関銀屏と行く   作:魔帝

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 まぁ、二次創作だからねぇ。三国志演義の設定とかwiki先生の教えに従って書いてます。三国無双では無い設定もあったりしますんで。


第十話 昇龍と小龍

 

 

 

「はぁ、はぁ……!」

 

「はぁ、はぁ……!」

 

 

 私と趙雲様は逃げ回っています。決しておかしなことはしておりません。武器も持っておりませんが、とにかく逃げ回っております。何故かというと、それは今朝まで遡ります。

 

 

「龍琥! もっと間合いを見極めろ!」

 

「はい!」

 

「銀屏! 振りに隙がある! もっと速く! 君ならできる!」

 

「はい!」

 

 

 私はその時、趙雲様の教えの下、銀屏様と打ち合っておりました。私は木で作られている槍を二本、銀屏様は木で作られている棍を一本です。銀屏様の武は凄い。十歳でここまで強い者は居られないでしょう。ましてや女子です。怪力も健在であり、実は張飛様よりも力が強かったり。

 

 

「たぁっ! えいっ! それっ!」

 

「ふんっ! せいっ! はっ!」

 

 

 しかし、やはりまだ子供。当然、まだまだ戦場に出られるほどではありません。私は銀屏様の練習相手になりつつ、自分の練習もしているのです。

 

 

「全力ぅー!」

 

「ふっ、それ!」

 

「ぅあ!?」

 

 

 そろそろ頃合かと思い、私は銀屏様の武器を上に打ち上げました。そして槍の先端を軽く、銀屏様の肩に置きました。これで勝負ありです。

 

 

「う~、また負けちゃった……」

 

「銀屏様はどんどんお強くなられていますよ。だんだんと気を抜けなくなってきましたから」

 

「それって、まだ龍琥が本気を出していないってことだよね?」

 

「そ、それは……まぁ、はい、そうでございます……」

 

「やっぱり、私はまだまだだね。もっと筋肉付けないと!」

 

 

 止めて下さい。私はどんな銀屏様でも受け入れますが、やはりムキムキの銀屏様なんて見たくありません。ですから、今のままでお美しく成長なさってください。

 

 

「趙雲さん、どうすれば筋肉がもっと付きますか?」

 

「む? そうだな……」

 

「………」

 

「ん、ンンッ……焦らずとも、そのままいけば付いていくさ」

 

「そうですか……」

 

 

 流石、趙雲様です。……私の言いたい事が分かってらっしゃる。

 

 

「今朝の鍛錬はこれで終わりだ。二人とも、ちゃんと身体を解しておくように」

 

「はい」

 

「私は井戸から水を汲んでくる」

 

 

 そう言って趙雲様は水を汲みに行かれました。私は銀屏様の背中を押し、ストレッチのお手伝いをします。

 

 

「ん~っ」

 

 

 それにしても、銀屏様も大きくなられた。昔は私の腰辺りまでしかありませんでしたのに、今ではお腹を越すか越さないかぐらいまで。私が差し上げた簪もお使い下さっております。背中もほんの少しだけ大きくなりました。美しい黒髪も背中の真ん中ぐらいまで伸びましたし、本当にお美しくなられていっている。

 

 

「龍琥、交代ね!」

 

「……はい」

 

 

 そしてお力もぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおっ!?

 

 

「ん~っしょ!」

 

「はぅっ!?」

 

 

 ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉ!? 潰れる潰れる潰れる潰れるぅ!? そんなに強く押さないでくださいましぃ! 潰れてしまいますぅ!!!?

 

 

「はい、次はこっち!」

 

 

 バキバキバキィ!

 

 

「おおぅっ!?」

 

 

 そ、そんな急に方向転換を!? こ、腰と背骨が……!

 

 

「……ねぇ、龍琥」

 

「は、はい……」

 

「あのね、今お勉強で動物の育て方を教わってるんだけど……」

 

「育て方、ですか」

 

「うん。それで、分からない事があるの。だけど、徐庶さんも諸葛亮さんも龐統さんも父上も大兄上たちも教えてくれないの」

 

 

 それはまた。何故教えて差し上げないのでしょうか? 何か理由でも……銀屏様ご自身で見つけないといけない答えとかですかね?

