関銀屏と行く   作:魔帝

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 ここから龍琥のストーリーになります。……皆、龍琥の真名忘れてないよね?
 あと、後書きにて重大報告があります。





第十一話 離れる龍

 

「…………」

 

 

 森の中にある開けた場所。静かな風の音が聞こえる中、私は二振りの黒い槍を持ち佇んでいる。眼を閉じ、風の流れ、匂いを感じる。

 

 

「…………」

 

 

 もうどれぐらい経ったのだろうか。もはや感覚はこの自然と一体となってしまっている。だが、それで良いのだ。探せ、己の獲物を。

 

 

「………そこだっ」

 

 

 左手の槍を離れた木へと投擲する。槍は木を貫通し、そしてその木の後ろにいた人物が飛び出してくる。それに向かって地を蹴り、駆ける。

 

 

「黒烈火!」

 

「うわっ!?」

 

 

 飛び出した人物……張苞様は右腕に装着している武器、連刃刺で慌てて攻撃を受け止めていく。

 

 

「はぁぁっ!」

 

「っ、甘い!」

 

 

 後から飛んできた関興様を槍の柄頭で突き飛ばし、追撃に向かおうとするが、張苞様の連刃刺から伸びてきた鞭状の刃が槍を絡める。そのまま張苞様は私を一本釣りのように引っ張る。

 

 

「うおおおおっ!」

 

「ぬおおおおっ!?」

 

「どぉりゃぁぁぁ!!」

 

 

 釣り上げた私をそのまま地面に叩きつけようとする。しかし私は空いている左手で叩き付けられる前に地面に突き立て、逆立ちの状態になる。

 

 

「んなアホなっ!?」

 

「張苞! そのまま抑えていてくれ!」

 

 

 関興様は両手に持つ巨大な武器、まるで翼の様な剣、双翼刀で“飛んできた”。そのまま私にぶつかれば私の負けでしょう。しかし、そうは問屋が卸しません。私は片腕だけで真上に跳び、関興様の上に移動。そして関興様の背中から全体重を乗せて踏みつける。

 

 

「ぐぅっ!?」

 

 

 あ、勿論手加減はしてますよ? それから張苞様に向かって駆ける。槍に刃が絡まっている以上、私から距離を離せない。

 

 

「なっ!?」

 

「逃がしません!」

 

 

 離れようとする張苞様を引っ張り、首下に槍を当てる。これで私の勝ちです。

 

 

「これで終わりです」

 

「――――参った」

 

 

 槍から刃を解き、木に刺さっている槍を引き抜きに行く。

 

 

「しっかし、龍琥ってホントに強くなったよなぁ。俺の力なんて全然気にしてなかったし」

 

「ああ……この五年で龍琥に勝てる者は、同年代ではいなくなった」

 

「身長は……まぁ、少しは伸びたよな?」

 

 

 そうです。やっとです。やっと170になったんですよ! 五年でたったこれだけですけどね! でも嬉しい! 170になったんです! 前世の身長と同じなんです! 筋肉の質も、髪の長さも! やっと前世と一緒のところまで来たんです! え? 私の髪? 黒髪で項でなんとか縛れるぐらいですけど? 何か? どうでも良いですけど、私の目標は趙雲様ですよ? 身長も髪の長さも。だって……カッコイイじゃないですか。決して五年前に銀屏様が仰った冗談を真に受けている訳ではありませんよはい。

 

 

「なぁ、龍琥」

 

「はい?」

 

「今日だよな? 調査」

 

「はい、もう間もなくです」

 

 

 そう、私は明日、銀屏様のお傍から一時だけ離れ、徐庶様と泣き虫と一緒に調査に向かいます。なんでも、あの赤壁の地で不可解な現象が起こっているとか。赤壁の真上の空だけがドス黒くなったり、近くを通った人達全員が何かの呻き声を聞いていたり、何か巨大な生き物が通った跡があったりと。その調査を行なう為に、私と徐庶様と泣き虫が選ばれました。

 

 いやしかし、何で私なんでしょうかね。理由を聞くと、腕が立つ者達の中で、動かせる者が私達しかいなかったからですって。私は銀屏様のお傍から離れたくないってのに。まぁ、蜀の地に危険が迫っているのならば、致し方が無いのかもしれませんが。

