一生心臓に悪いかも、と思った鬼殺隊十二鬼月上弦の参なのであった。
「本日はこのような場を設けていただき、ありがとうございます。校長の根津です。こちらは」
「相澤消太です。よろしくお願いします。」
「こちらこそ、お会いできて光栄です。それはそうと、本日はどのようなご用ですか?」
「そちらに通っている竈門炭治郎君、斑鳩楓改め素山狛治君が、鬼殺隊としてうちの生徒に接触していることが判明しています。ここに来る前に警視庁の方から鬼殺隊は政府公認だと話は聞いています。鬼殺隊とは何か。をより理解するためにわが校の生徒と合同で訓練をしたいのです。」
「ここまで鬼殺隊の方々を無碍に扱ってきてしまったことはお詫び申し上げます。私たちがいくら説明しても一度ついてしまったイメージを完全に拭い去ることができませんでした。なので訓練を通して〈鬼殺隊は悪〉という思い込みを払拭したいのです。」
「・・・わかりました。その話受けましょう。」
「「・・・ありがとうございます」」
「念の為オールマイトにも近くで警戒態勢をとっていてもらいましょう。」
「そのつもりさ!もし狛治君が洗脳されていた場合、少し無理をしてでも連れてきてくれたまえ!」
「あの化け物をですか・・・特別手当はでるんでしょうね?」
「考えておくよ!」
「・・・ということで再来週の柱稽古に雄英高校1年A組の人たちを参加させたいんだ。いいかな?」
「お言葉ですがお館様」
「なんだい?実弥」
「俺は反対です、ヒーローなんてものは信用するに値しません。第一我々鬼殺隊になんのメリットもない。イメージなんてものも、向こうが勝手にマイナスに下げたのを向こうが勝手にゼロに戻るだけだ、しかも邪魔をしてくるヒーローがいなくなる確証はない。」
「実弥の言い分もわかった。確かにただこちらの訓練に参加させるだけじゃない。柱、上弦の皆には1日目に雄英にいって彼らの授業にあわせてそのサポートをしてほしいんだ。そこでヒーローに関することを小さい壺を使って玉壺に探ってきてほしい。お願いしてもいいかな?」
「ヒョヒョ、承知しました(まずお願いから入るの優しい・・・誰かさんとは大違い・・・。)」コク
「お前は後で私のところへ来い玉壺」ゴゴゴ
「スミマセンデシタ」
「おそらく2日目以降の柱稽古の中でも向こうは同じことをしてくるだろう。ならお互いに理解も得られるだろうし情報も得られる。こちらはやましい情報なんて1つもないからね。」
「スパイということですか・・・そういうことなら、まあ納得はできます。」
「みんなも異論はないかな?」
「ありません!!!」
「うるっせえぞ煉獄!耳元ででけえ声出すんじゃねえ!!」
「すまん!!!」
「はあ・・・もういいわ」
「・・・もう何もないみたいだね。ではよろしく頼んだよ。」
「「「御意」」」
柱合会議改め柱鬼会議で柱たち全員に伝えられることとなった。
{視点変更 緑谷出久}
「「「鬼殺隊との合同訓練ー!?!?」」」
「ああ、先日話した通り鬼殺隊は裏では政府が公認している組織だ。お前たちの考えている鬼殺隊と本当の鬼殺隊の印象をすり合わせるために試しとして1年A組が今回の訓練に選ばれた。俺達プロヒーローも十分警戒をした上で実施する。」
「具体的にはどんなことするんスか?」
「1日目はうちでいつもの授業だ、それに鬼殺隊が生徒として参加する。2日目からは18日かけて鬼殺隊の合宿に参加だ。」
「じ、18日もですか!?」
「なんでも鬼殺隊内の強化合宿が期間内にあるらしくてな、もともとこちらが持ちかけた話だから内容は向こうに合わせた。日程は来週の木曜だ、親御さんに伝えておけ。・・・ここからは教師としてではなく一ヒーローとして喋るが、公認だからって人を殺していることに変わりはない。そんなやつらの訓練なんて軽々乗り越えていってやれ。」
「「「はい!!!」」」
「・・・。」
「ん?どうした?緑谷。」
「あ!ううんなんでもないよ切島君!アハハ・・・」
(おそらくこの中で鬼殺隊について詳しく説明されたのは僕だけだ・・・。[林間合宿編参照] 何人か食べられてしまえば軽くオールマイトを超えるみたいなことを言っていたけど、それを狩り続ける斑鳩君たちって敵だとしたらもしかしてヴィラン連合よりヤバい奴らなんじゃ・・・。)
鬼殺隊には負けない!と皆が意気込んでいる中、僕一人だけがとてつもない不安に駆られていた。
そして合宿開始当日