 

 

「それは何でしょうか? 私で教えられることでしたらお答えしますが」

 

「えっとね――――――――――――――――赤ちゃんってどうやってできるの?」

 

「―――――――――――――――ぅんん?」

 

 

 セイセイセイ、落ち着け、落ち着くのだ私。えっと? 銀屏様は何と聞かれたのだ? 赤い茶の作り方でしたっけ? もしかして紅茶の事でしょうか? この時代に紅茶なんてあったかしら?

 

 

「動物達の赤ちゃんを見てて思ったんだ。私達の赤ちゃんはどうやってできるんだろうって」

 

「しょ、しょしょしょしょしょれは………!?」

 

 

 こ、これはあれですね。子供が親に絶対聞いてくる問いの一つにある、コウノトリが運んでくるのよ、キャベツ畑から産まれるのよ、おほほほほってヤツだな!? そうか、銀屏様ももうそういうお年頃なのか。ここは正直にお答えすべきなのだろうか。それとも誤魔化して答えるべきなのだろうか。うーーん、恥ずかしい。

 

 

「ん? 二人とも、鍛錬の時間は終わったのか?」

 

「あ、玲綺さん」

 

「……そうだ」

 

 

 泣き虫に答えさせよう。そしてあたふたする姿を見て笑ってやろう。いや愉快愉快。ふはっはっはっは!

 

 

「玲綺、お前に答えて欲しい事がある」

 

「お前が私の名前を呼ぶなんて………怖い」

 

「怖がりすぎたボケが。じゃなくて、銀屏様、玲綺に聞いてみて下さいな」

 

「え? うん……あのね、玲綺さん」

 

「何だ?」

 

 

 クックック、さあ、羞恥心に駆られるお前の姿を見せろ。そしてまた泣いて見せろ!

 

 

「赤ちゃんって、どうやってできるの?」

 

「――――――――」

 

 

 さあ! さあさあさあさあ! さあ!!!

 

 

「―――――ふむ、そういえば私も知らないな。龍琥、どうやってできるんだ?」

 

「お前もかーーーーーい!?」

 

 

 何でやねん!? 何でお前も知らんねん!? いい歳した大人やろうが!? そう言った経験もある歳やないか!? 何で知らんねん!? 呂布はんは何してましてん!?

 

 

「ねぇ、龍琥? 龍琥なら分かる?」

 

「え、えっとぉ……」

 

「……一人では教えられないことなのか? よければ私も手伝うぞ」

 

「ばぁっ!? んなことできるわけないだろ!?」

 

「……? 何で顔を赤くするんだ?」

 

「龍琥、熱でもあるの?」

 

「ん? どうした、二人とも。玲綺まで」

 

「ちょ、ちょちょちょちょちょ趙雲様ァ! 趙雲様に聞きたいことがありましてですね!」

 

「赤ちゃんってどうできるの?」

 

「どうなのだ?」

 

「………龍琥、説明を」

 

「かくかくしかじかうまうまもーもー」

 

「……去らば!」

 

「………俺も!」

 

 

 とまぁ、長かったですが、こういう事があったんですよ。それから銀屏様と泣き虫は追いかけてくるわで、街中を趙雲様と一緒に逃げ回りましたよ。しかも、しかもですね? 何時の間にか星彩様まで加わっているんですよ? 勿論、あっち側で。何、この展開?

