関銀屏と行く   作:魔帝

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 ちょっと最近忙しくなってきた。銀屏に膝枕されたい。玲綺に添い寝されたい。星彩に……ナニサレタイ?





第十六話 誓いをこの胸に

 

 

 

 

 

「貴様ら……我が主に何をしてくれる……!」

 

「主……そうか、貴様が……。関羽の娘には小さな龍がいると聞いた。貴様がそ――――」

 

「それ以上口を開くな」

 

 

 俺は黒龍を抜き放つ。漆黒の刀身が奴の血が欲しいと俺に訴える。ちょうど良い。俺も奴の血が欲しいと思ったところだ。俺の大切な人と友に、手を出した奴はただではおかん。

 

 

「玲綺!」

 

 

 敵と一緒になって俺を見ている泣き虫を呼ぶ。

 

 

「―――な、何だ!?」

 

「銀屏様の傍にいろ。ここは俺がやる」

 

「あ、ああ! 分かった!」

 

「親衛隊共ォ!」

 

『ハッ!!』

 

「―――――後ろにいろ!!!」

 

『喜んで!!』

 

 

 銀屏様の親衛隊共が俺と銀屏様の後に移動し、玲綺は銀屏様の隣に立つ。それでいい。これで俺だけの道が出来た。

 

 

「一颯!」

 

「ご安心を。約束は必ず守ります。必ず貴女様のお傍へ戻ります」

 

「――――うん! いってらっしゃい! 頑張ってね!!」

 

「ハァッ!!!!」

 

 

 銀屏様のお言葉と共に駆け出す。狙うは銀屏様に刃を向けた奴ら全員。特に、そこの眼帯野朗! 俺の大切な主に何投げてつけやがった、アア!? そっちの眼も抉ってやろうかボケェ!!!

 

 

「来い!! 小龍!!」

 

「退け退け退け退け退け!!!!!」

 

 

 眼帯野朗以外の雑兵を黒龍を振るって吹き飛ばす。片腕であろうと、こんな奴らに劣るわけが無い。俺と黒龍ならば何だって出来る。それに銀屏様の激励が入れば一日で天下を取ってみせる。

 

 

「オオオオオオオオッ!!」

 

「この眼帯野朗ォ!! くたばれェ!!!」

 

 

 眼帯野朗は俺が弾いた剣を拾い、俺とぶつかり合った。どうやらこいつは敵の将軍のようでそれなりに力があるようだ。だが――――。

 

 

「コイツッ!? 片腕だけで何て力だ!? 蜀のガキは化け物か!?」

 

「誰が小さいガキだゴラァ!!? これでも170は伸びたわァ!!!」

 

「クソォ!!」

 

「一颯ー!! 頑張ってぇ!!」

 

「一ぶ――――誰だそれは? アイツは龍琥じゃ……」

 

「一颯でもあるの!」

 

「そ、そうなのか? むぅ……よしっ、いぶ――――」

 

『龍琥様ァ!! 龍琥!! 龍琥!! 龍琥!! 龍琥ゥ!!!!』

 

「ウオオオオオオオオオッ!! 熱く燃えるぅ!!!」

 

「――――ええい! やれ龍琥!!」

 

 

 後で玲綺が何か言っているが俺には聞こえない。俺には銀屏様の応援が聞こえる! あと序でに野朗共のエールも。

 

 

「何だこの気迫は!?」

 

「見せてやるよ、俺の熱き魂を!!!」

 

 

 俺は眼帯野朗の頭を踏みつけて無龍が突き刺さっている場所に向かう。黒龍を一旦しまい、無龍を手に取る。

 

 

「俺を踏み台にしただとォ!?」

 

「おおおおおおおおおっ!! 黒き龍とならん!!」

 

 

 全身から金色の気が溢れ出てくる。これが真の覚醒。今の俺ならば、やれる!!! 二振りの無龍を柄頭でくっ付け一本にし、連結部を右手で持って大旋風の如き振り回す。

 

