「う、うーん・・・はッ!眠ってたのか!ど、どのくらいだ・・・?」
「あ!起きた!お母さーん!!」
髪にリボン?のようなものを付けた女の子が急いで部屋を後にする。
その直後に同じくらいの背格好をした青年が入ってくる。
「お!もう疲労の匂いはないな!ならもう大丈夫だ!俺は竈門炭治郎だ!母さんたちから話は聞いてるよ、大変だったな・・・。」
「あ、ああ・・・俺は斑鳩楓だ、よろしく。」(疲労の匂い?)
よろしくな!と握手をすると一目見たときに浮かんだ疑問が強くなる。
(あれ・・・この人USJの・・・?)
握手をしたときに感じた、手の皮が尋常じゃなく固い、まるで何かを振り回しているように・・・。
「さあ!夕飯も食べるだろ?楓の分もあるぞ!いこう!」
半ば強引に食卓へ連れられる。
(結局夕飯もいただいてしまった・・・。)
もうあの状況で断ったら弁当かなんか作ってもらって持たされるんじゃないかって雰囲気だった。
夕飯の時に自己紹介をし、軽く雑談をした。
炭治郎のお父さんに「住むところがないならうちにいたらどうだ?店が混んできたら2人だと捌ききれなくてな。」
「いいんですか?今日あった他人なのに・・・」
お母さんが言った。
「炭治郎が悪い人じゃないっていうんなら大丈夫よ。それに何かあってもうちの長男長女は強いから笑」
ムン!とポーズをとる炭治郎と禰豆子をみて思わず笑ってしまった。
「お世話になります。よろしくお願いします!」
その夜、俺は炭治郎の部屋へと足を運ぶ。
「炭治郎、ちょっといいか?」
「ああ楓!どうした?」
「鬼殺隊って・・・知っているか?」
「え・・・?」
「数日前、雄英で俺を助けてくれたのは君だろう?声でわかった。ありがとう。」
「・・・ああ、その通り俺は鬼殺隊だ、お前をどこかで見たけど思い出せなかったが、そういうことだったか。」
「俺は、個性が鬼化なんだ、ただの鬼じゃない、日光を浴びると陽光灼けを起こしたり、怪我をしてもすぐに治るんだ。」
「・・・」
「君のような太刀筋は知らないが、俺は一種の呼吸法で体を強化するおかげで昼も鬼になることもなく自分のまま戦うことができる。」
「それなら」
「?」
「水の呼吸、って知ってるか?」
「ああ、呼吸の仕方も知っていたし型の名前も驚くほどしっくりくるんだ。」
楓は自分の覚えている【水の呼吸 炎の呼吸】の技名を出せるものは全て教えた。
「!?関係がないとは思えない・・・。楓!ちょっと鬼になってみてくれないか?」
「ああ、それは構わないが・・・。」
「あらかじめ聞いておくが、食人衝動はあるか?」
「いやない、初めて自分以外の鬼を見たときびっくりしたよ。」
「嘘の匂いはしないな・・・じゃあ頼む!」
「わかった。」 グッ!
楓の体がみるみる白くなる。
髪は桃色になり、青く太い線のような模様が浮かび上がる。
「!!!猗窩座・・・!」
楓の姿を見た炭治郎は即座に戦闘態勢へと移る。
その構えは100年以上前、外道の道に外れていた弱い自分を終わらせた鬼殺隊の竈門炭治郎そのものだった。
「!!!!!思いだした・・・・・・・・。思い出した!この姿、技の名前!」
今の今までずっと喉に引っ掛かっていたとっかかりが消えた気がした。いい気分だ。
「やはり記憶がなかっただけか!」 チャキ
「おい!早まるな炭治郎!俺は戦う気はない、話を続けよう。」
「え!?あ、ああ、すまない、お前からそんな言葉が出てくるとは思わなくて・・・。」
「なら変身を解こう。そっちのほうが落ち着けるだろう。それと猗窩座と呼ぶな、俺は狛治という名前がある。」
「狛治?・・・・・楓じゃないのか?」
「なんだその間は、もうその名ではしっくりこない。」
「ああいや・・・なんでもない。」
その後炭治郎とは朝まで話をした。
炭治郎が猗窩座を討った直後、感謝の匂いがしたのはなぜか、この世界に来てから何があったか詳しく、狛治側は鬼殺隊はどこにあるのか、なぜ鬼は絶滅していないのか、どこから記憶が戻ったか、あとは誰かいるのかなど、話すことは山ほどあった。