 

 

「りゅ、龍琥……! 少しは撒けただろうか……!?」

 

「は、はい……! なんとか……!」

 

 

 森の中に逃げ込み、大樹の上で身を潜めてます。いやまさか、趙雲様とこんなことをするなんて思いもしませんでしたよ。

 

 

「くそ……まさか泣き虫にしてやられるとはな……! 恐るべし、大人の天然……!」

 

「……ははっ」

 

「……? どうしたんですか、趙雲様?」

 

「いや、お前は普段は丁寧な物言いだが、玲綺の事になると途端に口が悪くなるな」

 

「別に、アイツに敬意を払うことなんかありませんから」

 

「仮にも年上だぞ?」

 

「中身はてんで子供です。子作りのことを知らないだなんて……」

 

「……龍琥も興味あるのか?」

 

「ぶぅ!? な、何を言い出すのですか!?」

 

 

 趙雲様は笑みを浮かべながらとんでもない事を聞いてきやがりました。そ、そそそそんなん、ねぇし!? あるわけねぇし!? 確かにこっちの世界ではまだ童貞だけど? 一度目の転生後では桃香が居たわけだから? 当然することは済ませてますし? っつか、華陀によると子供も腹の中にいたし? だから別に子供みたいに興奮しねぇし?

 

 

「まぁ、恥ずかしがるのも無理はない。私も最初は恥ずかしいものだった」

 

「……趙雲様が? 嘘だぁ」

 

「はっは、恥ずかしいさ。愛する人に己の全てを曝け出すのだ」

 

「……奥方様はお元気で?」

 

「ああ、軟児(なんじ)はずっと私の家を守ってくれている。趙統も趙広も趙氏も立派に育っている」

 

 

 軟児というのは趙雲様の奥方様。黒髪の美女で、趙雲様とはお似合いのご淑女。落ち着きがあり、夫を立てることが出来る素晴らしい女性。趙統、趙広は趙雲様のご子息で、今では軍の一員である。趙氏というのはご息女で、私よりも一つ二つ下です。どうやら、関平様を気にしているようです。ひゅーひゅー。

 

 

「龍琥もいずれは妻を娶り、子を持つのだ。だから、早くこの乱世を終わらせんとな」

 

「……はい」

 

「ところで……龍琥は誰を好いているのだ?」

 

「………ぱい?」

 

「やはり銀屏か? それとも、玲綺か? いや、星彩か?」

 

「えーっと……何です、いきなり?」

 

「実はだな、軍の中で興じているのだ。龍琥が誰を娶るのかをな」

 

「な、なんて遊びを!? って、そもそも私は銀屏様には忠誠を誓い、泣き虫とはただの上司と部下ですし、星彩様とも友人です! 誰も好いてはいませんよ!」

 

「龍琥、このご時勢だ。武勇を上げ、地位を得れば、重婚も可能だ。ただ、全員を愛し、全員に愛されないといけないがな」

 

「そんな怖いこと言わないでくださいよ!?」

 

「あ! 龍琥見つけた!」

 

「趙雲もいるな。こんな所に居たのか」

 

「もう逃げられない。大人しく教えて」

 

 

 げっ!? 見つかってしまった! 趙雲様が変なことを言うから大声を出してしまったじゃないですか!! もう、どうすればいいんですか!?

 

 

「さて、そろそろどうにかしないとな。私にも仕事がある………龍琥」

 

「何か嫌な予感しかしませんけど……何です?」

 

「君の主だ。君がどうにかするんだ」

 

「へ? アーーーーーーーー!?」

 

 

 趙雲様は私を木の上から落とし、自分は木から木へと飛び移り、姿を消しました。私は下にいる銀屏様と星彩と泣き虫に捕まり、そのまま木に縛り付けられました。なんでも、答えない限り、この木に縛り付けたままにするそうです。誰か、助けて下さい。

 

 

 ――で、どうするの?

 

 ――……えっと……コウノトリが……。

 

 ――鳥? 鳥さんがどうしたの?

 

 ――キャベツ……。

 

 ――きゃ……? 何だ、それは?

 

 ――サンタクロースが……。

 

 ――さんた……? 聞いたことない。

 

 ――……もう、どうにでもなれチクショウ。よくお聞き下さいね! 一度しか言いませんからー!!

 

 

 

 






 私ももし将来、こんなこと聞かれたらどうするか……。

 次回もたぶん時間が飛びます。

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