ダンジョンに幼女(少女)戦記をブチ込むのは間違っているだろうか 作:仁611
レベルアップに伴い
俺の調べによると【神の宴】は約3ヶ月置きに開催されて居る様なのだ、それにアストレアファミリアの事件が5年前らしいからベル君が来るのは今年だと予想できる。
レベルアップを報告すると約3ヶ月と言う短い期間での器の昇華が、人目を集める結果になるのは俺の知る『ダンまち』からも簡単に推察出来てしまう。
出来ることならアポロンファミリアとか言う頭のおかしな奴等に狙われるのはごめん被る…。アビリティ値が既に平均レベル3以上でも心の平穏の為一生関わりを持ちたくない。
だがしかし、ギルドへの報告義務を無視して罰則規定に該当するのも資産的に避けたいものだ。そう言う事でリリと一緒にギルドへレベルアップの報告に向かったのだ。
ギルドに着くとターニャの容姿が理由か男性冒険者の視線が多く、女性冒険者は俺のオラリオらしからぬ装備が理由だろう。カウンター越しにエイナさんを見つけ久方振りに声を掛けたが…。
「エイナさんお久しぶりです。リリの件以来ですね」
「たっターニャさん⁉︎何が久しぶりですか——!!!!人伝で聞かされる到達階層に換金額……」
エイナさんがおかんむりな様で、本題に入るまで物凄く時間を要したがなんとかおさまってくれ次回からはマメに顔を出す事で手打ちにして貰った。
「では、改めて本日はどの様なご用件ですか?」
「え〜と、リリと私のレベルアップの報告に…」
「リリはこの先の展開が読めました…」
リリの呟きは俺にのみ聞こえ、エイナさんはリリのレベルアップはまだしも俺のレベルアップに驚愕しながら何度も聞き返した。落ち着きを取り戻したエイナさんは、今更ではあるが「おめでとう」そう言って祝ってくれて2人で感謝の言葉を返した。
どうやらギルドの慣習としてレベルアップの際には様々な質問をするらしくて、レベルアップの原因・討伐総数・現在最高換金額・普段の狩場階層・週何回ダンジョンへ・1日の平均ダンジョン滞在時間・今後の目標など…。
すごく長かった。
質問内容はギルド側と神側の両方が要望した内容で構成されており、途中からは恋人が居るかなどどうでもいい内容やセクハラでは無いだろうかと言う内容まであった。
ギルドから戻るとリリと俺は疲れた顔して目に精気を感じられないとヘスティア様の後日談だ。
今回のランクアップは何もデメリットばかりでは無い、チート神秘様で俺の居た現代の科学や機械工学を駆使してオラリオに無い新技術など朝飯前だからだ。
何を隠そう俺はCAD(設計図のデジタル)設計で生産機器メーカーの設計課出身なのだ。その延長線でガンオタまでは行かないが多少詳しかったりもした。
俺はどうしても創りたい物があった…。
ダンジョンで運搬はリリの
そこで開発するのはバギーだ⁉︎階段やデコボコでも移動が可能で、魔石を燃料にモーターを開発すれば燃料費は実質永久的に0ヴァリスで維持可能なのだ。
魔石製品には冷蔵庫・コンロ・給湯器など多くの製品が既にオラリオ製で作られている。既存の魔石製品を詳しく調べると、現代の電気の伝達には銅を使うが魔石のエネルギーはミスリルが最も伝導率が高いらしい。
どうしてもミスリルが高額ならば、モンスターのドロップアイテムである牙や爪類は鍛治などの鉄と同じ扱いが可能で、魔力の伝導率がミスリルより下がってしまうが代用は可能だ。
今回はダンジョン様と言う事で、エネルギーを魔石に頼り伝導体はミスリルを使用する。軸やボディーは最高硬度精製のオリハルコンを使用する。
サスペンションなど足回りは、大きな段差も可能にする為大型のアブソーバー(衝撃を吸収する装置)を製作している。タイヤにはゴムでは無くゴライアスの硬皮を使用している為まず破れないだろう。
当然速度は高レベル冒険者よりは遅いが手ぶらでダンジョン攻略が可能な上、遠征などの運搬時は相当量積み込みが出来るから日数が掛かる下層にはもってこいなのだ。
デメリットはダンジョンに入る際にギルドへとエレベーターの使用申請が必要になる事と目立つ事だろうな…。
内容は
折角だからリリと一緒に試運転を兼ね夜中にダンジョンへ搬送し、ドライブついでに一狩り行って見た。リリは新しいおもちゃを貰った子供の様にはしゃぎ、気付くと既に16階層まで降りて来てしまった。