 

 

「銀屏は何と言っているんだ?」

 

「……いつもの様に、必ず帰ってきてと。本当なら、なきむ……玲綺だけでも置いていきたいのですが。関興様も関索様も銀屏様も、樊城へ赴くのですから……」

 

 

 関羽様と関平様が居られる樊城へと、銀屏様は行かれる。最近、あそこでは魏と呉の動きが怪しく、少々危険な感じがするのです。それを見越した諸葛亮様が関家を全員向かわせることにしたのです。本当なら付いていきたい。だけど、銀屏様がそれをお許しになられなかった。

 

 

 ――龍琥、私は大丈夫だから。

 

 ――しかし!

 

 ――私も十六だよ? もう子供じゃないから! 大丈夫! 龍琥と玲綺さんがいなくても、頑張るから!

 

 ――せめて玲綺だけでも!

 

 ――もう、龍琥って本当に心配性だなぁ。じゃあ、早くお仕事終わらせてきて。私達が出発するのはもう少し先だから。ね?

 

 ――……分かりました。龍皇覇、必ず戻ってまいります。

 

 ――うん! 約束だよ! 一颯!

 

 ――ゆーびきーりげーんまん、うーそつーいたーらはーりせーんぼーんのーます、ゆーびきった。

 

 

 必ず、必ず銀屏様が発たれるまでに帰ってくる。絶対にお一人にはさせない。

 

 

「龍琥ー! お迎えが来たぞー!」

 

「ん?」

 

 

 張苞様のほうを見ると、馬を二頭連れて来ている泣き虫がいた。私は深く深呼吸をし、泣き虫のほうへと向かう。

 

 

「龍琥、時間だ。徐庶殿が待っている」

 

「ああ……」

 

 

 私は馬に跨り、馬を撫でる。

 

 

「龍琥、無理はしないでくれ。龍琥がいなくても、私が銀屏を守る。私だけではない。父上も、兄上も関索もいる」

 

「そうだぜ。俺と星彩は親父の所に行かなくちゃならないから、無理だけど。関一家が揃ってるんだ! 大丈夫だって!」

 

「……ありがとうございます。しかし、私は銀屏様の矛であり盾であります。銀屏様が戦場に行かれる時に、私もいなければなりません。それが、銀屏様に誓ったことですから」

 

「ああ、もう。そんなに固くなんなって。……星彩はこんなの何所がいいんだよ」

 

「何か?」

 

「いや、何でもねぇよ。ま、頑張って来い!」

 

「無事を祈っている」

 

「はい。……行くぞ」

 

 

 私は馬を翻し、泣き虫と一緒に徐庶様が待っている場所へと向かう。この調査……何か嫌な予感がする。

 

 

 

 ――はぁ……。

 

 ――どうしたの、銀屏?

 

 ――尚香様……いえ、なんでもありません。

 

 ――分かった、龍琥の事でしょ?

 

 ――え!? どうして分かったんですか!?

 

 ――ふふっ、だって女の子の顔してるんだもの。それで、どうしたの?

 

 ――えっと……何だか、寂しいんです。龍琥はいつも一緒に居てくれたから。

 

 ――……ね、銀屏って龍琥の事が好きなの?

 

 ――はい! 大好きです!

 

 ――本当に!?

 

 ――龍琥だけじゃなくて父上も大兄上も兄上も小兄上も皆大好きですよ!

 

 ――わぉ、そう来ちゃうんだ。

 

 ――………無事に帰ってきてね、一颯。

 

 

 

 




 実は私、引っ越します。そこではなんとネット回線が繋がっておりません。繋げようにも金銭面ですぐに繋げることが不可能に近いです。私はPCで投稿しているため、活動が出来ません。スマフォでやる場合、執筆速度が落ちるため、投稿回数が劇的に少なくなる可能性があります。なので、今回で執筆活動が一時停止になるかもしれません。出来るだけ早く回線を繋げますので、それまでどうか何卒、お待ち下さいますようお願いします。あくまでも停止かもしれませんので、スマフォでの執筆が慣れましたら、更新回数を上げていきます。

 急なことで本当に申し訳ございません。


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