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一つ明確におかしい部分がある、それは
マスキュラーが鬼だったからだ。
あの子供はあいつに向かってあの昼といった。
鬼は日光の前では外に出られない、俺だってそうだ。
まがい物のほうも任務の際にしっかり陽光灼けするのを確認している。
とすると導きだされる仮説がひとつ。
この鬼たちはここに来る前に鬼にされて投入されている。
鬼が群れることはない、だがここに連れてこられたとしたら?
USJの時に見かけたあの黒い靄のような奴、あいつなら鬼たちをここに大量に投入することなど容易なはずだ。
「ヴィラン絡みか・・・ん?」
マスキュラーに向かって飛び出していく影がひとつ。
猗窩座もよく知る人物、緑谷出久だ。
「この子は絶対に傷つけさせない!!!」
「身体強化の個性かぁ??俺の下位互換みたいな個性のくせによぉ!」
(あいつは人間の頃の記憶はあるのか・・・!?)
聞き出したいのは満々だが、ここで飛び出して雄英に存在がばれるのはまずい。
両者の力の差は圧倒的だった、元が割とやるやつだったのだろう、鬼になったことでかなり強化されている。
それこそさっきの鬼では比べ物にならないほどだ。
(緑谷のやつ・・・動きが全く違う・・・。パワーが落ちた代わりに自傷もないし小回りが利く印象だ。克服したんだな・・・!)
だがやはりそのパワーでは限界がある、かと言ってフルパワーを使ってしまってはまた腕が粉々になってしまうんだろう。
(・・・ん?)
「ワンフォーオール100%!!デトロイトスマッシュ!!!!」
(お、使ったな、さてどうなる?)
マスキュラーにダメージがない、当たり前だ。鬼なのだから。
「はっはー!今のはきいたぜぇ?人間だったころの俺だったら結構なダメージだったかもなあ?」
「100%が・・・効かない・・・・!どうする、考えろ考えろ!人間だったとはどういうことなんだ・・・?」
「ごちゃごちゃうるせえなあああ!!!」
大岩のように膨れ上がった腕を振りかざし緑谷に殴りかかる。
「潰れちまえええええええ!!!!!!!!」
「まずい、洸汰君を連れて逃げないと・・・!くっ・・・足が・・・動かない・・・!やられる・・・!」
【破壊殺 空式】
「ぐはっ!?」
突如空気の砲弾がマスキュラーを吹き飛ばす。
「まったく・・・、この程度の相手に殺されてる場合じゃないぞ緑谷。」
「だ・・・誰だ!?」
「俺は狛治、いや、今は猗窩座というべきだな。」
「あかざ・・・?」
「今はお前とお喋りしている場合じゃない。そのガキ連れてどいてろ。」
「待て!一人でどうにかできる相手じゃ!」
「いいから早くいけ、心配なら離れたとこで見てればいいだろう。」
「わかった!この子連れてったらすぐ戻るから!」
そういって緑谷は崖裏に消えていった。
「おい、お喋りはすんだか??お前を殺してからあいつらを追っても」
マスキュラーが猗窩座にとびかかり、
「十分間に合うだろうがぁ!!!」
肥大化した腕で殴り掛かった刹那・・・・
「ぷっ日本刀か?そんな短い刀じゃ俺は斬れねえ」
【月の呼吸 捌ノ型 月龍輪尾】
「ぜ・・・。」
先ほどの鬼2体を斬り飛ばしたものとは比べ物にならない速さ、威力、そして何より
「お、俺の腕がぁ!!!」
肥大化した腕を一閃で斬りおとす圧倒的なリーチ、月の呼吸のみが成せる御業といっても過言ではない。
「どうした?鬼なんだろう?早くかかってこい、腕落とされたくらいでいちいち悲鳴をあげるな。」
「なんでお前が鬼のことを・・・ちっ!こん畜生がぁ!!!」