バギーにはマシンガンを搭載しており、走行しながら撃てるように戦車の様に射撃台が存在する。
「ターニャ様⁉︎凄いです凄いです」
「うん…。そうだね」
リリの興奮は止まる所を知らずミノタウルスを蜂の巣にしながら、車体下部に取り付けたドロップ品を吸引する装置のボタンを押してる。
「この『バギー』と言う乗り物、売ればへファイストス様の一級装備と同等の価値がありますよ」
「今の所、ロキファミリア に売って私への注目を分散させたいかな」
「それは良い考えです⁉︎流石リリの腹黒師匠です」
「イヤ…。いつそんな不名誉な師匠になったの?」
「リリを助けてくれた時からです」
荷台が満タンになると、リリも満足したらしくエレベーター横に置いてある木箱に駐車して入り口を閉じた。毎回ギルドに申請するのも嫌なのでここを車庫替わりにギルドへと一応報告している。
条件として盗難の保証はしない事と管理は自分達で行い、物を置く代金として既に200万ヴァリス支払っている。ロイマンと言う『えっエルフ?』と見まがう程太った守銭奴はニヤつきながらOKを来れたのだ。
翌日にはリリに無理を言って、予備に製作したバギーを箱ごと背負って貰う。見た目は昭和のド根性系スポーツ漫画の様で、リリの背丈からして最早不憫さを感じさせるシルエットだな…。
リリと気持ち距離を取りながら向かったのは【黄昏の館】である。ロキファミリアにバギーを売り込みに行く為、リリに木箱ごと背負って貰った。
「「えっ…」」
門番担当のロキファミリア員は当然リリに困惑して居る。俺が神ロキやフィンに面白い商談があるとつたえて貰うようお願いした…。こう言えば神ロキが喰いつかない訳が無い、そう踏んで門番には持ち掛けた。
普通は応接室だが、今回は商品が大きいから訓練所である大きな庭へと案内された。遠くから「ウチには分かる⁉︎オモロイ匂いがプンプンするんや」と建物内から聞こえ、持ち掛けた言葉に間違い無いなと確信を得た。
「やあ神酒の時以来かな?今回はどんな物を持って来たのかな?」
「フィン⁉︎挨拶も程々に早よ見なあかん」
「すまないね。では悪いけど商品を見せてくれるかい?」
「いえいえ。神ロキのああ言ったフレンドリーさが正直助かります」
俺はリリにお願いして箱からバギーを取り出して貰う。神ロキは全貌が明らかになったこの世界初の自動車に年甲斐も無くはしゃいで居る様だ。
フィンでさえ男心をくすぐらせてか、興味津々に顎に手を当て全体を見ている。俺はフィンにバギーに攻撃して欲しいと頼み、実際にレベル6で都市上位冒険者の打撃に耐えられる証明をする。
操作方法に装置の有用性などなど説明して居ると、昼食が済んだのかアイズ達いつもの4人+リヴェリアがこちらにやって来た。ティオナがオモチャの様にロキと訓練所を走り回り、アイズ達を荷台に乗せて楽しんで居るようだ。
「どうですか?積載量は関係無く悪路でも普通に走り、なおかつレベル6の攻撃に耐えるからダンジョン輸送に持って来いですよ。正に走る要塞の様に使えますから、ロキファミリアの様な戦闘員にサポーターをさせるファミリアにはこれ以上無い戦力強化になります」
「確かに素晴らしい乗り物だよ。この『バギー』だったかな?
ここは注目度分散用の売買だから少しは安くしてあげよう、そう思って考えて居ると「フィン⁉︎絶対買うで〜遠征行かへん時は普通に乗り物としてウチが乗るんや」と言う声が聞こえた。
「因みにどれくらいだと思ってるんですか?」
「う〜ん。基本的にこう言った場合駆け引きではこちらが値段を言わないのがセオリーだろうけど2億〜3億だと予想してるかな?」
「フィンさんの誠実さに…」
ティオネさんの睨みが飛んで来たが「ティオネ彼女はそう言った意味では言って無いと思うよ」となだめてくれた。俺は普通にロキファミリアのメンバーは好きだし、贔屓目だけど安くしようと指を一本だけ立てた。
「正直それぐらいにする予定でしたが、ロキファミリアの皆さんとは仲良くして貰ってますし1億でどうですか?」
「⁉︎そんなに安くしてもらえるのかい?」
「ええ!二言は無いですよ」
結果売れた上にロキファミリアのメンバーには喜ばれた、ティオネ以外からは…。ティオネは俺がフィンに媚びてる様に映るらしく全くその気が無いと言ってるのにね。