関銀屏と行く   作:魔帝

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 三国無双って、年齢設定が無いから大体の予測しかわかんない。でも呂玲綺は生きていたらきっと二十代のはず。





第六話 出陣

 

 

 

 

 呂玲綺が仲間になってから二年。あれからもう二年です。え? 時が経つのが速い? 知りませんがな。とにかく二年が経ちました。呂玲綺と私は銀屏様のお傍で毎日を過ごしております。当初、呂玲綺は赤兎を奪おうとするばかりでちっとも役に立ちませんでした。自分から紹介しておいてなんですが、本当に役に立ちませんでした。毎回毎回、私が呂玲綺を取り押さえ赤兎を守っていましたし、毎回毎回泣かれては泣き止ますのに時間がかかり、銀屏様に苛めては駄目だと勘違いされる。もう嫌だ。しかも、しかもですよ!? ふざけたことにですね、私が呂玲綺を苛める理由が何時の間にか作られてたんですよ!? しかもこんな内容で!!

 

 

「龍琥」

 

「はい、何でしょうか、関平様?」

 

「その……好きな女子を苛めてしまうというのは聞いたことあるが……程々にしておけよ?」

 

「………ワッツ?」

 

「わ……? と、とにかくだ! 呂玲綺殿が好きならば、優しくしてやらねばな!」

 

 

 ふざけるなあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!!!!!!!

 

 何だよ!? 何ですか!? 何で俺が呂玲綺を好きになっているという話になっているんですか!? そんな馬鹿な話があっていいものですか!! 確かに見た目は美人!! だが俺は嫌いだ!! ってか十二歳の俺が二十代前半の女性を好きなるっておまっ! あはははははははははははははっ!! 笑ってやる!! 笑ってやるよ龍琥!

 

 

「龍琥? どうしたの? そんなに難しい顔をして?」

 

「何でもありませんよ、銀屏様。さ、私の事は気になさらずお稽古をお続け下さい」

 

 

 ンンッ……銀屏様も六歳になられました。あの舌足らずな口調もどこへいったのやら。読み書きも充分できるようになり、芸の腕もどんどん上げていく。舞いも習い始め、琴まで弾き始める。このまま成長していけば、さてさて……どれ程美しく、素晴らしい女性に育つのだろうか。因みに今なさっているのは琴のお稽古。琴を弾くことが出来る女官が師事している。私は今、縁側に座って演奏を聞いています。

 

 

「……いい音色だ」

 

「おい!りゅ―――」

 

「指弾」

 

「ぺちゅっ!?」

 

 

 この馬鹿野朗。今、銀屏様が琴を演奏なさっているのだから静かにしろ、この泣き虫。毎度毎度同じことを繰り返しやがって。おかげで指弾っていう技を扱うことができちまったじゃねぇか。懐の中にいつも小石を入れるようになっちゃったよ。

 

 

「いっ――――何をする!?」

 

「声を上げるな。今、銀屏様の演奏を聞いているんだ」

 

「ん? ああ……流石、銀屏だ「様」……銀屏様だ」

 

 

 まったく、主君を呼び捨てなどとは……万死に値する。今晩にでももう一度泣かせるか。あいや、そう下的な意味ではなくてだな……って、誰に説明してんだか。

 

 

「……あ、そうだ。龍琥、お前に伝言を頼まれている」

 

「伝言?」

 

「劉備から「様」……劉備様からだ。軍議に参加して欲しいそうだ」

 

「なに?」

 

「え?」

 

 

 銀屏様も聞こえていたのか、演奏を止めてこちらを見てきました。

 

 

「何で、俺が?」

 

「知らん。銀屏……様は私に任せてお前は行け」

 

「……銀屏様。参っても宜しいでしょうか?」

 

「……うん、行ってらっしゃい」

 

「はい。行ってまいります」

 

 

