・・・はい、全開と○○回をかけました激寒
鬼化が強制的に解除されその正体が露わになる。
「え・・・?
「う、嘘だろ・・・」
「ま、まさかそんな。」
「「「「「斑鳩!?」」」」」
「ちっ面倒なことになった。」
「斑鳩、急に学校こなくなったかと思えば・・・ヴィランになんてなってたのかよ!」
「そうだよ!心配したんだから!」
「洗脳でもされてんだろ!?な?」
皆口々に狛治に声をかける。
「おい!!」
爆豪が口を開く。
「てめえ前に無個性みたいなもんっつってたよなぁ!イレイザーヘッドの個性で消えたってことはお前の白い姿は個性ってことだろうが!雄英にいるときは1回も使わなかったくせに・・・俺達を舐めてたってことか!ああ!?」
「ま!まて爆豪!」
相澤先生の静止もプライドを傷つけられ怒りに燃えた爆豪の耳には届かない。
「死ねええええええ!!!!」
「右の大振り。最初の基礎訓練から何も変わってないな。」
「な、視線を合わせないで躱した!?」
「毎回死ね死ねやかましいな、本当の死とは」ギラッ
「っ!?」ゾワ
「こういうことだ。」
(USJ時の殺気!前より全然強い、気を失いそうだ・・・!)
雄英生全員萎縮し、イレイザーヘッドでさえ恐怖を抱いている。一番至近距離で殺気にあてられた爆豪は言葉はおろか攻撃も防御も身を引くことも敵わない。
その場の全員共通して、猗窩座に敗北し殺されるビジョンが脳裏ではっきりと再生されている。
「・・・ヴィラン共は何人かは泥みたいになってしまったが、拘束した分はそっちに引き渡す。もう俺たちに関わるな。俺達を捕まえたところで揉み消されるのがオチだぞ。」
「それってどういう・・・?」
緑谷が言葉を発した瞬間、狛治の姿は消え、代わりに縄で拘束されたヴィランが10人ほど転がっていた。
「私が助ける必要はなかったようですね?」
「ああ、もうすぐ夜が明ける。任務は終わりだ。」
ふふっと笑いながら言ってくる蟲柱に愛想なく返す。
色々な意味で長い夜は幕を閉じた。
時は数か月飛んで秋の中旬頃
なんだかんだ爆豪は攫われずに済みました。
「も、もう完成したのか!?」
なんともう家が完成しているのだという。
そんなに広い家を要望したつもりはないが、それでも早すぎないか?
「はい!隠半数動員で頑張りました!」
「そ、そうですか・・・。」
鬼殺隊を相手にしている時から陰ではこの人達が動いていたと考えると少し恐ろしくなる。
大正時代から現代へ変わり、隠の技術力も格段に上がっていた、それに数人鬼も隠として活動している者はいるのでそれもあるのだろう。
大正の頃も柱の家などは隠が建てていたため、今更和風の家1軒くらいもうそれほど問題はない。 とのことだ。
見に行ったときに思った
(結構でかいぞ・・・。内装もそこまでこだわりがなかったから恋雪と軽く話し合ったものをそのまま伝えたが、庭のことをすっかり忘れていた・・・。風呂とかの機能はしっかりいいやつだな・・・。)
庭は造り手に任せてしまっていたのでとんでもないことになっていた。元々竹林の道を抜けた先にあるから何もしなくてもいい雰囲気があったのだが、道と庭の灯りが石灯籠で小高く盛り上がった箇所から水が湧き出ており、庭全体に作られた小川を流れ池に入ると最初の場所に循環する。
ところどころに石橋や中洲が作られていて本当に豪邸にあるような庭だった。
(家の何倍土地使ってるんだこれ・・・。趣味趣向が過ぎるぞ。)
人生で二度目の荷造り
そこまで荷物は多くないので引っ越しはすぐに終わった。
隠科を回り、師範の家に行きそれぞれでお礼を言った。
師範には「恋雪になにかあったらただじゃおかんぞ!・・・という心配もないだろう。何かあったらいつでもうちを頼りなさい。」と改めて許しをもらった。
恋雪の荷物を持ち新居へ向かう、家具は要望したものが備え付けられているから布団袋を除いたら小物や本ばかりだ。
師範の家から学校が割と近いこともあって新居につくのに大して時間はかからなかった。
「ここだ。」
「はえー、すっごいきれいな家。庭もすごい!」
「職人の業だな・・・。」
恋雪の荷物を恋雪の部屋に運び、一息つく。
「布団はここでいいか?」
「はい!ありがとうございます!・・・・・・・・お、同じ場所で寝ないんですか?」上目遣い
「(かわいい(即答))寝室は一応あるが・・・そ、それは心臓に悪いからもう少ししてからで・・・。」
「楽しみにしてます!」パアア
((かわいい!(即答))なんだこの生物は・・・愛でたい、今すぐに!)
一生心臓に悪いかも、と思った鬼殺隊十二鬼月上弦の参なのであった。