。

 

 ――銀屏様……!

 

 ――あ、でも……。

 

 ――はい? 何でしょう?

 

 ――趙雲殿って、カッコイイよね……って、冗談……あれ? 龍琥、何処行ったの?

 

 ――趙雲ーーーー!! 覚悟ォォォォォォ!!!

 

 ――な、何をする龍琥!? 酒でも飲んだのか!?

 

 ――身長よこせぇぇぇぇぇぇ!!!

 

 ――……ああ、そういうことか。趙子龍、参る!

 

 ――グヘッ!?

 

 

 

 




 まぁ、龍琥専用のオリジナルストーリーはあるんですけどね。


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