 私は立ち上がり外へ出る。私の目線よりもほんの少しだけ下にいる(・・・・・・・・・・・)呂玲綺に目で頼むと伝え、家を出た。

 

 そうなんです。実はなんと、経った二年で、わずか十二歳で身長がもの凄いスピードで伸びたのですよ。もう驚きです。おかげで、銀屏様と一緒に居るところを端から見れば完全にロリコンですよ。今までは精神年齢ならロリコンに見えてもおかしくはなかったが、今では誰が見てもロリコンにしか見えない。

 

 にしても……とうとう来ちゃいましたか。軍議に参加するということはつまり……戦に赴く事になる。前線に出るということだ。銀屏様が危惧していたことが、現実になったのですね。

 

 私は城へと入り、軍議室へと入る。中には劉備様を初めとした豪傑達が揃っている。赤壁の戦い以降で傘下に入った黄忠様に龐統様に魏延様、そして徐庶様もいる。

 

 

「劉備様、龍皇覇ただいま参りました」

 

「おお、龍琥。待っていたぞ」

 

「……劉備様、何故私などを軍議へお呼びになられたのですか?」

 

「それは……本当はこんな事はしたくなかったのだが……」

 

「お前さんの力が必要なのさ、龍琥」

 

 

 龐統様が緑の大きな帽子をクイッと動かして私を見てきた。しかし、何故私が? 私は趙雲様や関羽様には断然劣りますよ?

 

 

「何故、私を?」

 

「お前さん、自分の実力を分かっていないようだねぇ」

 

「龍琥、お前は僅か十歳で長坂での戦いを生き残った。そればかりか、曹操軍の兵達を薙ぎ払ったではないか」

 

「しかし、私の武はまだまだ趙雲様の足元にも及びません」

 

「何を言う、お前の武はもう私に追いついているさ」

 

 

 そういって趙雲様が私の肩を叩いてきました。いや、私の武が趙雲様に追いついている? そんな馬鹿な。まぁ、確かに雷や旋風とか出せるようにはなってましたけど、趙雲様ほどでは……。

 

 

「……士元、やはり俺は賛同できない。彼はまだ十二の子供だ。背丈が大きいだけで、まだまだ子供なんだ」

 

 

 徐庶様が龐統様に向かって言う。確かに、私は背丈は高いが十二歳の子供。そんな子供を戦場に行かせるだなんて、仁の者である劉備様の名誉に関わってしまう。

 

 

「元直、お前さんは優しすぎる。この子はいずれ劉備殿にとって必要不可欠な存在になる。その為に、今からこの子に戦の中で成長してもらわなければならないんだよ」

 

「だが龐統よ。龍琥は雲長の娘、銀屏の護衛なのだ。銀屏も龍琥を大変気に入っている。子供達の仲を引き裂くような真似は……」

 

「兄者。銀屏もいずれは戦場に赴くゆえ、龍琥には戦場でも武を発揮できるようにしておいたほうが良いのではないですか?」

 

「しかし……」

 

「劉備様、ご安心下さい」

 

「龍琥?」

 

「関羽様が仰った通り、関銀屏様はいずれ戦場に赴くつもりでございます。ならば、私が戦場で関銀屏様をお守りするには、戦を知っておかなければなりません。劉備様、どうか私に関銀屏様をお守りする力を付けるため、参戦させて下さい」

 

「………」

 

「劉備殿、龍琥もこう言っているよぉ? この子の覚悟を、無下にするわけにはいかないさ」

 

「……分かった。龍琥、そなたの覚悟、確かに受け取った」

 

「ありがとうございます」

 

 

 

 

 軍議は滞りなく終わった。しかし、その内容には驚かされた。漢中の張魯の攻撃を受ける益州の劉璋から救援の要請が来たのです。これを機に劉璋が治める益州・巴蜀に入り、かの地を奪うというのです。それがなれば、諸葛亮様が唱える天下三分の計が果たされる。曹操、孫権殿と並び立ち、天下を争うには必須の大計。

 

 しかし劉備様は同族である劉璋を陥れるのは己の道に反しているのではないかと迷っている。しかし、龐統様が益州の民達が劉備様を望んでいる、民の為と背中を押し、劉備様は決心なされました。

 

 あ、因みに子供の中で戦にいくのは私だけです。関平様や星彩様はまだ出陣は出できないそうです。あれ? それじゃあ、私って……? そこまで強いのですか? お二人にはまだ勝てないと思うのですが……?