 

「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!」

 

「なにぃ!?」

 

 

 そして無龍を投げ付け眼帯野朗の剣を弾き飛ばす。

 

 

「黒龍!!! 喰らえ!!!」

 

【グラァァァァッ!!】

 

 

 黒龍を抜き放ち、眼帯野朗をメッタ斬りにしていく。両腕両脚胴体。頭以外の全てに叩き込んでいく。ついでに周りにいた奴らも巻き込んでいく。

 

 

「止めだァァァ!!!」

 

【グラァァァァァァアア!!!!】

 

 

 最後に黒龍を具現し、周りの雑兵共を喰らい付かせる。衝撃破も発生し、全員を吹き飛ばす。

 

 

「く……そぉ……!?」

 

「峰打ちだ、死にはせん」

 

「な、ぜ……!?」

 

「勘違いするな。貴様には生き恥を晒してもらう。片腕を失った若造に簡単に破れ、更に生かされた。生粋な武人には死よりもキツイことだろう。銀屏様に手を出した重み、生きて味わえ」

 

「おぼ……えてろぉ……!」

 

「悪ぃ、もう忘れた」

 

 

 意識を失った眼帯野朗を背にし、俺は親衛隊共に命令を出す。

 

 

「何をしているウスラトンカチ共!! 水門の防備を完璧にしろ!!」

 

『御意の儘に!!!』

 

 

 親衛隊共は水門の防備に向かう。俺は刃を納め、銀屏様の下へと戻る。

 

 

「関銀屏様。遅くなり申し訳ありません。龍皇覇、ただいま戻りました」

 

「一颯……お帰りなさい。遅かったね」

 

「申し訳ありません。己の過去の因縁と決着をつけて参りました故、遅れてしまいました」

 

「いいの。それより、一颯の腕が……」

 

「……この身、銀屏様の物と差し上げました。しかし、私の未熟さがこの様な失態を。何とお詫び申したら良いか……」

 

「……顔を上げて」

 

「はっ」

 

 

 顔を上げると銀屏様のお顔が目の前にあった。気が付けば私は銀屏様に抱き締められた。どれだけ銀屏様と離れていたかは定かじゃない。だけどもの凄く懐かしく、もの凄く心地よい気持ちになった。

 

 

「それじゃあ、罰を言い渡すね」

 

「……はっ」

 

「もう一度、私に誓って? もう二度と、私の前から居なくならないで――――――私だけの人になってください」

 

「――――――龍皇覇、この身、この心、この刃、全て貴女様の物に」

 

 

 俺は誓う。私ではなく俺が誓う。もう二度と銀屏様を悲しませない。二度と銀屏様の下から離れない。

 銀屏様の胸の中で、俺は改めて誓った。

 

 

 

 

 ――ん、んんっ! わ、私を忘れていないか?

 

 ――………ん? ああ、はいはい。忘れてなんかいないさ?

 

 ――忘れていただろ!?

 

 ――忘れてねぇよ。ま、良く俺が居ない間、銀屏様を御守りしたな。礼を言う、玲綺。

 

 ――れい……お前、私の名前を……!

 

 ――ね、ねぇ龍琥! その……本当に私で良いの?

 

 ――何を仰いますか。銀屏様だからこそです。

 

 ――ほ、本当!? それじゃあ、早く父上に―――!

 

 ――俺の主は銀屏様しかありえません。この龍皇覇、全力で御仕えさせていただきます。

 

 ――……ふぇ?

 

 ――……銀屏、こいつ多分……そういう事に気が付いていないぞ?

 

 ――何がだ?

 

 ――……一颯のばか!! せっかく言えたのに!!

 

 ――ええ!? 俺が何かしたのですか!?

 

 ――もう知らない! ふん!

 

 ――ぎ、銀屏様!? 銀屏様ァーーーー!!

 

 ――はぁ……もう疲れたな。

 

 

 

 

 

 

 

 

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