再生しかけの細い腕で殴り掛かる。
「斑鳩君!子供は避難させ」
【月の呼吸 伍ノ型 月魄災禍】
「・・・え?」
「・・・は?」
緑谷は状況が呑み込めず、マスキュラーは自分の胴が真っ二つにされたことに気づいけていない。
(い、いま、今抜刀しねえで・・・)
「本当だったらもう少し戦っていたいが、任務の途中なんでn」
「セントルイス!スマッシュ!!!か、硬っ!」
マスキュラーを飛び越え蹴りを入れてくるのをノーガードで受ける。
「・・・蹴る相手を間違えてるぞ。」
「君こそ!なんで殺したんだ!!立派な殺人だぞ!」
「・・・ああ?」ブワッ
「!?」ゾワ
「そう思うならお前がさっさと倒してしまえばいい話だっただろう。お前の実力不足だ、それと一つ言っておいてやる。
コイツは人間じゃなく鬼だ。・・・おい、マスキュラーの個性は知っているか?」
「え?に、ニュースでは筋肥大っていってたはず・・・。」
「そうだよな、戦っててそうだった。だったら」
【月の呼吸 玖ノ型 降り月・連面】
緑谷の頭上をかすめる形で斬撃を振り下ろし、殴り掛かってきていたマスキュラーを斬撃が切り刻む。
「ぐあっ!!!くっ!」
「なぜこいつが両断された胴をくっつけてお前に殴り掛かれたと思う?」
「な・・・!」
驚きのあまり言葉がでていない。
「答えは簡単、こいつが鬼だからだ。鬼は打撃なんてものは効かない、USJの時の脳無とは訳が違う。鬼に限界なんてものはない。鬼は人とは違う、大半が食人衝動に駆られて本能のままに人を喰らうだけの化け物だ。薬もないから人に戻すすべもない。殺すしかないんだよ。鬼が人を喰うと力が増す、被害者が強個性であればあるほどその強化量はでかくなる。そうなる前に切ってしまうんだ。」
「だったら薬ができるまで閉じ込めておけば」
「それができたら苦労はしていない。1000年以上前からある鬼の歴史の中で人間に戻れた例はたった2人だけ、それも特殊な家系なこともあってそうなったに過ぎない。それで?誰が捕まえるんだ?ヒーローか?雄英にスナイプ先生ってのがいただろう。そいつでさえ1人も喰っていない鬼に手も足も出ない始末だ。10人も喰えばオールマイトですら手が出せなくなるぞ。鬼になるのは個性じゃないからイレイザーヘッドの抹消も効かない。」
「そ、そんな・・・。!!な!なんで君が雄英のこと!」
「今俺が喋った情報も何百年も前に多くの人が命を散らして命がけでつかんだものだ。それほど鬼狩りの歴史は古い。」
「・・・」
【月の呼吸 壱ノ型 闇月・宵の宮】
マスキュラーの首が宙に舞う。
「普通の人間はボロボロ体が崩れて死なないだろう?わかったらさっさと消えろ。この山は今鬼がうじゃうじゃいる。俺たちの邪魔はするなよ。」
目の形や牙など鬼の特徴を伝え雄英の生徒と先生じゃそいつらには敵わないから逃げろと広めるように伝え、その場を後にする。
非戦闘中の柱に鬼の量と担当区域を聞いた文を鴉に持たせ飛ばす。すぐに蟲柱から返事が来た。
【月の呼吸 陸ノ型 常世孤月・無間】
周りの鬼を一掃し返事を読む。
「距離は結構離れてるな、鬼とは・・・まだ2体しか遭遇していない?こっちはもう20は狩ったぞ!?・・・なんでだ?地域によって差があるとしか思えない。ちっ!量も多いしなんか人間も混じってるし雄英に見つかったらいけない・・・し?」
(鬼の大量出没、雄英、そこらをうろついてる人間・・・ハッ!そうか!こいつらは一般人じゃない!ヴィランだ!俺の動きが早すぎて攻撃されなかっただけか!)
「今すぐ柱と上弦に伝えろ!ヴィラン連合が鬼を使って雄英を襲撃している!」