 

 ま、まぁ、取り合えずそれは置いといて。いよいよ出陣の時間です。私は見送りに来てくださった銀屏様………と護衛でついて来た泣き虫に会っています。

 

 

「龍琥、行っちゃうの……?」

 

「はい、銀屏様。ですがご安心下さい。私は必ず、貴女様の下へと帰ってきます」

 

「うん……」

 

「……銀屏様。そういえば、もうすぐお誕生日でしたね?」

 

「え? う、うん……」

 

 

 まさか、こんな形で渡すことになるなんて思ってもみませんでしたが、今が渡せるチャンスでしょう。私は懐から一つの翡翠色の石を取り出す。これは花形に加工した翡翠の簪です。

 

 

「これは私からの贈り物です。お気に召したら良いのですが……」

 

「……龍琥!!」

 

「うわっ!?」

 

 

 ちょっ!? 銀屏様が私に抱き付いてきましたよ!? 私は膝を曲げて目線を合わせていましたから銀屏様の顔が真横にありますよ!? ってかこんなところ関羽様に見られでもしたら―――。

 

 

「おお、雲長よ! 龍琥も隅に置けぬな!」

 

「がははっ! 龍琥もやるもんだなぁ、おい!」

 

「――――ほぅ?」

 

 

 見られてた。これは進軍中、後を注意しておかないといけませんな! アッハッハ!!

 

 

「ぎ、銀屏様?」

 

「はぁ……龍琥、これは私でも分かるぞ。こんな渡し方をしたら、嫌な感じを覚えてしまう」

 

「アァ? 何言ってんだ泣き虫?」

 

「私は泣き虫ではない! 愚弄するな!」

 

「銀屏様? いったいどうしたのですか?」

 

「む、無視するな!」

 

「龍琥っ……!」

 

「なっ、銀屏まで!?」

 

「シャラップ!!」

 

 

 煩い騒ぐな! 銀屏様が何かを仰ろうとしているんだ! って、あれ? 銀屏様、泣いてません!? ちょっ!? 涙が出てます!? わわわわわわわ!? どうしましょう!?

 

 

「龍琥、絶対、絶対帰ってきてね!?」

 

「――――はい、必ずや」

 

「ん……」

 

 

『ゆーびきーりげーんまん、うーそつーいたーらはーりせーんぼーんのーます、ゆーびきった』

 

 

「……行ってまいります、銀屏様」

 

「うん、いってらっしゃい」

 

「……玲綺。銀屏様を頼んだぞ」

 

「………分かっている。その………怪我はするなよ」

 

「俺を誰だと思ってる? 関銀屏が守護者、龍皇覇だ」

 

 

 いざ、蜀の地へ。天下三分を果たす為に!

 

 

 

 ――なぁ、雲長よ。やはり私は間違っているのではないだろうか?

 

 ――兄者、龍琥が決心したことです。龍琥の覚悟を無下にはできませぬ。

 

 ――安心しな兄者! 龍琥はうちの星彩も気にかけてんだ! 危なくなったら俺が守ってやらァ!

 

 ――……龍琥は銀屏のモノだぞ?

 

 ――お? 兄者は銀屏との祝儀は認めてねぇんだろ? 俺は別に星彩が望むのなら構わねぇぜ?

 

 ――ヌゥ……!? 確かにそうなのだが……!?

 

 ――ハックション! ズズッ……誰か噂でもしてるのでしょうか……?

 

 

 

 

 

 

 

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